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【書評】SBI北尾社長著「これから仮想通貨の大躍進が始まる!」の要約と仮想通貨市場の今後

本記事では、SBIホールディングスのCEOである北尾吉孝氏の著書「これから仮想通貨の大躍進が始まる!」の書評と要約、そして北尾氏の考える仮想通貨市場の今後なども併せて紹介していきます。

SBI北尾吉孝社長の著書「これから仮想通貨の大躍進が始まる!」が発売


引用:SBIホールディングス

2018117日、SBIホールディングスの代表取締役社長である北尾吉孝氏が書く待望の書籍「これから仮想通貨の大躍進が始まる!」が発売されました。

北尾氏は、日本の大手証券会社である野村證券を経てソフトバンクの常務取締役に就任し、後に現在のSBIホールディングスの代表取締役CEOとなりましたが、北尾氏によってこのSBIホールディングスは「インターネット」と「金融」を融合させたFinTechを一早く推進した、時代を創るインターネット金融大手の会社となりました。

そして現在同社は「仮想通貨・ブロックチェーン」に関連する事業セグメントの構築や投資も積極的に取り入れています。

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さて、本書では、「これからの仮想通貨市場に関する北尾氏の考察」や「銀行が発行するデジタル通貨」について、そして「今後のSBIグループの取り組み」などといった内容がまとめられた一冊となっています。

では、北尾氏が書く本書「これから仮想通貨の大躍進が始まる!」の中でも、特に重要な部分をピックアップして要約していきます。

「これから仮想通貨の大躍進が始まる!」の詳細はこちら

仮想通貨は世界通貨となり得る?SBI北尾吉孝氏の見解は

仮想通貨は、どこの国の政府にも価値を左右されない「分散型の世界通貨」として誕生しましたが、このような「世界通貨」といった概念は、20世紀を代表するイギリスの経済学者であるケインズが「バンコール」と呼ばれる名前で以前考案しており、既に世界共通の決済通貨の発行を提案していました。

バンコールは、各国の中央銀行の上に管理主体を置く仕組みとして構想されていましたが、それはアメリカに反対されて幻となってしまいます。

SBI北尾吉孝氏の考える「世界通貨」の必要性

北尾氏は、ケインズの考案した「世界共通の通貨」という概念は画期的なものであると考えており、同時に「グローバル経済に計り知れないメリットをもたらす」と発言していました。

実は、私は仮想通貨が、ケインズが提唱した世界通貨の役目を果たしてくれるかもしれない、と考えています。
本書より引用

仮想通貨は「ブロックチェーン技術」を用いる事で、特定の管理者を不在にして世界中で同一の価値を持った通貨として扱う事が可能となります。

既存のドルを基軸通貨とする通貨システムが脆弱化しつつあるいま、このような仮想通貨のコンセプトを、世界中に定着させていくことが非常に重要であると私は考えているのです。
本書より引用

現在の世界的な経済システムは「米ドル」を基軸として構築されていますが、そのドルの信用が損なわれると、当然世界経済に大きな混乱が発生する可能性が高くなるのです。

そこで、「世界通貨」の必要性を北尾氏は主張しています。

ビットコインは決して終わった通貨ではない

仮想通貨のバブルは崩壊した?SBI北尾吉孝氏の見解とは

2017年、ビットコインは200万円を超える額を記録したものの、その後の2018年は仮想通貨市場全体と共に大きく縮小を魅せました。
執筆時点である2018年11月現在も、ビットコインはその規模を縮小させています。


引用:coinmarketcap

世間では既に「仮想通貨は終わった」と言われるようになり、実際に世界各地の取引所でも取引量が縮小傾向にあるのです。

しかし、北尾氏は仮想通貨が「終わった」とは全く考えていないと言います。

チューリップバブルとビットコインは全く異なるもの

「ビットコインの昨今の動向は、17世紀にオランダで起きた『 チューリップ・バブル』と同じである」という論調も散見しますが、完全に別物だと考えています。
本書より引用

北尾氏はビットコインと「チューリップ・バブル」が同じであるという意見を否定しており、その実用性の違いについてを本書で指摘しました。

そもそも「チューリップ・バブル」とは、チューリップの球根が、富裕層の愛好品として異常に買われて価格が跳ね上がった出来事の事であり、形式的な数字のみが膨れ上がり続けて起こった「バブル」という現象の最初の事例です。

しかし、ビットコインはただの趣向品であるチューリップとは異なり、「ブロックチェーン」という革新的な技術が基盤とされている為、今後世界経済に大きな影響をもたらす可能性があると北尾氏は主張しています。

ビットコインが世界中の多くの人々の信頼と、さまざまな分野に活用出来るブロックチェーンという最先端の技術をベースにしており、バブルとは異質なものであることを忘れてはいけません。
※本書より引用

 

仮想通貨は中央銀行のデジタル通貨によって滅びる?

「中央銀行がデジタル通貨を発行すれば、もはや仮想通貨に出る幕は無いのではないか。」

そのような声は多く聞きますが、果たしてそのような事が実現した場合、仮想通貨の存在意義は無くなってしまうのでしょうか?

仮想通貨と銀行のデジタル通貨は共存する

確かに、中央銀行がデジタル通貨を発行してしまえば、金融機関同士の決済の利便性は高まり、コストを大幅に引き下げられる可能性があります。

そうなると、今存在している仮想通貨は「終わってしまう」という見方も出来なくはありません。

しかし、北尾氏は本書の中で以下のように述べています。

中銀デジタル通貨が実用化に向かっていくのは事実でしょうが、同時並行的に、仮想通貨の流通量も増えていくと私は予想しています。
※本書より引用

 

北尾氏は小口決済にデジタル通貨は発行されないと予想

北尾氏は、仮に中央銀行によるデジタル通貨が発行されるならば、それはまず「大口決済」で実用化され、「小口決済では利用されない」といった見解を持っています。

日本の場合、金融機関同士の大口決済は「日銀ネット」を介して行われており、そのネットワークの参加者は限られた金融機関のみとなっています。

よって、これをブロックチェーンを用いて代替えする事は比較的簡単であるというのが北尾氏の主張です。

続いて「小口決済」に関してですが、この場合、国民一人一人に中央銀行がデジタル通貨を発行して付与する必要があります。

しかしこの場合、個人の支払いや決済のデータを全て発行体である中央銀行が管理・保全を行う必要がある為、大変な手間となります。

これを全て中央銀行が行おうとすれば、人件費やシステムの管理コストが大幅に必要となるでしょう。

人口が少ない国家であれば実現する可能性も出てきますが、主要国の中央銀行がそんなことをできるとは到底思えないのです。
※本書より引用

このように、中央銀行が小口決済用のデジタル通貨を発行する事は現実的に考えにくい為に、小口の決済に関しては「仮想通貨」が代替えする可能性が高いとされているのです。

仮想通貨は既に大きすぎて潰せない?

仮想通貨全体の時価総額は、2018年10月10日時点で約24兆円となりましたが、北尾氏はこの時価総額が既に“Too big to fail(大きすぎて潰せない)”状態であると主張しています。

この”Too big to fail”とは、2008年に起こった世界同時金融危機である「リーマンショック」の際に使用された言葉であり、金融機関が破綻すると、連鎖的に全ての経済システムに悪影響が出る為、金融機関は「大きすぎて潰せない」と表現されているのです。

実際に当時のリーマンショック時は、破綻寸前だった巨大金融機関である「AIG」に対し、米FRBは異例となる850億ドルもの緊急融資を実行しました。

そして、北尾氏は現在の仮想通貨市場もそれと同じく「大きすぎて潰せない」状態であると述べています。

私は、すでに仮想通貨の時価総額はその状態に突入しており、もし取引を停止するようなことになれば、金融市場に大きな影響を及ぼすと考えています。
※本書より引用

仮想通貨業界には既に様々なプレイヤーが存在している事から、その市場が消えた場合に、とてつもなく大きなダメージがもたらされる事も予想出来ます。

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仮想通貨を否定した世界はあり得ない

北尾氏は、現在の仮想通貨市場の規模拡大から、「仮想通貨を否定する世界はあり得ない」と主張しており、本書でこうも発言しています。

10年後には仮想通貨全体の時価総額は世界で2000兆円程度になっていると想定しています。
※本書より引用

北尾氏の想定によると、現在から10年後となる2028年の段階で仮想通貨市場は2000兆円、つまり11月27日現在の13兆円から約150倍になる事となります。

ここで言う「仮想通貨」は、果たしてビットコインなのか、リップルなのかまでは定かではありませんが、「ブロックチェーンをベースとした仮想通貨全体のポテンシャルは計り知れない」という事は、北尾氏の主張から明らかです。

北尾氏の考えるリップル(XRP) の可能性

金融機関フレンドリーな仮想通貨であるXRP

現在世界で構築されている金融システムは、銀行の存在する「中央集権型」で成り立っていますが、そこへビットコインのような「非中央集権型」の分散型通貨が登場するとなれば、金融機関側から見ると当然ながら銀行の普及の大きな妨げとなり得ます。

実際にビットコインの普及の拡大は、既存の銀行システムの規模縮小を招く恐れがあるからです。

そこで、北尾氏は本書にてこう発言しています。

実需を生むためには、金融機関にも取り入れやすい仕組みを持つ仮想通貨でなければなりません。
※本書より引用

そして、現在最も金融機関に対してフレンドリーな仮想通貨は「リップル(XRP)」だとも主張されています。

リップルでは、米リップル社の開発する「インター・レジャー・プロトコル(ILP)」と仮想通貨である「XRP」を用いる事で、既存の金融機関のシステムに接続しながら、効率的に送金を行う事ができます。

これによって、他の仮想通貨では「ウォレット」同士でしか資金の移動が出来なかった所を、銀行口座への送金も可能とするのです。

これが、リップルが金融機関に受け入れられやすい理由として上げられている一つです。

グローバルスタンダードとなる通貨

2018年11月27日現在、仮想通貨リップルの時価総額はイーサリアムを追い抜き2位を維持していますが、まさに「金融機関フレンドリーな仮想通貨こそが実需を生む」といったリップルに対する投資家の期待が表れています。

そして2018年11月現在、リップル社が構築する国際送金システム「RippleNet」には200社以上の提携企業が存在しており、つい最近では「タイのサイアム銀行が実際に仮想通貨XRPを使用している」と発表された事も話題となりました。

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おそらく、送金サービスに関する限り、リップル社は世界ナンバーワンの企業となり、そのシステムはグローバルスタンダードになっていくでしょう。
※本書より引用

リップル社のシステムはグローバルスタンダードになると予想する北尾氏ですが、もしもそれが実現すれば、仮想通貨においてグローバルスタンダードとなるのもXRPかもしれません。

「これから仮想通貨の大躍進が始まる!」のまとめ

以上が北尾氏の著書である「これから仮想通貨の大躍進が始まる!」の要約でしたが、本書は「仮想通貨市場のポテンシャルがなぜ高いのか」「なぜ銀行の発行するデジタル通貨では無く仮想通貨に優位性があるのか」などといった事を知る事が出来る一冊でした。

そもそも、仮想通貨がどのように発展していくのかは未知数であり、ブロックチェーンすらもまだ実態経済であまり普及していません。

先日、日本を代表するサッカー選手である本田圭佑氏は、以下のようにTweetしていました。

まだまだ仮想通貨は「序章」であり、今後の更なる発展に期待したい所です。

「これから仮想通貨の大躍進が始まる!」の詳細はこちら

SBIグループ北尾社長が掲げる”仮想通貨が再高騰する”理由とは北尾氏が掲げる仮想通貨への見解とは 引用:https://jp.tradingview.com/chart/?symbol=F...
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Kenta@フリーライター
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新卒で入社した大手金融機関を11ヶ月で退職し、仮想通貨・ブロックチェーンに特化したフリーライターとして活動中。現在は場所を選ばず住所不定の”Decentralized”な生活を満喫している。