ブロックチェーン

世界中の大学で仮想通貨とブロックチェーンの授業が増加|日本の大学はどうなっている?

本記事では、世界の大学における仮想通貨・ブロックチェーンに関する授業の現状を紹介し、それを日本の大学と照らし合わせて、今後の考察を述べていきます。

世界トップ50の大学の中の21校が仮想通貨とブロックチェーンの授業を行なっている


現在世界的に興味や関心が高まっている仮想通貨・ブロックチェーンですが、ハーバード大学やスタンフォード大学を主とした世界トップ50の大学の内の、21校が仮想通貨とブロックチェーンに関する授業を展開している事が、米大手仮想通貨取引所であるCoinbaseの調査レポートによって公表されました。


引用:Coinbase公式ブログ

Coinbaseの調査レポートによると、一つの大学内で8クラス以上の仮想通貨・ブロックチェーンに関する授業を行なっているのは「スタンフォード大学」と「コネール大学」とされており、その中でも米スタンフォード大学は最多となる10クラスを持っているとされています。


引用:Coinbase公式ブログ

なお、現在仮想通貨・ブロックチェーンのクラスを2つ展開している米ニューヨーク大学では、2018年の前期におよそ200人を超える学生が同クラスでの授業を受講するようになったとされているのです。

ニューヨーク大学は2014年から既にブロックチェーンに関する授業を開始していたものの、当時は数十名程度の学生しか集まらなかったとされており、今年に入ってからの急激な学習需要が伺えます。

また、Coinbaseの依頼を受けたQriouslyによる、アメリカの大学に通う大学生675人を対象にした調査によると、同社が調査した学生の内の18%が仮想通貨を所有しており、9%の大学生が仮想通貨・ブロックチェーンに関する講義を受講した事があると回答したそうです。

アメリカやロシアで広がる仮想通貨関連コース


上述の通り、大学やビジネススクールによる仮想通貨・ブロックチェーンの講義は世界的に拡大しています。

そこには新しい概念から生まれる大きなビジネスチャンスや可能性が秘められており、そのチャンスを学生が掴むべく数々の大学で仮想通貨関連の講座・コースが新設されるようになりました。

スタンフォード大学の大学院はフルタイムで仮想通貨関連コースを新設

スタンフォード大学の大学院は、2018年5月からフルタイムの仮想通貨関連コースを新設しました。

この仮想通貨関連コースの開設の背景には、学生側が「フルタイムで仮想通貨の講義を受けたい」といった要望があった為だとされています。

なお、同講義は解禁後に多くの学生が集った為、定員を超える50人の学生が落選しており、莫大な需要があった事が分かります。

ロシアの大学では仮想通貨関連コースが新設されて博士号の発行も

そして、ロシア国内にある大学でも、専攻分野として仮想通貨関連コースが新設されました。

そのロシアの大学の一つである「The Voronezh State University(VSU)」では、ブロックチェーンやデジタルエコノミーに関する博士号の発行が既に開始されています。

また、同じロシアの大学である「Don State Technical University(DSTU)」でもブロックチェーンに関する博士過程が開始されており、ブロックチェーンを用いて独自のプロジェクトを作成する機会も提供される予定です。

このように、成長産業である仮想通貨・ブロックチェーンの分野にて、スペシャリストを目指す為の環境が世界中で整備され始めているのです。

日本の大学で仮想通貨・ブロックチェーンに関する教育はされている?

では、日本の大学では仮想通貨・ブロックチェーンに関する講義が行われているのでしょうか?

日本の大学でもブロックチェーンに関する講義は行われている

上述したCoinbaseの調査で挙げられた世界トップ50の大学の中に日本の大学はありませんでしたが、東京大学や東京工業大学、早稲田大学大学院、慶應義塾大学(SFC)などではブロックチェーンに関する講義が既に行われているようであり、慶応大学SFC研究所ではブロックチェーンに関してを研究する「ブロックチェーン・ラボ」が2016年7月より立ち上がっています。

学内独自の仮想通貨を発行する大学も

また、福島の「会津大学」でも2018年10月からブロックチェーン技術に関する授業が開始されており、「ブロックチェーン活用概論」といった授業名で今期は2019年3月まで行われる予定です。

なお、会津大学では2年前からブロックチェーンを活用した地域通貨の実証実験も行ってきており、学内の独自通貨となる「白虎」を発行し、専用のアプリで取引を行うといった実験も行われました。


引用:会津大学

 

日本の大学生団体の活動も盛んとなっている

日本の主要大学の学生内では様々なブロックチェーン研究団体も発足しており、東京大学では、東大生を中心としたブロックチェーンサークルである「BitPenguin」が発足しています。

同サークルでは、コワーキングスペースなどで各テーマの発表や大学生向けの勉強会、ディスカッションなどが日々行われています。

https://twitter.com/Blockchain_UT/status/1055048182055358464

なお、早稲田大学では「ビットベアーズ」、慶應義塾大学では「クリプトライオンズ」と呼ばれるブロックチェーンの研究団体が発足しており、日本の大学生の中でもブロックチェーンに関する高い関心が寄せられています。

アメリカと日本の大学との比較

仮想通貨・ブロックチェーンに関する授業や活動が一部で取り組まれいる日本国内の大学ですが、まだまだその数は限定的であり、世界トップクラスとなるアメリカの大学と比較するとまだ規模に劣ると言えるでしょう。

上述した通り、Qriouslyによって実施された675人のアメリカ大学生への調査では、仮想通貨を保有している学生の割合が18%、仮想通貨に関する授業を受けた学生の割合が9%、そして今後仮想通貨の授業を受けたいと考える学生が26%も存在していたという結果となっています。


引用:Coinbase公式ブログ

かつて日本は仮想通貨(ビットコイン)の取引割合がしばらく世界一位で推移していましたが、2018年10月30日現在、そのシェア率は変動しており、韓国ウォンや米ドルの流入シェアの拡大によって、アメリカや韓国がその取引シェアを広げている事が分かります。(※実際はテザーも含まれている為、正確ではない。)


引用:cryptocompare

日本では仮想通貨の認知度や保有量が他国と比較して高いというデータも出ていますが、金融庁による規制が広がる中、仮想通貨を「投機の対象」として見るのもそのうち頭打ちとなるのではないかと考えられます。

そこで日本では、仮想通貨を投機的対象として見るだけではなく、それをブロックチェーンと絡めて実用化させ、実体経済へ導入していく為の教育インフラを整備していく必要があると考えています。

日本の大学で仮想通貨・ブロックチェーンの教育は広がるか


現在日本では「2020年までに小学校でプログラミング教育を必修科させる」という施策が提案されていますが、国民のプログラミング学習もままならないのが日本の現状です。

最近、経団連の会長が初めて連絡手段にメールを採用した事が話題となりました。

このように、日本は先進国にも関わらずITの発展や教育が全体的に進んでおらず、土台となるITリテラシーの教育のインフラをまず整える必要があると言えるでしょう。

Amazon、Facebook、Googleなど、既存の巨大IT企業のほとんどはアメリカ発であり、ユニコーン企業と呼ばれる「Uber」や「Airbnb」も全てアメリカです。

日本が今後仮想通貨・ブロックチェーンの分野で活躍できる人材を輩出する為には、その教育インフラや、その人材に対しての適正な報酬インセンティブを整備する必要があるでしょう。

ABOUT ME
Kenta@フリーライター
Kenta@フリーライター
新卒で入社した大手金融機関を11ヶ月で退職し、仮想通貨・ブロックチェーンに特化したフリーライターとして活動中。現在は場所を選ばず住所不定の”Decentralized”な生活を満喫している。