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SBIが独自仮想通貨「Sコイン」の実証実験を開始し購入方法も発表

SBIホールディングスが独自の仮想通貨「Sコイン」の実証実験を開始


日本の大手金融機関であるSBIホールディングス、株式会社Orb及びグローリー株式会社は9月25日、SBIが発行する決済用コイン「Sコイン」の実証実験を開始する事を発表しました。

このSコインの実証実験は2018年10月より開始される予定とされており、ブロックチェーン技術を用いた「Sコインプラットフォーム」を通して行われる予定です。

SBIが発行する「Sコイン」と「Sコインプラットフォーム」とは?

「Sコイン」とは?

Sコインとは、2017年9月にSBIホールディングスによって発表された決済用のコインです。

このSコインはスマートフォン上でチャージ・決済が出来るように設計されており、Sコインを用いる事で小売店舗は決済コストの削減、そして利用者は現金不要のキャッシュレスな決済を行う事が出来るようになります。

なお、このSコインはビットコインのような既存の仮想通貨とは異なり、価格変動を無くした安定性の高いコインとして構想されています。

「Sコインプラットフォーム」とは?

そして、Sコインの決済用プラットフォームとなるのが「Sコインプラットフォーム」です。

Sコインプラットフォームはブロックチェーンをベースとした決済プラットフォームであり、上述したFintechソリューションを提供する「Orb」と共同で開発されています。


引用:SBIホールディングス

このSコインプラットフォームの仕組みによって、地方自治体や企業、地域金融機関などは同じシームレスなプラットフォーム上に電子マネーや電子通貨などの決済通貨を展開する事が可能となり、初期投資不要でそれぞれのニーズに合った決済通貨を発行出来ます。


引用:SBIグループ 決算説明資料

 

Sコインプラットフォームの活用事例

そして、このSコインプラットフォームを活用して新たな決済インフラ構築の実証実験を開始したのが「UC台場コイン(仮称)」です。

UC台場コインとはみずほフィナンシャルグループの一員である「ユーシーカード」が発行する決済通貨であり、このUC台場コインのベースとしてSコインプラットフォームが使用されています。


引用:SBIグループ 決算説明資料

UC台場コインはSコイン同様にスマートフォン上で決済・送金・チャージが出来るように構築され、まずはユーシーカードの社員を対象としてオフィス内や近隣施設の飲食店での決済による実証実験が開始されています。

「Sコイン」はキャッシュレスで決済が出来る決済コインであり、その決済用プラットフォームとなるのが「Sコインプラットフォーム」となる。

では、今回発表されたSコイン及びSコインプラットフォームの実証実験の内容について見ていきます。

Sコインによる決済をSBIグループ社員で実証実験

実証実験の内容

今回のSコインの実証実験では、まずSBIグループの社員を対象として、同社が拠点を置く「泉ガーデンタワー」内にある飲食店にて「スタンプ認証」でキャッシュレスに決済出来る仕組みが構築されます。

Sコインの購入方法

なお、Sコインの購入(チャージ)方法についてですが、SBIホールディングスの公式発表によると「クレジットカードによるチャージ手段」、そして通貨関連機器の開発・販売を行う「グローリー」が提供する自動機を用いた「現金とSコインとの交換」といったような仕組みとなる予定です。

また、現金とSコインを交換出来る購入端末のイメージは以下とされています。


引用:SBIホールディングス

この方法によって、同社は想定される利用者の様々なニーズを満たせるかを検証し、その後はグローリー社の端末製品で電子通貨決済を開始することも検討される予定です。

今回の実証実験ではSBIグループの社員を対象としてオフィス内の飲食店でのSコイン決済が導入され、クレジットカードによるチャージ機能、そして現金とSコインとを交換出来る端末も設置される予定となっている。

 

Sコインは電子マネーに取って代わる決済インフラとなるか。

10月以降、SBIホールディングスによる「Sコイン」と「Sコインプラットフォーム」を活用した実証実験が始まる予定ですが、気になるのは利用者と店舗側の双方にとってこのシステムを導入する事で何が変わるのかという点です。

電子マネーの普及率が高い日本

現金主義と言われている日本においてはキャッシュレス化が深刻な課題となっており、アメリカや中国と比較しても現金決済比率は日本が最も高い水準にあります。

ただ、日本では電子マネーの普及率は高くなっており、JCBの調査によるとその保有率や利用率はいずれも70%を超えているとされています。


引用:JCB

その普及率は年々増加しており、これはキャッシュレス化を目指す日本にとっても明るい兆しとなるでしょう。

Sコインの優位性とは?

さて、電子マネーが現在高く普及している日本ですが、果たしてSコインのようなブロックチェーンを用いた決済通貨がそのまま取って代わられるのでしょうか。

現在日本の金融機関は数々の独自通貨を発行しており、三菱UFJグループは「MUFGコイン」を、みずほグループは複数の金融機関と共同で「Jコイン」の開発を進めています。

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このようにあらゆる決済コインが続々と登場していますが、ユーザーはそれらを本当に使うでしょうか?
このように、それぞれ違うプラットフォーム上で形成される決済通貨が乱立されてしまっては、ユーザーにとって利便性が高いとは言えないでしょう。

これは電子マネーにおいても同じであり、楽天ポイント、Tポイント、Suicaといったように様々です。

しかし、SコインはMUFGコインやJコインといった単体の決済通貨とは異なり、複数の企業や自治体に活用される事を想定とした「プラットフォーマー」として機能します。

そのSコインプラットフォームではそれぞれの独自通貨を同一のプラットフォーム上で展開出来るので、決済端末を統一させる事が可能なのです。

よって、これがSコインの優位性だと筆者は考えています。

Sコインを導入する店舗側のメリット

なお、小売店舗では既存の電子マネーでは無くブロックチェーン技術を採用した決済通貨を導入する事によって決済コストの大幅な削減に繋がり、これが店舗側にとっての明確なベネフィットとなります。

現在電子マネーの手数料率は、プリペイド式であれば4〜5%、おサイフケータイ等の後払い決済であれば2〜3%となっています。

なので、既存の電子マネーよりもその導入コストを低くすれば、店舗側はSコインのような決済通貨を導入するインセンティブが付きます。

ユーザーベネフィットを一番に考えるべき

しかし、だからといってユーザーが必ずしも決済にSコインのようなデジタルキャッシュを使ってくれるとは限りません。

ユーザーにとっては、恐らく「ブロックチェーンなんてどうでも良い」と考える人が大半でしょう。
なので、今後ブロックチェーンを活用したSコインプラットフォームを普及させる為には、絶対的なユーザーにとってのベネフィットが必要だと言えます。

「ポイント還元」「見やすいユーザーインターフェイス(UI)」「決済通貨のシームレス化」など、様々な側面から電子マネーに対する優位性を高めていく事が今後の課題となるでしょう。

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Kenta Fujii
Kenta Fujii
新卒で入社した大手金融機関では、主に広告の運用やマーケティングに従事。その後は11ヶ月で退職し、金融・フィンテック分野に特化したフリーライターとして活動中。
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