ブロックチェーン

ブロックチェーンスタートアップR3は、新たなプロジェクトへの参加を拒否される

(画像引用:R3公式ホームページ)

ブロックチェーン業界で最も将来有望だと思われるスタートアップ企業であるR3は、この夏イギリスの技術提供企業 Clearmaticsによって運営されるブロックチェーン団体Utility Settlement Coin(USC)プロジェクトに参加しようとしましたが、失敗に終わったことがわかりました。

USCプロジェクトとは、世界の銀行がブロックチェーン上にある資産を使用して円滑に取引を行うことができるようにし、中央銀行に対して仮想通貨への対応をサポートするプロジェクトになります。

スタートアップ企業R3の提案とは?

(画像引用:R3公式ホームページ)

2018年6月の上旬にR3はUSCプロジェクトに参加する銀行にClearmaticsが提案するプラットフォームの代わりにR3がすでに実用化しているCordaプラットフォーム上でプロジェクトを構築するよう提案しました。

Cordaプラットフォームとは、2015年に開始されたオープンソースのプロジェクトとなります。企業がスマートコントラクトを使い、プライバシーとセキュリティを守りながら透明感のある取引を実現するプラットフォームです。

このプラットフォームの実装を成功させようと、R3は技術開発に対して資金を出し法律に関する手数料を払うことも了承していました。しかしながら、その提案は6月終わりの投票でUSCの17人のメンバーの満場一致で棄却されました。

R3の運営を管理するCharley Cooper氏によれば、R3は守秘義務によって個々の詳細な議論については明かすことはできないが一般的に言えることとして、

“ブロックチェーンが社会でスタンダードになることを信じている。それは現金や分散型台帳管理といった点である。なぜなら、この技術はすべての産業に利益をもたらすことができると考えるからである。我々の目的は、見込みのある顧客との話し合いの場を設けることにある。”ということです。

R3のUSCプロジェクトに対する提案は、すでにあるR3が開発したCordaプラットフォームにある現金決済システムを活用しようとした試みです。この目的を達成するためにR3はUSCに加入する銀行に対して、新しくプロジェクトを発足のためにすでに開発済みであるUSCに関連する知的財産権(IP)を盛り込むように要求しました。

このためにR3は、50以上の中央銀行や当局そして商業銀行と協力して実施されたプロジェクトから共有可能な知的財産(IP)に貢献することになります。それらのプロジェクトには20,000以上のコードやレポートが含まれます。

スタートアップ企業R3の新たな提案とは?

(画像引用:R3公式ホームページ)

R3は、今回の却下にも諦めてはいません。6月の終わりには、Clearmaticsをパートナーとする修正案を提出しています。

同時期に、R3はUSCメンバーに対しClearmaticsは将来の市場インフラの重要な分野で資源が溜め込まれ、基準となりうる重要な機会を逃すリスクがあると主張しました。この主張は、R3が持つデータソースを元にしています。

R3はClearmaticsと協力関係にあることで、2つの技術提供企業が互換性のある状態を実現できると述べています。

USCプロジェクトの進捗は?

(画像引用:Pixabay)

USCプロジェクトは、スイスの銀行大手UBSとClearmaticsの取り組みとして2015年に始まりました。このプロジェクトは、分散型台帳技術を中央銀行の資金移動や流動性の管理に使うという大胆なものであり、金融業における根本的な信用リスクという問題に対して取り組んでいます。

過去3年間においてプロジェクトには多くの銀行が参加しており、現在公開されている機関は以下の11機関にも上ります。Barclays、CIBC、Credit Suisse、 HSBC、MUFG、State Street、UBS、BNY Mellon、Deutsche Bank、SantanderそしてNEXです。

それ以来、そのプロジェクトに加入するメンバーは17の銀行に到達しています。

このプロジェクトは難しいビジネス環境にあります。R3は他の企業と似たようなビジネスであると判断され、今回はビジネスにおける実用化にいたることはありませんでした。

USCプロジェクトは. 中央銀行や規制当局から大きく前進することになります。これは、50年前のSWIFTや20年前のCLSに匹敵すると銀行家たちは述べています。

提案のタイミングが悪かった?

(画像引用:Pixabay)

このような状況で他の技術提供会社もこのプロジェクトに対して売り込みをかけるかもしれません。一般的に金融業で行われる売り手側の選択が行われるのは当然であると言えます。

USCプロジェクト自体が重要な局面にあり、このことが満場一致でR3の提案を却下されたことにつながったと予想されます。今回の満場一致での却下は技術とその過程はそこまで重要ではないと思われます。法的な書類が完了する1-2週間前に投票は行われたということは、今回のR3による提案でプロジェクトの遅れを許さないという決定を意味します。

2018年の終わりまでに、USCプロジェクトではトークン取引のプラットフォームが発表される予定になっています。

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