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P2Pの仕組みとは?ネットワーク活用事例やデメリットを徹底解説

日常のあちらこちらにP2Pが活用されている

P2Pという言葉を聞いたことがある人も多いことでしょう。とくに、ビットコインやブロックチェーンの仕組みを理解しようと思うと、避けては通れない言葉の1つです。

P2Pとは、

Peer-to-peer(ピア・ツー・ピア)の略語であり、

peer」の意味は「同等の」や「同格の」を指しており、「対等の立場」と表すことができます。

そして、インターネット間では、サーバーを介さずに通信ができるネットワークを指します。

P2Pはブロックチェーンだけでなく、日常で私たちが使用している様々なアプリで活用されており、ここではP2Pの仕組みや活用例、暗号通貨における仕組みやデメリットについても明らかにしていきます。

P2Pの仕組みとは?

出典:https://finte-x.jp/9115

一般的なネットワークは、上記の左の図のようにサーバーを介して無数のネットワークが形成されている

中央集権型(クライアントサーバー型)

に該当します。

しかし、P2Pの場合は、上記の右の図のようにサーバーを介さずにPCそれぞれが直接ネットワークを形成しており、

非中央集権型P2P)」

と呼ばれています。

P2Pが中央集権型よりも優れている点は、クライアント同士が分散して繋がることで、どれか1つのクライアントが停止しても、全体としてのシステムがダウンすることがない点です。

つまり、P2Pゼロダウンタイムを実現したネットワークなのです。

P2Pの分類として、次の3つが挙げられます。

  • ハイブリッドP2P(データの所在を一括保持するサーバーを持つ)
  • ピュアP2P(上記のようなサーバーを持たない)
  • スーパーノード型P2P(処理能力の高いノードが自発的にデータの所在を探索、保持する)

では、実際に私たちが日常で利用しているサービスやアプリの中でP2Pが活用されている事例を見ていきましょう。

身近にあるP2P活用事例

私たちの身近にあるサービスやアプリの中でP2Pが活用されている代表的なものとして、次の3つが挙げられます。

  • Skype
  • LINE
  • μTorrent

一つずつ説明していきます。

P2P活用事例①Skype

インターネット上で音声通話やビデオチャットなどが可能なサービス「Skype(スカイプ)」でもP2Pが活用されています。

SkypePCでの利用はもちろんのこと、スマホでも利用可能です。また、サーバーを介していないので手数料がかからないケースが多いです。

そのため、インターネット環境が整っている場所であれば、いつでもどこでもほとんど無料で利用できます。

ただ、Skype2011年にマイクロソフトにより買収されたため、現在はP2Pからクラウドベースのシステムに移行しています。

とは言え、初期のSkypeを支えたのはP2P技術であったことは変わりません。

P2P活用事例②LINE

出典:https://line.me/ja/

P2Pは、幅広い年齢層やビジネスで利用されているスマホアプリ「LINE(ライン)」にも活用されています。

初期のSkypeと同様に、音声通話による通話料が無料である理由は、P2Pを活用していたからなのです。

LINEもスマホ同士が直接繋がっているからこそ、サーバーへの手数料が発生せず、無料で利用できるという訳です。

LINE機能の1つに「グループ通話」があり、最大で200人が同時通話できることから、P2Pの恩恵を受けていることに納得できることでしょう。

P2P活用事例③μTorrent

出典:https://www.utorrent.com/intl/en/mobile/

ファイルの高速ダウンロードや再生、保存などが可能なサービス「μTorrent(マイクロトレント)」でもP2Pが活用されています。

μTorrentでは、原則として著作権フリーの大容量のファイルをスピーディーに効率よくダウンロードすることを目的のサービスです。

μTorrentのメリットは、ゲームソフトなど大容量のファイルをダウンロードしてもユーザー同士で共有しているため、ダウンロードサーバーへの負荷を抑えることが可能な点です。

しかし、近年では違法なファイルがダウンロードされ、著作権が侵害されていることが問題となっています。

P2Pとブロックチェーンの強いつながり

ビットコインにおいて、P2Pは重要な役割を担っています。

それは、P2Pのネットワーク上でトランザクションが公開され、誰もが確認できることです。

ネットワーク上で取引の正当性が承認されることで、仮想通貨の取引が可能になるのです。この仮想通貨におけるP2Pの仕組みを図解にしたものがこちらです。

出典:https://finte-x.jp/1529

上記の図解のように、送金者が送金相手にビットコインを送金する取引の流れは次の通りです。

  1. 送金者が送金相手に送金したビットコインは一旦、P2Pネットワーク上にトランザクションが公開される
  2. ネットワーク上でマイナーによって正当性が承認される(マイニング)
  3. P2Pネットワーク上から送金相手にビットコインが送金される

このように、P2Pは仮想通貨取引における重要な役割を担っているという訳なのです。

P2Pについて、こちらの記事でも詳しく解説されているので、参考にご覧ください。

P2P(ピアツーピア)とは。仮想通貨にも利用される仕組みとその実例「p2p」って何か。その仕組みはp2pという言葉を見たことがあるでしょうか?一見、ただの記号のように見えますが、実はものすご...

P2Pにはデメリットも

P2Pの仕組みや活用事例を説明してきましたが、P2Pにはデメリットも存在します。そのデメリットとは、セキュリティリスクがあるということです。

例えば、ファイル交換サービスでウイルスが仕込まれたファイルがP2Pネットワーク上に流出すると、ネットワーク全体がウイルス感染するリスクがあります。

また、「51%攻撃」により、ネットワーク全体の50%以上が特定のマイナーによって支配されることで、不正な取引が可能になると考えられています。

この問題が現実となれば、P2Pは「対等の立場」を保てなくなってしまうのです。

P2Pは私たちの生活を豊かにした事実は変わらない

P2Pは、従来の中央集権型ネットワークにはないメリットもあれば、デメリットも存在します。

しかし、分散型のネットワークを可能にしたイーサリアムなどの仮想通貨の誕生によって、新たな価値も見出されてきています。

課題はあるにせよ、P2Pはビットコインを支える柱であり、私たちの生活を豊かにする様々なサービスやアプリが誕生するきっかけとなったことは間違いありません。

今後、P2Pを活用したサービスやアプリが誕生していくのか楽しみでもありますね。

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