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トルコは仮想通貨普及率世界一の国|トルコリラ暴落による仮想通貨取引の急増

トルコは仮想通貨普及率世界一の国へ


アジアとヨーロッパの2つの大州にまたがる共和国トルコは、欧米を中心とした仮想通貨の普及率調査で世界一位となりました。

あらゆる統計をまとめた統計ポータルサイト「statista」によると、以下の世界15ヶ国の中で仮想通貨を所有しているかのアンケートを行った結果、トルコが所有率18%となり一位となっている事が分結果として表されました。


引用:statista

トルコに次いで2位が12%のルーマニア、3位が11%のポーランドとなっていますが、統計を見るとそのトルコの圧倒的普及率が伺えます。

上記の統計を見るとほとんどの国が仮想通貨の所有率10%にも満たないというのが現状であり、現実は仮想通貨の実用化には程遠く、同サイトによると人々はまだ仮想通貨に興味が無いという回答が多かったとあります。

では、なぜトルコだけはこのように断トツに普及率が高いのでしょうか?

以下よりその真相を暴いていきます。

トルコの仮想通貨普及率が高い理由

トルコでの仮想通貨普及率が高い理由として、「同国内の政情不安」と「金融危機」の2つが主に挙げられます。

トルコの政情不安

トルコは大統領であるエルドアン氏による「独裁政権」が展開されており、それによる政治の不安定さが短期的な経済リスクを招いています。

2013年には大規模な反政権デモが発展し、2016年にはクーデター未遂事件を起こしましたが失敗に終わり、死者はおよそ300人にも及びました。

そのようにトルコの政情は不安定となっており、トルコ国民の政府に対する信用度が下がっているのです。

そこで政府の発行する法定通貨「トルコリラ」以外に仮想通貨を保有している人が増えたというわけですね。

金融危機によるトルコリラの下落

トルコ政府の信用の悪化は政府が発行する「トルコリラ」の下落に直接繋関係しています。

以下のチャートのように、トルコリラはこれまでに多くの政治的リスクカントリーリスクを受けて大きく下落して来ました。

2007年から今日に至るまで、そのボラティリティはなんと-80%を超えています。

なおトルコリラのボラティリティは直近で起こった欧州債務危機などによる資産の下落レベルであり、欧州債務危機ではおよそ1年でアメリカや日本の株式が平均30%下落しましたが、トルコリラはわずか1年で50%を超える下落を魅せているのです。

そして現在その政策金利は17%を超える水準ともなっており、トルコは経済的にも不安定な環境が続いているのです。

今後政府が新たにトルコリラの供給量を増やしてインフレが起こった場合、トルコリラの価値は他の通貨と相対的に下落してしまうので、「それではトルコリラではなく仮想通貨を保有しておこう」といった心理が投資家や国民に働くようになったのです。

トルコリラの暴落により仮想通貨取引が増加

そして、このトルコリラは2018年8月に急落し、トルコリラ対日本円のレートは大幅に下落してしまいました。

8月9日から13日までの3日間で約30%を超える下落率を魅せており、2018年1月から換算するとおよそ50%の急落となっているのです。

今回のトルコリラ下落の原因

今回トルコリラが急落した理由としては、トルコと米国間における関係の悪化です。

米ドナルド・トランプ大統領はトルコとの関係性を「良好ではない」と自身のTwitterで投稿し、トルコ製の鉄鋼やアルミニウムにかかる関税の引き上げを主張していました。

両国の関係が今後も悪化傾向となる恐れがあったことから、トルコリラはここ数年でも最も大きな下落を魅せたのです。

トルコリラのボラティリティがビットコインを超える

今回のトルコリラ暴落を受けて、そのボラティリティはビットコインを上回ったとBloombergが発表しました。

実際に直近半年間の価格推移を互いに比較してみると、ビットコインがおよそ-20%、トルコリラがおよそ-40%となり、トルコリラの下落率がビットコインを上回っている事が分かります。

これをみると、トルコリラを保有しているよりもビットコインを保有していた方が安全だと考える事が出来ますよね。

驚くことに、ビットコインの方が法定通貨よりも価格のブレ幅が狭いのです。

これは私達の住む日本ではこのような法定通貨の暴落は考えにくいですが、その日本円とビットコインの価格推移を念の為比較しておきましょう。

直近半年間でビットコインは上述の通りおよそ20%の下落ですが、日本円はわずか1.5%の下落に留まっています。

このように、トルコリラの激しいボラティリティが国民の仮想通貨の購入のインセンティブを高めているのです。

仮想通貨の取引量がトルコリラ下落と同時に増加する

以上の事から、トルコリラが暴落したと同時にBTC対トルコリラの取引高が急増しました。

現在BTC/TRYの取引高が一日におよそ2億円を超える取引所「Btc Turk」では、トルコリラが暴落した8月10日以降BTCの価格が大きく高騰しており、その取引高も直近の1週間の平均値と比較しても倍近いボリュームとなっています。


引用:BtcTurk

取引高の規模自体は昨年末と比較すると半分程度のボリュームですが、今回の取引高の増加はトルコリラの下落によるものだと捉える事が出来ますね。

トルコが独自の仮想通貨である「トルココイン」の発行を検討

そんなトルコでは、今年に入って独自の仮想通貨となる「トルココイン(Turkcoin)」の発行を検討している事が発表されました。

トルココインは政府保証の仮想通貨となり、デジタル化する世界へ対応する為の国家独自の通貨として機能します。

そしてボラティリティを下げて既存の仮想通貨よりもリスクを低くするとされており、将来的には資産担保証券をトークン化させる事を目指しているのですが、技術的な詳細は明かされていません。

他にもベネズエラのペトロや、ロシアのルーブルコイン、エストニアのエストコインなど、「国家が独自の仮想通貨を発行する」といったトピックは昨年から続いています。

このトルコの市況で政府が発行する仮想通貨を国民がどう見るのかには疑問もありますが、今後の動きに注目です。

国家仮想通貨と宣伝したいたトルコインが詐欺だと判明する

一方、2018年6月にはトルココインと同じく発行者が国家であると主張していた「トルコイン(Turcoin)」がポンジ・スキームだったと判明されており、それは大口の投資家を高予算のパーティーに招待して口説かれていたといいます。

少しややこしいですが、今回詐欺的通貨として報道されたのは「トルココイン」ではなく「トルコイン」であり、前者は上述した政府保証の仮想通貨となるプロジェクトです。

トルコインはイスタンブールに拠点を置くヒッパー社の共同経営者サドゥ・カヤ氏によって立ち上げられたのですが、同氏はトルコインを投資家へ仲介した後、総額23億円相当の現金を持ち逃げしたとされています。

そのように、同時に国家による仮想通貨だと偽ったポンジ・スキームもトルコでは起こっていました。

トルコが仮想通貨市場にもたらす影響と今後

トルコは仮想通貨普及率が世界一の国であり、今回のトルコリラ暴落で一気に仮想通貨取引が増えた訳ですが、BTC/TRYの市場は現在も価格が上昇しており、そのチャートを見ると既に1月中旬の価格水準まで戻している事が分かります。

なお、現在のビットコインにおける通貨別の取引シェアを見てみるとTRYは13位のシェアは0.3%であり、今回盛り上がりを魅せているトルコの仮想通貨市場ですがその規模はまだまだ少ないと言えるでしょう。


引用:cryptocompare

今後トルコリラへの不信が高まり、ビットコインへの資産回避が強まる事となれば、更にこのシェア率は高まっていくとも考えられます。

また、過去トルコ以外にも、ハイパーインフレで紙幣の価値が大幅に下落したジンバブエや、金融危機によって国民の預金が封鎖されたキプロスなどで多くビットコインが買われるケースがありました。

今後仮想通貨の流動性が高まりボラティリティが落ち着くと、上記のような自国通貨の信用が不安定な国ではビットコインの方が自国通貨より主流となるかもしれません。

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Kenta@フリーライター
Kenta@フリーライター
新卒で入社した大手金融機関を11ヶ月で退職し、仮想通貨・ブロックチェーンに特化したフリーライターとして活動中。現在は場所を選ばず住所不定の”Decentralized”な生活を満喫している。
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