仮想通貨

ポンジスキーム詐欺に気をつけろ!仮想通貨投資でホントにあった話

2017年から仮想通貨関連の詐欺事件が急増中

「ポンジスキーム」という言葉を聞いたことがある人もいることでしょう。実は、仮想通貨元年と呼ばれた2017年からポンジスキームという手口の詐欺事件が多発しています。

国民生活センターにも仮想通貨関連のトラブル相談が増えているようです。

  • 2015年 440件
  • 2016年 847件
  • 2017年 2,895件

※「仮想通貨」の他、「暗号通貨」や「価値記録」を含む相談件数です。

2018年6月時点では582件の相談があり、昨年の同時期で401件であったことから、2018年は昨年の相談件数をさらに上回ることが推測されます。

出典:国民センター「仮想通貨関連のトラブル相談件数の推移」

このように、仮想通貨に関する詐欺事件が多発しており、中でも多いのが「ポンジスキーム詐欺」なのです。

これから仮想通貨投資をしようとしている人、すでに仮想通貨投資を始めている人、それぞれがポンジスキーム詐欺で被害に遭わないためにはどうすればいいのでしょうか。

そこで、ポンジスキーム詐欺の特徴や被害に遭わないための注意点について説明します。

投資家を陥れるポンジスキーム詐欺とは?

そもそも、ポンジスキーム詐欺とはどのような手口なのでしょうか。ひとことで言うと、「自転車操業的な手口」と言えるでしょう。

自転車はこぎ続けなければ倒れてしまうように、資金を借り入れ、そのお金で別で借りたお金を返済することを繰り返し行いながら操業していくことを表します。

つまり、ポンジスキーム詐欺とは、投資家から預かったお金を別の投資家に配当として支払い、さらに多額の出資をさせて騙し取るという手口の詐欺なのです。

ポンジスキームの語源

ポンジスキームの語源は、今から100年程前に遡ります。時は、第一次世界大戦が終結した後の1920年代。

世界が戦争によって混乱する中、ある1人の米国人が高利率や高配当を謳い、米国のニューイングランドの住民から多額のお金を巻き上げたのです。

詐欺師の名前である「チャールズ・ポンジ」の「ポンジ」こそが、ポンジスキームの名前の由来なのです。

ただ、ポンジスキームの手口は、ポンジが詐欺を働くより前の1880年代に、サラ・ハウという女性詐欺師によって行われていました。

ポンジスキームによる過去最大の詐欺事件

ポンジスキームによる詐欺事件の中には、過去最大と言われる詐欺事件がありました。その事件とは、元NASDAQ会長のバーナード・マドフが起こした「バーナード・マドフ事件」です。

事件発覚までに約30年もの間、イギリスの大手銀行や野村ホールディングスを始めとした世界の大手銀行やヘッジファンドが被害に遭い、被害総額は約6兆円弱と言われています。

被害は金融機関だけではなく、映画監督のスティーブン・スピルバーグ氏やハリウッドスターのケヴィン・ベーコン氏、ジョン・マルコヴィッチ氏などの有名人にまで被害が及びました。

2008年に詐欺罪でFBIによって逮捕されたバーナード・マドフは150年の禁固刑で現在も服役中。

投資家が引っかかってしまうポンジスキームの巧妙な手口

情報化社会と言われ、世の中には数えきれないほどの情報が飛び交っています。もちろん、詐欺に関する手口や過去に起きた事件の詳細も誰もが簡単に検索できる時代です。

その中でもポンジスキーム詐欺に引っかかってしまう投資家がいるのはなぜなのでしょう。

それは、ポンジスキーム詐欺の手口が実に人間の心理を突いた巧妙なものであるからです。

では、実際にどのような手口で詐欺が行われているのか、一連の流れを説明します。

 

1.勧誘者Aは「ノーリスク、もしくはローリスク・ハイリターン」を謳い、投資家Bに近づく

2.投資家Bは「きっと裏があるに違いない」と警戒しがちだが、最初は10万円や20万円といった少額の出資を勧める

3.他の出資者から預かったお金の一部を投資家Bに、約束していた利回りの配当を支払う

4.投資家Bは勧誘者Aの言っていることが本当だと信じる

5.勧誘者Aはさらに投資額を増やすことを促す

6.投資家Bは投資額を増やすことに対して「リスクが高い、危険かもしれない」と、疑いつつも、毎月のように会っている勧誘者Aを信用し、疑いを口にすることをためらう

7-a.ある日突然、勧誘者Aと連絡が繋がらなくなる

7-b.ある日突然、勧誘者Aから「破綻したから配当は支払えなくなった」と言われる

 

このように、「おいしい話には裏があるはずだ」と疑いを最初から持っている人でも、実際に約束された配当金を手にすることで、詐欺師を信じてしまうケースが非常に多いようです。

中には、高い利回りを受け取った投資家によって口コミが広がって、その口コミを信じた投資家がさらに投資して加速していくというケースもあります。

ポンジスキーム詐欺の手口として、「大金を手にしたい」や「楽して儲けたい」という誰もが抱いてしまいそうな心理を見事に利用しているのです。

ポンジスキームの特徴はローリスク・ハイリターン

ポンジスキームは詐欺の手口だと説明しましたが、実は、詐欺ではないけれどポンジスキームに似ている投資信託が存在します。

その1つとして挙げられるのが年率10%を超える配当がある「毎月分配型投資信託」です。

一見、利回りの良さから儲けられそうだと考えてしまいがちですが、実際は証券会社に支払う手数料が高く設定されているケースがほとんどで、証券会社が儲かる仕組みになっています。

景気が良い時は問題ないのですが、景気が悪くなると配当が支払えずに破綻する、基準価格が下落することで結果的に投資者が損をすることにもなりかねません。

仮に、破綻しない場合でも、「タコ足配当(通称:タコ配)」と呼ばれる、十分な利益がないため、資産を売却したお金や積立金を取り崩したお金を配当に回すというケースもあるようです。

ポンジスキームによく使われる文言

そこで、ポンジスキームの特徴を詐欺の手口としてよく使われている文言を確認していきましょう。

  • ローリスク、ハイリターンもしくは、ノーリスク、ハイリターン
  • 確実に儲かる
  • 元本保証
  • 芸能人や著名人も投資をしている
  • 十数万人が出資しており、〇〇億円の運用額がある
  • 上場後、必ず上がる仮想通貨がある

ポンジスキームの特徴として、まず挙げられるのが「ローリスク・ハイリターン」もしくは「ノーリスク・ハイリターン」という言葉です。

投資でハイリターンを求めようとすれば、必然的にハイリスクを追わざるを得ません。だからこそ、投資へのリスクを恐れ、人は投資を躊躇してしまいます。

しかし、ポンジスキーム詐欺は「ローリスク」や「ノーリスク」、「元本保証」を謳い、リスクを恐れる人の心理をうまく掴んでいるのです。

疑い深い人であっても騙されてしまうのにも理由があります。

例えば、誰もが知っている「芸能人や著名人も投資している」や「十数万人が出資していて、多額の運用額がある」という嘘を信じ込ませて、疑わしさから目を背けさせているのです。

仮想通貨投資に関わるポンジスキーム詐欺の売り方

仮想通貨投資でのポンジスキーム詐欺の売り方には、様々な方法があることが分かります。例えば、以下のような相談内容が消費者センターに寄せられています。

  • 動画投稿サイトを見て連絡したら、上場後必ず上がる仮想通貨があると説明され、上場予定の仮想通貨を別の仮想通貨で購入したが、その後連絡がとれず騙された。
  • 仮想通貨を利用して儲かるという情報商材の購入契約をしたが、契約書がなく、代表者に処分歴があったので信用できなくなった。クーリング・オフしたい。
  • 海外の知人から勧誘を受け購入した仮想通貨をクーリング・オフしたが、返金されない。

このように、動画投稿サイトや情報商材、知人からの勧誘によって仮想通貨を購入するケースが多いようです。

その他にも、非現実的な利回りを提示、口コミによる案件、運用実態が不明確、運用者に会うことができない、などの共通点があります。

仮想通貨を使ったポンジスキーム詐欺事例

では実際に、仮想通貨を使ったポンジスキーム詐欺の事例を3つご紹介します。

事例①韓国の詐欺グループが約3億円を搾取

2017年9月~2018年1月にかけ、韓国でECサイトや偽の仮想通貨取引所を活用してポンジスキーム詐欺を行った疑いで、韓国の詐欺グループの2名が在宅起訴されました。

被害者は568人にも上り、韓国人だけでなく日本人も被害に遭っていたことが分かっています。1,016回に渡り、詐欺行為が行われ、日本円で約3億円を被害者から搾取したとされています。

事例②トルコの国家仮想通貨を装った「トルコイン」

2018年6月、トルコの国家仮想通貨となることを投資家に約束していた「トルコイン」は、投資家への支払いが滞ったことにより、ポンジスキーム詐欺であることが判明しました。

現在は刑事告訴されており、コイン立ち上げに関わった大株主のムハメッド・サチロール氏は共同経営者であるサドゥン・カヤ氏が総額約23億1,000万円を持ち逃げしたと主張しているようです。

事例③ネットで高評価を得ていた「ワンコイン」

インドの金融都市であるムンバイに拠点をおいていた仮想通貨「ワンコイン」は、ネット上で高い評価を得ていました。

しかし、2018年1月、EU犯罪対策部門によって、ポンジスキーム詐欺の疑いで強制捜査が行われました。これにより、18人が一斉逮捕されたと報道されました。

被害額は、371億円を超えていたそうです。

ワンコイン(OneCoin)とは?詐欺の評判が高いその仮想通貨の実態は仮想通貨ワンコイン(OneCoin)とは? 引用:OneCoin公式サイト 仮想通貨ワンコイン(OneCoin)とは、ヨーロッパ...

ポンジスキーム詐欺を避けるには共通点を知るべし

ポンジスキーム詐欺を避けるためには、ポンジスキームの手口やよく使われる文言の他に、共通点を理解しておくことが大切です。

共通点を知っておくことで、詐欺であるか否かの判断材料にすることができるからです。

では、「SEC(米国証券取引委員会)」が示しているポンジスキーム詐欺に見られる共通点を確認しておきましょう。

  • ローリスク、もしくはノーリスクでハイリターンである
  • 過度なリターンにもかかわらず一貫している
  • 規制当局に登録されていない投資
  • 売り手がライセンスを持っていない
  • 理解しがたい戦略や非公開の戦略
  • 書類に関する問題がある
  • 支払いを受け取ることが難しい状況

これらに当てはまる勧誘があった場合、ポンジスキーム詐欺を疑うようにしましょう。

ポンジスキーム詐欺に遭わないための6つの予防策

ポンジスキーム詐欺に遭わないためにも、以下の6つの予防策を確認し、疑わしい勧誘から身を守る術を会得しておきましょう。

  1. 投資の鉄則「ローリスク・ローリターン、ハイリスク・ハイリターン」を心得ておく
  2. 勧誘されても即答せず、その場で検索する
  3. 知人や友人からの勧誘や情報を鵜呑みにしない
  4. 怪しいセミナーやURL、メールなどに手を出さない
  5. 規制当局に登録された取引所で投資する
  6. 自分が理解できない戦略や投資に手を出さない

投資上の常識として、「ローリスク・ローリターン、ハイリスク・ハイリターン」は鉄則中の鉄則です。つまり、リスクなきハイリターンなど存在しないということです。

例えば、「投資の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェット氏であっても自社の年平均利回りは20.8%です。

つまり、利回り50%といった非現実的な利回りを実現することは、詐欺でもない限り不可能といえるでしょう。

出典:バークシャハサウェイ「株主への手紙」

ただ、ボラティリティが大きい銘柄の場合、月利20%の利回りを実現させるケースもあり、仮想通貨投資ではポンジスキーム詐欺か否かの判断が困難なケースもあるようです。

今後も様々な手口の詐欺が懸念される

冒頭でも説明した通り、仮想通貨による詐欺事件が2017年から増えており、2018年6月時点で前年を上回る勢いです。

なぜ、これほどまでにポンジスキーム詐欺やICO詐欺といった詐欺事件が増えるのかと言うと、その要因の1つとして、仮想通貨の規制が遅れていることが挙げられます。

また、目先の利益を求める余り、詐欺に引っかかってしまう人も多いといえるでしょう。

ポンジスキーム詐欺に遭わないためにも、手口や文言、共通点を理解した上で、自分の身は自分で守るようにしましょう。

しかし、気をつけたいのはこれからです。なぜなら、詐欺の手口はより巧妙になっていき、新たな種類の詐欺が発生していくのが世の常だからです。

万が一、自分や家族、知人が「詐欺かもしれない」という事態に陥ったら、仮想通貨に強い弁護士や消費者センターなどに相談することをおすすめします。

最後に、万が一に備え、3つの相談窓口をご紹介しておきます。疑わしいと感じたら、躊躇せずに、まずは相談するようにしましょう。

金融庁 金融サービス利用者相談室

消費者庁 消費者ホットライン

警察相談専用電話