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イーサリアムのMetropolis(メトロポリス)とは?今後のアップデートを解説

イーサリアムのMetropolis(メトロポリス)とは?

Metropolis(メトロポリス)とは、イーサリアムにおける大型アップデートの一部の事であり、大きく分けて4段階あるアップデートの内の第三段階目での実装となります。

2018年9月現在、イーサリアムは第一段階の「Frontier」、第二段階の「Homestead」によるアップデートを終えており、現在この第三段階目となるMetropolisの途中段階となっています。

本記事では、イーサリアムのMetropolisについてやそのアップデートがもたらす未来について解説していきます。

イーサリアムはアップデートによるハードフォークをなぜ行うのか

イーサリアムは上述した通り、大きく4段階のアップデートを行うのですが、これらはEIP(Ethereum Improvement Proposal)に基づきハードフォークによって実施されます。

そもそもハードフォークとはシステムの仕様変更に伴うブロックチェーンの分岐の事であり、ハードフォークによって新旧に互換性の無い形として新たなブロックチェーンが生み出されます。

過去イーサリアムはイーサリアムクラシックへとハードフォークによって分裂しましたが、この大型アップデートはそのような通貨の分裂では無く、プロトコルの規則変更による新たなブロックの生成といった「アップグレードによるハードフォーク」だと言えるでしょう。

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イーサリアムは仮想通貨界隈の中でも最も開発者が多いプロジェクトだと言われており、既存のビットコインにロードマップを加えたユーティリティー性の高いネットワークの普及を目指しています。

よって、その機能性の向上やスケーラビリティ、通貨供給量、手数料コストの問題を都度アップデートして行く事によって問題解決とその普及を図っているのです。

イーサリアムはその機能性の向上の為にハードフォークによるアップデートを重ねている。

 

イーサリアムの4つの大型アップデートについて

では、その4段階のアップデート内容を順番に見ていきます。

Frontier(フロンティア)

Frontier(フロンティア)は2015年7月に行われたアップデートであり、「未開拓地」という意味を持つそのフロンティアはイーサリアムのテスト版のプラットフォームとしてリリースされました。

当時初期状態であったイーサリアムにとっては、バグやスマートコントラクトが正常に稼働するかの懸念があったんですね。

よってフロンティアはバグの修正や、開発者向けの実験プラットフォーム的な役割を果たしていました。

Homestead(ホームステッド)

上述したフロンティアに続いてその安全性を高めたアップデートが2016年3月に稼働したHomestead(ホームステッド)です。

ホームステッドはフロンティアの「安定版」とも呼ばれており、取引手数料となるGASコストの引き上げや、マイニングの計算難易度である「採掘難易度(Difficulty)」の引き上げなどが行われました。

これによってイーサリアムが安定的に稼働するようになり、その価格も半年程で100倍以上の爆上げとなったのです。


引用:coinmarketcap

Metropolis(メトロポリス)

そして、ホームステッドの次の3段階目のアップデートとなるのがこの「Metropolis(メトロポリス)」であり、現在もアップデートが実行中となっています。

このメトロポリスでは匿名性やセキュリティ性の向上、そして更なるネットワークの安定性維持とPoSへの移行の準備などが実行されるアップデートです。

なお、メトロポリスでは更に2段階のアップデートに分かれているのですが、それが「ビザンチウム」と「コンスタンティノープル」であり、現在ビザンチウムは2017年10月17日に完了しています。

なお、次のイーサリアムのアップデートはなんと290億ドル規模になると予想されてるんですね。
また、ビザンチウムやコンスタンティノープルについて、詳しくは後述するとします。

Serenity(セレニティ)

最後の第4段階目のアップデートとなるのが「Serenity(セレニティ)」ですが、ここでイーサリアムは「Casper」と呼ばれる独自のアルゴリズムを用いてその合意形成方法をPoWからPoSへと完全に移行します。

以上の流れでイーサリアムはアップデートを完了させて行くのですが、以降はそれぞれの詳しい詳細や、今後の課題点について見ていきます。

2018年9月現在「Frontier」「Homestead」そして「Metropolis」の内の「ビザンチウム」がアップデート完了済みとなっている。

 

メトロポリスの「ビザンチウム」と「コンスタンティノープル」

では、上述したメトロポリスにおける2つのアップデート内容を解説していきます。

ビザンチウムとは?

ビザンチウムは2017年10月16日に正式に行われたアップデートですが、そこでは主に「匿名性の強化」や「マイニング報酬の減額」などが行われました。

・匿名性を強化する「zk-SNARKs」

そして匿名性の部分に関しては、イーサリアムのプライバシー保護の為に「zk-SNARKs(Zero Knowledge-Succint Non-interactive ARgument of Knowledge)」と呼ばれる技術が実装されました。

これは匿名通貨Zcashでも用いられている技術であり、「ゼロ知識証明」を用いて取引相手への情報を非公開とする事が出来るようになります。
そもそもイーサリアムでは、スマートコントラクトの取引記録に関するプライバシー情報の問題が懸念視されていました。

取引の透明性が高い事がブロックチェーンのメリットではありますが、一方でプライバシーの保護といった観点からはデメリットも大きくあったのです。

そこで、上述したzk-SNARKsの実装によってプライバシーを保護した「匿名取引の実現」を目指します。

・マイニング報酬の減額

そして、ビザンチウムによって採掘難易度の調整がなされました。

採掘難易度とは、マイニングによる新規ブロックの生成の為の計算難易度の事ですが、今回のアップデートによって1つのブロック生成に掛かる時間を30秒から15秒に短縮し、その代わりにマイニング報酬を5ETHから3ETHに変更するといった施策が実行されました。

これによって採掘難易度が一気に引き下げら、ブロックの生成時間が短縮されたのです。


引用:etherscan.io

なお、イーサリアムでは「ディフィカリティボム」と呼ばれるアルゴリズムが実装されており、それによって採掘難易度が自動的に上昇していく仕組みと取っています。

これはPoWからPoSへ移行する際にマイナーをPoWからPoSに参加させる為のインセンティブを強める為の施策です。
採掘難易度が上がるとブロックの生成時間が遅まるので、マイナーにとっては報酬が得にくくなります。

引用:etherscan.io

 

コンスタンティノープルとは?

そして、ビザンチウムに続くアップデートが「コンスタンティノープル」です。
このコンスタンティノープルでは「セキュリティの強化」や「スマートコントラクトの簡素化」、そして「PoWからPoSへの移行準備」などが行われます。

コンスタンティノープルは予定では2018年10月中旬頃にリリースされる予定となっていますが、そのハードフォークが行われる正確なブロック数はまだ公表されていません。

Casperが1年間延期し、マイニング報酬が3ETHから2ETHとなる

そして、第4段階目のアップデートであるセレニティにて実装される予定だった「Casper」の開発が1年間延期となることが判明しました。

2018年8月31日にイーサリアムの開発コミュニティは、5ETHから3ETHへと減額したマイニング報酬を今回更に3ETHから2ETHへと減額する事に同意しました。

コア開発者の間ではETHの供給量が想定を超える数値となっていた事を問題視しおり、セレニティの実装に伴うCasperの開発を延期して、このマイニング報酬減額をコンスタンティノープルにて実装する事となりました。

イーサリアム創始者のヴィタリック氏は2,100年頃にETHの供給量が1億程度になると想定していたですが、2018年9月現在、既に1億ETHを超えている事が分かります。


引用:coinmarketcap

イーサリアムのマイニング報酬を3ETHから2ETHへと減額する事で、ETHのインフレ率を調整する事が可能となる。

 

イーサリアムのアップデートによって価格は上昇するのか

以上がイーサリアムのアップデートとメトロポリスについてでしたが、その後のアップデートによってETHの価格はどのように変化するのでしょうか?


引用:coinmarketcap

理論上では今後ETHの供給量が減少していく事になればETHの市場価値は上がっていく事が考えられます。

実際にマイニング報酬減額の発表を受けた8月31日は一時的に5%程上昇しましたが、投機的需要の高いその市場では特に大きな影響だったとも言えませんでした。

今回のマイニング報酬の減額はETHの供給ペースが落ちるのと同時にマイナーの費用対効果も落とす事となる為に、日本のような電気代の高い国では採算が合わなくなってしまう可能性があります。

そして中国のBitmainではイーサリアムのマイニングプールが立ち上げが発表されている事から、今後のマイナーの中央集権化も今後の懸念点として挙げられるでしょう。

そして今後も引き続き、イーサリアムをベースとして開発を進めてきた開発者による、開発費用調達の為の「ETH売り」も同時に起こると考えられます。
なので、アップデートが進めばETHの価格が直ぐに上がるというのは現状考え辛く、様々な要因が混合している為にその値動きは複雑となっています。

しかし、メトロポリスのアップデート完了は大きなファンダメンタルとなり、企業がイーサリアムを活用する機会を増えていく事が考えられます。

徐々にその進捗を進めているイーサリアムには、長期的な目線を持って投資を考えるべきでしょう。

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Kenta Fujii
Kenta Fujii
新卒で入社した大手金融機関では、主に広告の運用やマーケティングに従事。その後は11ヶ月で退職し、金融・フィンテック分野に特化したフリーライターとして活動中。
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