仮想通貨

アフリカで仮想通貨が普及する可能性が高い3つの理由|各国の規制状況や将来性

仮想通貨を爆発的に普及させるアフリカの可能性


地球に残された「最後のフロンティア」と言われ、潜在的な巨大市場として注目されているアフリカ。

2016年、日本の安倍首相はアフリカへ対して今後3年間で300億ドルの投資をすると表明ましたが、アフリカのポテンシャルの高さと潜在能力は大きく評価されており、日本に先駆けて中国もその投資に注力しています。

そして、そんなアフリカは将来仮想通貨が爆発的に普及する可能性も秘めているのです。

先日は、Binanceの傘下である「バインナンス・ラボ」のディレクターもこのアフリカ市場を言及していましいた。

ではなぜ、今アフリカでの仮想通貨普及が期待されているのでしょうか?
以下より、まずアフリカで仮想通貨が普及すると考える3つの理由について解説していきます。

1.爆発的人口増加に伴うネットワーク価値の向上


まず、アフリカで今後最も期待出来るのが人口の増加です。

およそ12億人の人口を誇るアフリカ諸国ですが、その人口は将来爆発的に増加すると言われています。
以下のグラフを見ると、2020年辺り以降からアフリカの人口増加率は群を抜いて成長していく事が分かります。


引用:Population Division

平均年齢が20歳前半であるアフリカですが、その総人口数は2050年に25億人、2100年には44億人になると想定されており、他の地域を遥かに上回る増加率が見込まれています。

特に西アフリカのナイジェリアでは2050年に総人口数がアメリカを超えるとも言われており、2019年にはおよそ2億人、2050には4億人になるとされています。

なお、上記のグラフの試算だと、将来的には世界のおよそ7人に1人はアフリカ人となるんですね。

このように将来的に世界各国の人口は停滞していく中、アフリカ大陸だけでは人口が増加し続けるのです。

ネットワーク価値の増大

さて、この爆発的な人口基盤を持つアフリカで最も期待出来るのはネットワーク価値の増大です。

有名なメトカーフの法則によると、「ネットワークの価値は接続する端末や利用者の数の二乗に比例して増大する」とされています。
つまり、仮想通貨を主とした決済・送金基盤はネットワークの価値の二乗によりもたらされます。

よって、今後爆発的な人口増加が見込まれるアフリカではこのネットワーク価値の拡大が期待出来るのです。

2.インフラ無きアフリカのアドバンテージ


アフリカ諸国は、他の地域と比べてあらゆるインフラ整備が遅れていると言えます。
しかし、これこそが仮想通貨の普及における大きなアドバンテージになると筆者は考えており、ここが日本などの先進国とは違った大きな違いです。

そんなアフリカでは、技術的な進化の過程をすっ飛ばして新たなインフラへジャンプ出来る可能性を持っているのです。

アフリカのモバイル普及率

そもそもアフリカ諸国では従来の固定電話のような通信機器は普及しておらず、そのプロセスをスキップして携帯電話が普及しました。


引用:Yahoo!ニュース

上記のグラフを見ると、2014年時点でアフリカの多くの国が8割を超える世帯が携帯電話を所有している事が分かります。

アフリカ全土では電気通信の自由化が始まった事でインターネットやスマートフォンが爆発的に普及しており、特にケニアや南アフリカでスマホ市場は急速に伸びているんですね。

銀行口座を持っていない人の割合が多いアフリカ

モバイルが普及している一方で、アフリカ諸国ではおよそ80%を超える人達が銀行口座やクレジットカードを所有していません。

東南アジア諸国でも銀行口座を持てない人の割合が多い国が多々ありますが、このアフリカはアジア圏を超える割合となっています。
当然ながら銀行口座を持っていない人は既存の金融サービスへアクセスする事は困難であり、ATMも利用する事が出来ません。

そもそもアフリカ諸国ではATMも日本のコンビニのようにどこにでも備わっているわけでもありません。

このように、現金だけが現地での価値交換の手段では不便極まり無いアフリカにおいて、「銀行口座が無くても金融サービスにアクセス出来るサービス」が求められている事は間違い無いと言って良いでしょう。

そこで、「モバイルの普及率は高いが銀行口座の保有率は低い」とされているアフリカこそ、仮想通貨のようなデジタルマネーが拡大するインセンティブが高くあるのです。

よって、従来の金融インフラをショートカットして仮想通貨のような新たな技術インフラを即座に導入出来る可能性が大いにあると言えるのです。

3.自国通貨の信用不審問題と現金を所有する危険性

ハイパーインフレで1円=300兆ジンバブエドルとなったジンバブエ

アフリカで仮想通貨を導入する意義としてもう一つ考えられるのが、各国の信用問題です。
現在投機的需要として出回っている仮想通貨ですが、そうは言ってられない国もあります。

それがアフリカ大陸の南部に位置するジンバブエでした。

当時ジンバブエの通貨であったジンバブエドルがハイパーインフレに陥り中央銀行が大量にお金を印刷した結果、2008年におよそ5,000億%のインフレとなったのです。

それによって為替レートでは300兆ジンバブエドルにつき1円程となってしまい、自国民は国に対しての絶対的信用を失っていったのです。


引用:wikipedia

なお、2015年ジンバブエドルが廃止されてからその後の2017年、ジンバブエの仮想通貨取引所「Golix」では自国通貨をビットコインに回避させるという動きがあり、当時2017年11月は国際相場の2倍に相当する1BTC=140万円の価格で推移していました。

同国の規制関係については後述しますが、「自分のお金をどこに置くか」といった価値の貯蔵手段としてビットコインが有用的となってきたのです。

アフリカの治安や危険性

また、アフリカ諸国の政治や治安の安全性は現状高いとは言えません。

例えば南アフリカ最大級の経済都市であるヨハネスブルクでは、赤信号で止まっている車が強盗で襲われたりするような事件も過去に起こっています。

強盗、それにドラッグなどを含め1日で40件を超える犯罪が起きており、日本と比較する非常に犯罪率が高くなっており、そのような国の危険性から現物で通貨を所有する事自体がリスクを高めているのです。

このように、物理的な犯罪や通貨の信用度といった両側面から、アフリカ諸国では仮想通貨普及のインセンティブがあると筆者は考えています。

アフリカ各国の仮想通貨に関する規制状況

ではアフリカ各国の仮想通貨規制に関する動きを見ておきましょう。

ジンバブエ


上述したジンバブエですが、2018年5月に同国の中央銀行は国内の金融機関による仮想通貨の取り扱いを禁止すると発表しました。

それは政府も国民全てにビットコインへ逃げられては困るからです。

しかし、ジンバブエの取引所であるGolixはその命令に対して「憲法違反」であるとして訴訟を起こして勝訴してるんですね。

中央銀行は国内で決済システムの健全性を守る義務を提唱していましたが、一方でGolixサイドは中央銀行が単独でこういった命令を出すことは憲法に違反していると主張したのです。

ケニア


ケニアでは2018年4月に中央銀行が国内の銀行に対し仮想通貨取引に関する注意を警告しました。

ケニア中銀はブロックチェーン技術に対しては支持の姿勢を示していますが、仮想通貨に対して慎重のその方針を検討している模様です。

なお、現在明確な規制等は決められていませんが、ケニアの財務長官は仮想通貨市場の調査任務を言い渡されるなど、規制に関しての議論が大きく繰り広げられています。

南アフリカ


アフリカでも主要な経済国である南アフリカでは、政府がフィンテック・ブロックチェーン分野に積極的な動きを魅せています。

南アフリカではオンライン・マーケットである「ビルドバイ」がビットコイン決済を導入し、続いて同国の大手スーパーマーケットの「Pick n pay」でも支払いにビットコイン支払いの受け付けを開始しました。

そんな南アフリカでは中央銀行が金融テクノロジープログラムを設立しており、さらにはイーサリアムに基づいたブロックチェーンプロジェクトを立ち上げ、銀行間の送金・支払いでの実証実験を行う予定とされています。

現在同国政府はまだ仮想通貨に対しての明確な規制を提示はしておらず、まだビットコインを通貨とは認めていない為に、あくまで「デジタルアセット」という位置づけとされています。

なお、他のアフリカ諸国に関してはエジプト、モロッコ、アルジェリア等では仮想通貨取引や保有が禁止とされています。

バイナンス・ラボのディレクターがアフリカでの仮想通貨の可能性を言及


世界最大級の取引所であるBinanceの傘下にある投資ファンド「バインナンス・ラボ」のディレクターであるベンジャミン・ラボー氏は、自身のブログで「バイナンス・ラボはアフリカにコミットする」と題し、それに加え「アフリカへの投資は今世紀最大のチャンスとなる」といった旨を主張しました。


引用:Medium

そして、ブログ内で主張された、バイナンス・ラボがアフリカにコミットする10つの理由が以下です。

  1. 逆張りトレード
  2. 新たな金融インフラ構築の可能性
  3. 産業の変化
  4. スケーラビリティ
  5. 雇用の創出
  6. 仮想通貨によるインフレの制御
  7. 自律分散型組織によるガバナンスの改善
  8. アフリカ人口の若さ
  9. バイナンスラボは分散組織であり私達はアフリカ人

アフリカで新しい金融システムが生まれる可能性

アフリカでは銀行口座の保有率が著しく低い為に、新たな金融インフラを構築する為の投資機会が溢れているというのが同ブログでの主張です。

特にサブサハラアフリカでは15歳以上の人口の内43%しか銀行口座を保有していません。
その上にアフリカの平均年齢は若く、人口の64%以上が24歳以下の若者であることから、新しいものにも抵抗無く対応出来るポテンシャルがあるとされています。

DAOを用いた分散型組織の構築

アフリカ諸国では中央管理者である政府の管理能力が問題となっていましたが、ブロックチェーンを用いた自律分散型組織(DAO)による分散的なガバメントの構築やトークンエコノミーによって既存の状況を一変させられるとの見方もあります。

また、アフリカ55ヶ国の横の繋がりを強める為にもDAOの構築が有効だとされています。

アフリカは人口、金融インンフラ、ガバメントなどといった様々な面でブロックチェーン・仮想通貨導入のインセンティブがありますが、バイナンス・ラボもアフリカが可能性と投資チャンスに満ち溢れている事を示唆しており、そのポテンシャルは無限大でしょう。

また、最後にバイナンス・ラボは分散組織であり、拠点やオフィスといった地理的境界線は無いと述べ、「アジア人、ヨーロッパ人であると同時にアフリカ人である」と、国境に関係なくグローバルであるという主張で同ブログ記事を締めました。

アフリカは仮想通貨・ブロックチェーンでどのように変わるのか

価値保存手段の代替えとしての仮想通貨

潜在的な巨大市場として注目され、「最後のフロンティア」と言われているアフリカ。

そこでは仮想通貨を所有して活用する様々なインセンティブがあります。
政府の政策や治安によって不安定に動くアフリカ諸国の自国通貨ですが、そういった国こそ仮想通貨を用いた「価値保存手段の代替え」を出来るチャンスが大きく潜んでいます。

日本の場合、円という通貨は「安全資産」と呼ばれており、他国で何か起こればニュースで「安全資産である円が買われる」との報道があります。
このように、日本円は常にニュースキャスターからお墨付きをもらった安全資産なのです。

なので、必要性の高い国、アフリカで仮想通貨が爆発的に流行る可能性は十分にあるでしょう。

ブロックチェーン技術による金融インフラの再構築

アフリカのケニアでは、2007年から携帯電話を使ったオンラインペイメントサービスの「M-Pesa」が既に展開されていたのですが、2013年には同国でブロックチェーン技術を用いた決済サービス「Bitpesa」が誕生しました。


引用:Bitpesa

Bitpesaは国際的な企業間決済の分野に着目しており、互換性の無い複数のモバイルマネーサービスを連携させる事が可能です。

日本ではお金を近くのコンビニで下ろす事ができ、金融機関もどこでもばっちりと揃っていますが、アフリカではそのレガシー的な金融インフラが無いからこそ、テクノロジーを使った金融インフラ構築のアドバンテージがあるのです。

また、仮想通貨のマイクロペイメントという点もアフリカ人の貧困を減らす緒となるでしょう。
インターネットを利用してグローバルに仕事を受けられる現代、仮想通貨やトークンによるマイクロペイメントが普及すれば、賃金相場の低いアフリカ人は「時給300円」といったような少額のお金をネット上で受け取りながら生計を立てる事も可能となります。

上述したバイナンス・ラボの言及では、「Twitterの詐欺アカウントの排除作業に時給3ドル」といった例が挙げられていましたが、マイクロペイメントによってアフリカ人のグローバルな雇用機会も生まれる可能性があります。

仮想通貨・ブロックチェーンは「資産運用・決済・組織の変革」など、様々な面でアフリカの成長にチャンスをもたらすでしょう。

ABOUT ME
Kenta Fujii
Kenta Fujii
新卒で入社した大手金融機関では、主に広告の運用やマーケティングに従事。その後は11ヶ月で退職し、金融・フィンテック分野に特化したフリーライターとして活動中。
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