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ICOの新しい形ICCO(Initial Convertible Coin Offering)とは?

ICCO(Initial Convertible Coin Offering)とは?


ICCO(Initial Convertible Coin Offering)とは、既存のICOとは異なり、トークンを発行した後一定期間を経過すると、そのトークンを発行元企業の株式と交換する事が出来る資金調達方法です。

これは「トークン化された転換社債」とも言い表す事が出来ますが、一体どんな新しい資金調達方法なのでしょうか?

Convertibleの意味とは

このICCOのCには「Convertible」という意味が含められています。
Convertible(コンバーチブル)とは日本語で「変換・転換」といった意味で訳す事ができ、ICCOを直訳すると「転換可能な新規仮想通貨公開」と表せます。

そもそも転換社債とは?

そもそも転換社債(Convertible Bond)とは、既存の企業の資金調達手段として株式と債券の二つの性質を持った金融商品であり、所有者は転換社債を株式に転換する事で株価の上昇による利益を得る事が出来る仕組みとなっています。

そんな転換社債になぞられて作られたのがこのICCOです。

社債と株式の違い

社債と株式の違いですが、これを簡単に説明すると社債は企業に貸し出す為に償還期限があり、満期になると元本が返済される仕組みとなっていますが、株式は企業にお金を貸し出す社債とは違い、企業は株式に対してのお金の返済義務がありません。

なので社債はローリスクローリターン、株式はハイリスクハイリターンのリスクプレミアムがそれぞれあります。

マルタの企業が世界初のICCOを実施。その特徴とは?


引用:Palladium

先月の7月に、このトークン化された転換社債であるICCOによる資金調達が世界で初めて行われました。

それがマルタを拠点にするブロックチェーン企業「Palladium(パラディウム)」であり、ICCOを米大手仮想通貨取引所Bittrexと提携して実施したのです。

PalladiumによるICCOの特徴

Palladium社が行ったICCOはトークンを購入した後、3年後にそのトークンを同社の株式に交換出来るとされています。

なので、トークン販売から3年間はそれがロックされる事になります。

また、目標調達額は1億5,000万ユーロ(およそ195億円)で、プレセールは2018年7月10日から始まっており、一般向けのトークンセールは7月25日から9月30日まで行われています。

マルタ国内で仮想通貨取引所の設立

Palladium社は今回のICCOによってマルタ国内にて仮想通貨取引所を設立すると発表しており、調達資金はその取引所設立の為に充てられるとされています。

同社はブロックチェーン技術を駆使してあらゆる資産、いわば法定通貨や暗号通貨などをシームレスに取引出来るようなプラットフォームを目指しています。


引用:Palladium

今回仮想通貨取引所を設立する事で、単一のプラットフォーム上であらゆる通貨を取引出来る次世代銀行を創り上げようとしているわけです。

ICCOによる企業や投資家のメリット

このICCOは企業側と投資家側の両方にメリットがもたらされる仕組みでしょう。

以下よりそれぞれのメリットを見ていきます。

企業がICCOを行うメリット

まず、企業側がICCOを行うメリットですが、ICCOによって投資家にトークンを配布するという形であれば、既存のIPOや社債発行に準ずるような規制を受けずに資金調達を行う事が出来ます。

現状ICOトークンは「株式」ではない為、当局による規制を受けません。

なので企業は資金調達のプロセスを従来よりも簡略化出来るメリットがあると言えるでしょう。

投資家がICCOに投資するメリット

続いて投資家側のメリットですが、投資家はトークンを購入後3年経てば(Plladiumの場合は3年)、その企業の株式を得られる権利を持つ事が出来ます。

当然ですが投資家は3年後にその企業の株価の値上がりの恩恵を受ける事ができ、企業がより魅力的になっている事で、規制の枠組みが整った現物の株式を比較的割安で手に入れられる可能性があります。

なお、ICCOは将来株式に転換されるという性質から、今後機関投資家を誘致するアセットクラスになることも考えられます。

Palladiumの創設者であるPaolo Catalfamo氏は「機関投資家は暗号通貨市場の規模は認識しているが、規制の欠如がある事から傍観し続けている」とコメントしており、同氏はこのICCOによって機関投資家を誘致する試みを持っています。

ICOを超えられるか?ICCOのリスクと今後

以上がICCOについてでしたが、既存の金融商品になぞったユニークな資金調達方法であり、使い方によっては投資家に魅力を与える手法となるでしょう。

ただ、このICCO投資では、3年の期間も持たずに途中で消えてなくなるという事も十分あり得ます。

そもそも3年以内に倒産する会社は全体の60〜70%と言われており、5年もすれば80%の会社が消えて無くなっています。

そして、こういったトークン化された転換社債を規制当局は今後どのように見るのかも重要なポイントです。

その点を踏まえ、投資するのであればある程度のリスク許容度を決めておくべきでしょう。

ただ、このようなユニークな資金調達方法が既存の企業に多く用いられるようになれば、会社の資金調達の手段が広がり更に選択肢が増える事にも繋がります。

ABOUT ME
Kenta Fujii
Kenta Fujii
新卒で入社した大手金融機関では、主に広告の運用やマーケティングに従事。その後は11ヶ月で退職し、金融・フィンテック分野に特化したフリーライターとして活動中。
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