ブロックチェーン

仮想地球EXAとは?メタップス佐藤氏が創るブロックチェーンプロジェクト

ブロックチェーンを用いた仮想地球プロジェクト「EXA(エクサ)」とは?


引用:EXA

EXAとは、衛生データとブロックチェーン技術を用いてデジタルな仮想空間にもう一つの地球、いわば「仮想地球」を作るプロジェクトです。

同プロジェクトは、Amazonランキング大賞のビジネス書部門で日本1位を受賞した「お金2.0」の著者である株式会社メタップスのCEO佐藤航陽氏が発表したものであり、EXAは佐藤氏の思想が詰まったプロジェクトなのです。

本記事では、そんな仮想地球プロジェクトEXAについて述べていきます。

仮想地球EXA(エクサ)の特徴

衛生データとブロックチェーンを活用した「仮想地球」

EXAは、人工衛星から取得できる地理座標系のデータをブロックチェーンに記録してネットワーク上にもう一つの地球を創り出します。
すなわち、衛生データから取得した現実世界の地球に関する情報をブロックチェーン内のトークンと結びつける事で、サイバー空間でも同じような世界が複製されるのです。

これが、現実の地球とは異なる仮想地球のインフラとなります。

メタップス佐藤CEOの考えるもう一つの地球

では、佐藤氏はなぜこの仮想地球であるEXAプロジェクトを構想したのでしょうか。
それについては、幻冬社が運営するメディア「あたらしい経済」にて発言していますが、同メディアを見ると、佐藤氏は元々宇宙産業に興味を抱いており、衛生データを活用した何かをしたいと考えていたとされています。

https://twitter.com/ka2aki86/status/1010049759573245952

そもそも同氏の展開するメタップスがデータを軸とした経済圏の構築を経営戦略として掲げている事から、データ解析やそれを使った事業展開は、佐藤氏にとっては得意分野でしょう。

《メタップス社の経営構造》

引用:metaps

一方で、佐藤氏は世の中の格差をどのようにすれば取り除く事が出来るかについても課題として持っていました。

そこで同氏は現実経済と仮想経済とで逆相関するような経済圏と作れないかと考えたのです。

それが「仮想地球」であり、仮想地球の経済圏からチャンスを得られる人が増えるような世界を創り出すことこそが佐藤氏の考えるもう一つの地球です。

そして、あの名著「お金2.0」はこのEXAプロジェクトのホワイトペーパーのようなものだったとも佐藤氏は明かしています。

位置情報と連動した独自のマイニング

このEXAでは従来のPoWやPoSと呼ばれるマイニングの為のアルゴリズムは採用しておらず、その経済圏(仮想地球)に参加するユーザーの位置情報に連動してトークンをマイニング出来るアルゴリズムを採用します。

それは、特定の場所に位置するユーザーはその場所に居るだけでトークンが貰えるという仕組みであり、PoWのようにマイニングマシンで計算するといったプロセスは必要ありません。

では、どういった場所だとマイニング報酬を得やすいのかといった点ですが、経済発展が高い地域ほどマイニングがされにくく、逆に経済発展が低い地域ほどマイニングがされ易いように設計されています。

これは経済力の高い東京ではトークンのマイニングが難しいけれど、一方で日本の地方だったりアフリカのような新興国だとたくさんトークンのマイニングが出来るといった構造です。

これによって、経済力の高い国と低い国との間の格差を縮める事ができ、現実経済と逆相関の仮想経済圏を作る事が出来るのです。

このアルゴリズムを同プロジェクトのメンバーは「Proof of Existance」「Proof of Location」と呼んでいるようであり、今後の位置情報マイニングを実用化させる為にアルゴリズムの設計を進めています。

仮想地球でトークンを埋蔵する事が出来る

仮想地球EXAは上述した位置情報マイニングに加え、自分で保有するトークンを特定の地理座標に埋め込む事も可能です。

トークンを自ら埋め込む事によって、そのエリアでトークンのがマイニングされる確率が上がり、そしてマイニングによるトークンの報酬が上がるような仕組みとなるのです。

この仕組みによって、富が集まっている所からまだ未成熟な所へと、大きくお金が移動する可能性だってあり得るでしょう。

この仕組みを用いれば、地方が地域活性化を促進するにあたり、仮想地球内でそのエリアにトークンを埋めておく事も出来るのです。

このように、佐藤氏はEXAの仮想地球プロジェクトを通して物理的に人を動かす仕組みを作ろうとしています。

さくらインターネットの「xData Alliance」に参加

国内最大級のデータセンター事業を行うさくらインターネットは、衛生データプラットフォーム「Tellus」の開発や利用促進を行うアライアンス「xData Alliance(クロスデータアライアンス)」を発足しました。

https://twitter.com/ka2aki86/status/1024146070069116929

同アライアンスは宇宙産業関連企業を含めた21の事業者や研究機関、団体で開始されており、Tellsの開発を進めていく模様です。

現実地球と仮想地球との比較

では、現在私達が生きている現実地球と今生まれようとしている仮想地球とでは一体何が違うのでしょうか。
以下が公式サイトで述べられた現実地球と仮想地球との違いです。


引用:EXA

資本主義と価値主義

ここで、特に大きく異なっているのが社会構造の部分です。
現実地球が資本主義であるのに対し、仮想地球では「価値主義」を提唱しています。

佐藤氏は、著書「お金2.0」でもこの「価値主義経済」について解説していましたが、それが既存の資本主義と違う所は「内面的な価値」と「社会的な価値」が含まれている点です。

既存の資本主義経済では、「有用性の価値」と呼ばれる実用性に特化した価値が重視されていました。

これによって、大企業は実用性のあるモノやサービスを安いコストで大量に生み出し、それが多くの雇用を生み世界を豊かにしました。

しかし、仮想地球の社会構造となる価値主義経済ではそのような「規模の経済」ではなくテクノロジーの発展によって可能となった個人の信用の価値化であったり、共感、好意の数値化によって経済が作られます。

この仮想地球EXAの場合、経済発展の低い地域程高いマイニング報酬が得られるという仕組みから、大企業のように大量に商品を販売して行くといったような価値では無く、今後の経済発展が見込める国や地域でコミュニティを形成する事が価値となり得るのです。

それが上述した「内面的な価値」と「社会的な価値」です。

これはお金2.0で「既存の経済」と「新しい経済」といったように区別されていましたが、仮想地球による価値主義経済は、まさに後者である新しい経済なのです。

ユーザーが主体となって動く地球

また、既存の現実地球では実務主体が議員や行政府でしたが、仮想地球ではその主体がユーザーによるものとされています。

これは最初に生まれた仮想通貨ビットコインと同じ思想であり、政府が牛耳る中央集権型からユーザーが自律的に経済を動かす分散型の構造となっています。

このEXAではトークンのマイニングシステムによって国や地方への移動、そしてエリアの活性化をユーザー自身で行うインセンティブがあります。
ブロックチェーン技術を用いて、政府の介入無しの自律的な経済圏を作れる事こそがトークンエコノミーの魅力なのです。

仮想通貨が創るトークンエコノミーとは?新たな経済圏の今後を考察仮想通貨によってトークンエコノミーの時代が始まる昨今、ブロックチェーン技術を駆使した仮想通貨は「投機」のフェーズから「実用化」の...

数千人規模のEXA(エクサ)コミュニティ

現在EXAにはFacebookグループによるコミュニティが存在しており、そこには2018年8月現在2,930人のメンバーが参加しています。


引用:EXA

同グループは「宇宙ビジネスや衛生データ活用に興味のある人」「ブロックチェーンやトークンエコノミーに興味のある人」に向けた非公開コミュニティであり、情報共有やディスカッションが行われていますが、今後はプロトタイプのテストや開発メンバーの募集なども行われる予定です。

仮想地球EXA(エクサ)の今後の展開

このEXAプロジェクトは今後どのように展開されるのでしょうか。
佐藤氏は、EXAについて決済用に用いるトークンとしての設計は予定しておらず、仮想地球の上でトークンをマイニングしたり、エリアにトークンを埋める行為のみといったシンプルな設計を考えています。
なお、EXAトークンはイーサリアムをベースに作成する予定となっており、今後はイーサリアムとの交換が可能になる事も考えられます。

また、EXAは2018年の夏にプロトタイプが出されてコミュニティ内で実証実験され、年内に一般公開を目指しています。

仮想地球EXA(エクサ)についての考察

以上が仮想地球EXAについてでしたが、このプロジェクトによって新しい経済生態系、そして新しい形のコミュニティが生まれると筆者は考えています。

国や地域を応援する事が経済として成り立つ社会

価値経済による仮想地球では、地域活性化や新興国でのボランティアなどが経済として成り立つ可能性があり、今までの「地域活性化」や「ボランティア」とは違ったインセンティブ構造によって社会の接続性が強化されるのです。

資本主義経済では情報やお金の偏りによって、必然的に勝者が出て敗者が出てしまいました。

しかし、このEXAによる「アルゴリズム」によってその格差を縮められる可能性がそこにはあります。

情報発信を行うノマドワーカーは有利となる

EXAの仕組みは物理的な場所によってトークンのマイニング報酬が決定するシステムなので、場所を選ばずに生活をする「ノマドワーカー」が今後有利になると筆者は見ています。

このノマドワーカーは、既存の資本主義経済からの収入と新しい経済である価値主義経済からの収入を得られる可能性のある職種なのです。

EXAのシステムでは、経済力の高い国ではマイニング報酬が低く設定されるので、先進国の都心で働くオフィスワーカーは高いマイニング報酬が望めません。

しかし、場所を選ばずに働く事が出来るノマドワーカーの場合、マイニング報酬の高い場所を選ぶ事が可能なのです。
EXAによって発展途上の国やエリアに住むインセンティブが付けば、今後グローバルに場所を移して働く人が増えるかもしれません。

まとめ

このシステムは位置情報をどのように証明するのか、また、位置情報を不正に操作されるといった情報の偽造に対応する事が課題となるでしょう。
EXAプロジェクト実現の為にはそういったセキュリティ体制の強化が非常に重要となります。

また、佐藤氏の掲げる構想が技術的にどこまで実現するのか、そしてその構想に共感し価値主義経済に参加するユーザーがどこまで広がるのかが、今後のEXAの発展の鍵になるでしょう。

ABOUT ME
Kenta Fujii
Kenta Fujii
新卒で入社した大手金融機関では、主に広告の運用やマーケティングに従事。その後は11ヶ月で退職し、金融・フィンテック分野に特化したフリーライターとして活動中。
関連記事