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仮想通貨Tether(テザー)とは?市場を大きく揺がす事件と今後の考察

今話題のTether(テザー)とは?その誕生の意味

Tetherとは1USDT(テザー)=1USD(ドル)と対等な関係で、その価格が変動しないように設計されている仮想通貨です。

価値の変動が激しい仮想通貨ですが、このTetherでは価値がドルに裏付けられたものなので仮想通貨間での「価値の保存」としての役割を担います。

取引所での通貨交換において、Tetherで保有しておくことによって、一時的にドルと同じ価値でスピーディにかつ低コストで他の仮想通貨通貨との交換や価値保存をすることができます。

ただ、これは価値を保証するものではないので、価値の保存に本当に使えるかどうかもわかりません。つまり、Tetherの価値が万が一USDと相対的に減少したとしても、それが必ずしも保証されるわけではないのです。

このTetherは現在仮想通貨市場全体の時価総額ランキング20位前後で推移しており、その総額は約2,300億円です。

Tether(USDT)はUSDと連動している仮想通貨

Tetherは1USDT(テザー)=1USD(ドル)という両者対等の関係にある仮想通貨だと説明しましたが、実際に下記チャートを見ると、確かにTetherの価格はほぼ一定の横ばいで推移いています。

引用:https://coinmarketcap.com/ja/currencies/tether/

このように、法定通貨と同じ価値で変動性が無いのであれば、わざわざ法定通貨に換金しなくとも仮想通貨の状態で価格変動リスクを低く抑えて保存できるといったメリットがあります。

ですが、それはUSDという価値の裏付けがあって成り立つものであり、理論上Tether社がTetherと同額のUSDを保有していなければいけません。

現在のテザーの時価総額は約2,300億円ですが、本来それの裏付けとなるドルが準備金としてなければならないのです。なぜなら保有者がTetherを売った時に、同じ額のドルをTether社から入手できなければ連動性や価値の裏付けがあるとは言えないからです。

では、本当にTether社はそのような莫大なUSDを保有しているのでしょうか?

ここで考えなければならないのが、Tetherの時価総額がTether社の保有するドルと一致しているのかどうかです。ここが合致していれば特段の問題は無いでしょう。

しかし、実際Tether社に監査が入っておらず、担保であるUSDが準備金として預けられているかの証拠も無い為、本当にTetherはUSDが価値の裏付けとなっているのかは不明です。

そんなTetherは徐々に信頼性を疑われますが、それに対してアメリカの米商品先物委員会であるCFTCはTether社に召喚状を送りましたが、Tether側は「コメントは控えている」との報道がされていました。

そもそも「ウチはドルなんてないよ」なんて言えるはずもありません。

Tether(テザー)に詐欺や不正の疑い?BTCが崩壊しGOXの可能性もあるか

そして、ここからが最も深刻な問題です。

もしTetherがUSDとの裏付けがなく、最初からUSDを同額保有していないのであれば、Tetherはいくらでも新規発行をすることできることになります。

下記チャートのように、Tetherは価格がほぼ横ばいながらも時価総額だけはどんどん膨れ上がっています。

引用:https://coinmarketcap.com/ja/currencies/tether/

Tetherの流通する時価総額は次第に膨れ上がっていますが、「この発行の目的は何なのか」「なぜ数億規模の新規USDT発行を行うのか」というように懸念材料は数多くあります。

そして、Tether社はBTCの買いを支える為に、莫大なUSDT(Tether)を発行していると騒がれていました。

それが「テザー砲」と呼ばれているものです。

テザーが新規発行したUSDTを取引所へ流通させ、BTCの価格の下落を相場操縦的に食い止めている疑いがあるのです。それを裏付けるように、BTCの下落タイミングでTetherが多く新規発行されています。

しかし、最近ではインドで仮想通貨取引が禁止と言うデマ情報が入り込んだように、どの情報が本物でどの情報がデマなのかが不明確です。

ですが、価値の裏付け無しにこの調子で新規発行し続け、BTCの価格を上げていてはとても危険です。

・Tether裏付けのUSDが用意されているか不明確。

・それにもかかわらず大量に新規発行を続けている。

・BTCを買い支えて市場の相場操縦をしている可能性がる。

以上の大きな懸念材料は、そこらの取引所で何百億とハッキングされたことよりも重大な問題なのです。もしかすると、今のBTCの価格も相場操縦による幻なのかもしれません。

Tetherが買える取引所は?

日本の取引所では現在テザーは扱われていませんが、海外の取引所では多くのメジャーな取引所が扱っています。2018年2月現在でテザーを扱う取引所はOKEx、Binance、Huobi、Coinbase、Bitfinexなどです。

LTCやETHなどのペアで取引もされているようですが、大半がBTCですね。

テザーの主な通貨ペアは、下記図の通りです。

引用:https://coinmarketcap.com/ja/currencies/tether/#markets

図の通り、上位だけみてもボリュームの30%以上はBTCであり、JPYのペアはありません。

しかし、今後日本を始め世界の暗号通貨取引所では、疑いの深い、このTetherに対して取り扱いをシビアに見ていくのではないでしょうか。

Tetherを購入する時のリスク

Tetherは価格変動リスクこそ、他の仮想通貨より低いと予想できますが、Tether社が潰れたり、海外のTetherを扱う取引所が潰れるなど、自分の取引相手が姿を消し、支払いが履行されないというカウンターパーティーリスクが高くあります。

例えば、上記のような事件で投資家の信頼を失い始めた時、親会社である取引所運営のビットフィネックスが資金を持ち逃げする可能性も考えられます。

Tether社は新しいTetherを発行すると、それをBitfinexへと預けていますが、価値の裏付けであるUSDについてTether社からは何も証言されていないのです。

このように、今回に限らず世界の取引所ではカウンターパーティーリスクが大きいので、法が定まっていない状態の今はとにかく注意する必要があります。

Tetherは今後どうなるのか

さて、ここまで見ると本当に裏付け資産を保有しているのかますます疑問になるTetherですが、もし本当に裏付け無しの通貨を大量発行しているならば、市場の崩壊の恐れもあるほど怖いことです。

それにUSDの裏付けがあれば問題は無いですが、そもそもドルと1対1の関係にあるTetherをアメリカ政府側がどう見るかの疑問もあります。

政府のお墨付きもない香港の民間の会社が、ドルと連動した仮想通貨を勝手に作っていますから、今後使われ方によっては規制一発で崩壊する可能性も十分あるでしょう。

なお、政府の規制云々の前にTetherが自主的に投資家の資金を持ち逃げする可能性もあります。

数多くの懸念点が乱立していますが、そのリスク相応に仮想通貨市場での「価値の保存」に用いられる通貨となる可能性も、もちろんあります。

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