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ORBS(オーブス)とは
引用:https://docs.wixstatic.com/
分散型システムのインフラ・プラットフォームとして開発が進められているORBSですが、その斬新なコンセプトから世界中の注目を集めていますが、ICOや上場時期についての詳細は明らかになっていません。
そこで筆者は、ORBS財務担当ディレクターにICOの予定を問い合わせてみました。この記事ではORBSの特徴について説明するとともに、財務担当ディレクターが述べるICOの参加方法を紹介します。
ORBSとは仮想通貨の一種であるとともに、大規模消費者向け分散型アプリケーションへのブロックチェーン基盤を提供するIaaS(Infrastructure as a Service)です。
その概要は、こちらの動画で詳しく知ることができます。
IaaSの代表例 Amazon Web Service
そもそも、IaaSとは何でしょうか。IaaSについて理解するために、集中型アプリケーション向けの代表的なIaaSであるAmazon Web Service(AWS)を例としてみましょう。
Webアプリケーションを作成するためには、アプリケーションソフトウェアだけでなく、その土台となるサーバやデータベース、ネットワークなどの「インフラ」も用意する必要があります。
しかしwebサービスごとにインフラを買いそろえることは、費用・工期どちらの面でも開発者にとって大きな負担となっていました。
この課題を解決するために誕生したAWSになります。
サーバなどのインフラはAmazonが一括で管理され、誰でもそのリソースを利用することができます。つまりAWSの誕生により、開発者は個別にインフラを用意する必要がなくなったのです。
民泊サイトAirbnbや動画配信サービスNetflixなど、今日では多くのアプリケーションがAWSを利用して開発されています。
ORBSが目指す姿は分散型アプリケーションにおけるAmzon Web Service
分散型アプリケーション開発にてネックとなる、ブロックチェーンをベースとしたスマートコントラクトとコンセンサスベースの非集中的データストレージを、誰もが利用できるかたちで提供することをORBSは目指しています。
分散型のアーキテクチャを採用することで、ORBSはAWSにはない大きな利点を有しています。AWSは集中型アーキテクチャのため、サーバがダウンするとシステムへの影響は避けられません。
一方ORBSでは1つのサーバがダウンしても他のサーバが処理を継続できるため、サーバ障害の影響を受ける心配がなくなるのです。
それでは、ORBSが開発を進めるブロックチェーン・インフラ基盤の特徴をみていきましょう。
ORBSの特徴1: 「すべてはユーザーのニーズから」という開発姿勢
ORBSの開発姿勢は、「すべてはユーザーのニーズから」という言葉に集約されます。IaaSにおいてありがちな、「インフラを設計し、それからユーザーを探す」という開発者本位な姿勢はORBS開発チームには見られません。
実際にユーザーがデザインパートナーとしてORBSの開発に参画し、ユーザーの要望をもとに改善が加えられています。
ORBSの特徴2: VIRTUAL CHAINS
ORBSではブロックチェーンを仮想化したVIRTUAL CHAINSを採用することで、物理インフラを共有しながらも個々のアプリケーションに独立したブロックチェーンを割り当てることができます。
これにより、各アプリケーションの独立性を保ちつつ、高いセキュリティを実現しています。
ORBSの特徴3: 選択可能な課金モデル
トランザクションごとの従量課金と、サブスクリプションモデル(定額制)どちらの課金モデルを選択すべきかという問いの答えは、個々のアプリケーションによって異なります。
そのためORBSでは、アプリケーションの開発者が課金モデルを選択することができます。
ORBSの特徴4: Helixコンセンサスアルゴリズム
多数のユーザーを持つ消費者向けアプリケーションを想定した場合、
プルーフ・オブ・ワーク(PoW)
プルーフ・オブ・ステーク(PoS)
といった従来のコンセンサスアルゴリズムは課題を抱えていました。
ビットコインに採用されているPoWアルゴリズムは、計算量によって処理の正当性を保証します。
そのためコンセンサスの形成に膨大な計算が必要となり、多数のトランザクション処理を必要とするアプリケーションでは処理速度が問題となることが多いのです。
一方、PoWアルゴリズムの代替として考案された議決権型のPoSアルゴリズムも、消費者向けアプリケーションにふさわしいとは言えません。
なぜなら消費者向けアプリケーションでは少数の上位アプリケーションがシェアの大部分を独占しており、議決権が一部の上位アプリケーションに集中してしまうために公平性に欠けると考えられるからです。
ORBSではこれらの課題を解決するため、Helixコンセンサスアルゴリズムという独自のアルゴリズムを採用しました。
ORBSのメンバーは多士済々
ORBSのメンバーは、さまざまな業界の起業家や学者、エンジニアで構成されています。ここでは、主要なメンバーを紹介しましょう。
1. Daniel Peled(President)
ORBSのPresidentであるDaniel Peled は、MasterCardやSantander InnoVenturesが出資するイスラエルのフィンテックスタートアップであるPayKeyの共同創業者兼CEO。イスラエルのビットコインコミュニティに初期から参加し、イスラエル初のICOの主催者でもあります。経済学史、法学修士。
2. Uriel Peled(共同創業者)
Uriel Peled はAR・VRスタートアップVisualeadの共同創業者です。
同社をAlibabaに売却後、イスラエルの有名ハイテク企業Mellanoxでチームリーダーを務めていました。イスラエル工科大学で電気工学を学び、スンマ・クム・ラウデを受賞。
3. Tal Col(共同創業者)
Tal Col は後にWix.comに買収されるモバイルアプリスタートアップAppixiaの共同創業者で、Wix.comではモバイルエンジニアリング部門のトップを務めました。
現在はKin(Kik Interactive)のエンジニアリング部門のトップとして、消費者向け分散型アプリケーションを開発。
オープンソースの支持者でもあり、Reactエコシステムのコントリビューターとしてカンファレンスでの講演経験も豊富です。
イスラエル工科大学でコンピューターエンジニアリングを学び、スンマ・クム・ラウデを受賞し、過去にはイスラエル国防軍(IDF)8200部隊の中の精鋭部隊に所属していました。
ORBSのICOは実施されていない?
現在(2018年7月)のところ、インターネット上でのORBSのICOに関する情報は錯綜しています。
これは正式なプレスリリースが発表されていないことに起因していますが、明らかなことは一般ICOが実施されたことはなく、今後もその予定はないということです。
筆者はORBSの将来性はとても有望と考えており、正直なところ残念でなりません。上場時期についても、具体的には発表されていないようです。
ORBS財務担当ディレクターが語るICOの参加方法
それではORBSを購入する方法は無いのかといえば、そうでもありません。実はプライベートセールという形式で、現在も購入できるのです。
ORBSのプライベートセールに参加するためには、チャットツールTelegramでORBSの財務担当ディレクターOren De Lange(アカウントは@OREN DX)にダイレクトメッセージでコンタクトする必要があります。
ただし必要な資金量は半端ではありません。実際に筆者が問い合わせたところ、「500イーサリアムから参加可能」との返事がありました。
執筆時点のレートで500イーサリアム≒2,500万円ですので、気軽に参加するのは難しいですね。
試しに「10イーサリアムでどうか」と粘ってみましたが、「気持ちはありがとう」とあっさり撃沈されてしまいました。
なお「プライベートセールスはいつまで継続するのか?」という質問については、明確な回答は得られませんでした。
もっとも上場時期が未公表なため、これは仕方のないことかもしれませんね。上場時期についてはTelegramで近日公表予定とのことです。
ORBSの最新情報はTelgramで手に入れよう
上記でも触れましたが、ORBSの最新情報はチャットアプリTelegramにて確認することができます。
- orbs_network
このグループでは、ORBSの開発者に直接質問することができます。
- OrbsAnnouncements
https://t.me/OrbsAnnouncements
プレスリリース等が発表されるチャンネル。上場についてもこのチャンネルで発表予定とのことです。
- @OREN DX
財務担当ディレクターOren De Langeの個人アカウント。プライベートセールに興味がある方は、Orenにダイレクトメッセージで問い合わせてください。
その他のORBS関連リンク
- ORBSホームページ(日本語)
https://twitter.com/orbs_network
ORBSの今後に注目しよう
2018年5月末から実施されていたKin by KikとPumaPayによる試験運用では、1,000TPS(Transaction Per Second:1秒間に処理可能なトランザクション数のこと)の処理能力が実証されました。
また2018年7月中に新たに2社が試験運用に参加すると発表されるなど、ORBSの開発は着々と進んでいます。
イーサリアムや中国版イーサリアム・NEOのライバルになるとも言われるORBSですが、将来的にはイスラエル系ICOのプラットフォームとして採用されるとの見方もあります。
また一般ICOが実施されていないため希少性が極めて高く、強力なマーケティングチームを有しているなど、価格上昇要因も豊富です。
斬新なコンセプトと確かな開発力で世界中の注目を集めるORBSから、今後も目が離せません。