税金

【2019年度】仮想通貨の税制どうなる?政府の方針や仕組みを解説

仮想通貨の税制改正が行われる理由は悪質な申告漏れ

 

仮想通貨投資で得られた利益が所得として区分されていることはお分かりのことと思います。

2017年度には300人を超える億り人が誕生し、その多くが最大で55%の納税を求められました。

その一方で、意図的に申告をしない人も少なくなく、国税庁の税務調査では2018年6月までの1年間で9,038億円もの申告漏れがあった事実が明らかになりました。

申告漏れに関する詳細は、こちらの記事をご覧ください。

 

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これらの調査結果を踏まえ、政府与党(自民党・公明党)は悪質な申告漏れを防ぐため、新たな税制改正を行う方針を固めたのです。導入予定は2020年度といわれています。

そこで今回は、仮想通貨に関わる税制改正の内容について説明します。

2019年度「税制改正大綱」を理解する2つのポイント

 

政府や与党は、2019年度「税制改正大綱」に仮想通貨投資による申告漏れ防止のための2つの改正内容を明らかにしています。

その2つとは、以下の通りです。

  • 情報照会制度
  • 特定口座を利用した源泉徴収

情報照会制度は海外ですでに施行されている制度で、米国や英国、ドイツが挙げられます。

いずれにしても、課税に関する資料や情報の提出を求めることができる制度として活用されています。

一方、特定口座を利用した源泉徴収は、株式投資など既存で実施されているシステムが存在しており、実現可能だと考えられています。

では、1つずつ内容を確認していきましょう。

情報照会制度とは?

 

情報照会制度とは、税務署が仮想通貨交換業者に対して申告漏れの疑いがある人物の取引データなどの照会を求めることができる制度です。

税務署によって情報の照会を求められた交換業者はデータ照会が義務付けられることになります。

もしも、照会を拒否した場合は、懲役1年以下もしくは罰金50万円以下の罰則を受けなければなりません。

ただし、例外もあります。それは、税務署がデータの照会を求める際に事前調査をしっかり行っていない場合です。

交換業者は税務署の事前調査が不十分だとした場合、国税不服審判所に対して不服の申し立てができるという内容も盛り込まれる予定のようです。

この背景には、交換業者が顧客の個人情報を守る守秘義務契約を個々に結んでいるケースがあることに配慮していると考えられています。

交換業者の立場からすれば、顧客の個人情報を守る権利があるため、やたらめったには顧客の個人情報を公開して顧客からの信頼を失いたくないのでしょう。

とはいえ、情報照会制度はすべての投資家がターゲットとなっている訳ではありません。

情報照会制度がターゲットは、仮想通貨投資によって得られた利益が1千万円を超えた投資家としています。

つまり、高額の申告漏れに対する制度であり、1千万円未満の利益を得る投資家は対象外という訳なのです。

事実上、富裕層の投資家による悪質な申告漏れを防ぐための制度といえるでしょう。

特定口座を利用した源泉徴収とは?

 

特定口座を利用した源泉徴収とは、交換業者が投資家に代わって仮想通貨投資によって得られた利益から源泉徴収するシステムを指します。

現時点ではこうしたシステムは仮想通貨において行われていませんが、株式投資などで利用されているシステムが存在しており、そのシステムを参考につくられることでしょう。

では、どんなシステムなのか、既存の株式投資で利用されているシステムの仕組みを確認しておきましょう。

特定口座による源泉徴収の仕組み

証券会社では株式投資のための口座開設の際、3つの口座から選ぶことができます。その3つとは、以下の通りです。

  • 特定口座(源泉徴収あり)
  • 特定口座(源泉徴収なし)
  • 一般口座

証券会社によっても異なる場合もあるかと思いますが、主に上記の3つの中から口座を選ぶことになります。

では、特定口座の「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」はどのように違うのか説明していきます。

特定口座(源泉徴収あり)

特定口座で「源泉徴収あり」の場合、「源泉徴収口座」と呼ばれ、確定申告を自分で行う必要がなくなります。

なぜなら、投資によって得られた利益はすべて課税対象となるためです。

仕組みとしては、投資によって得られた利益から証券会社が源泉徴収を行い、差し引いた金額が口座に振り込まれることになります。

つまり、源泉徴収口座を選択すると、投資家に代わって証券会社が面倒な納税の手続きをしてくれるというメリットがある訳なのです。

源泉徴収後は、「年間取引報告書」が証券会社から受け取ることができます。

その一方でデメリットも存在します。デメリットとは、納税する必要のない税金を納めなければならないこともあるという点です。

源泉徴収口座は利益のすべてが課税対象のため、売却益に対して一律で所得税(15.315%)と住民税(5%)を合わせた20.315%分の税金が徴収されます。

確定申告のルールとして、雑所得の合計が会社員は20万円以下、主婦や無職、学生は38万円以下であった場合は確定申告をする必要がありません。

要は、これらの金額に満たない利益の場合は非課税扱いされるため、源泉徴収口座であるがために納めなくていい税金を自動的に納めなければならなくなるのです。

また、ケースバイケースですが、年間で発生した損失の繰り越しができないため、「損益通算」できないというデメリットもあります。

仮想通貨と株の違いを知りたい人は、こちらの記事をご覧ください。

 

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特定口座(源泉徴収なし)

一方、特定口座(源泉徴収なし)は「簡易申告口座」と呼ばれ、証券会社によって源泉徴収が行われない口座です。

この点は一般口座と同じですが、異なる点は証券会社から「年間取引報告書」を受け取ることができ、自分で確定申告をすることができます。

簡易申告口座のメリットは、損失の繰り越しが最長で3年間まで認められている点です。

一方、デメリットは「年間取引報告書」をもとに確定申告の手続きを自分でしなければならないという点です。

3つの口座の源泉徴収や確定申告について表にまとめるとこのようになります。

源泉徴収確定申告利益に対する対応
源泉徴収口座証券会社が行う自分では行わなくていい利益すべて課税される
簡易申告口座源泉徴収されない「年間取引報告書」をもとに自分で行う申告した利益が所得扱いされる
一般口座税金の計算など自分ですべて行う

今回の税制改正によって仮想通貨投資で特定口座を利用した源泉徴収が導入される場合、上記のように口座の種類を選べるのか強制的に源泉徴収口座となるのかは定かではありません。

あくまでも株式の一例であるということを理解しておきましょう。

現行法による仮想通貨の税制まとめ

 

ここまで、2019年度の「税制改正大綱」に盛り込まれる2つのポイントを確認してきました。

そこで、改めて現行法における税制についてまとめておきたいと思います。

2020年度以降で現在とどのように変わっていくのかを理解しておくと良いでしょう。

2017年度の「税制改正大綱」では、資金決済法が改正され2017年7月から仮想通貨に関連する扱いが以下のように変わりました。

  • 仮想通貨にかかる消費税8%は非課税となる
  • 取引によって得られた利益は「雑所得」に分類される
  • 所得税率は所得の金額によって税率が上がる累進課税(15~45%)が適用される
  • 所得税率+一律10%の住民税と合わせて算出する
  • 雑所得の合計が年間で20万円を超えたら確定申告が必要

上記の通り、仮想通貨は財産としての価値がある通貨だと認められたことにより、非課税となりました。

しかし、株やFXなどと比べ、最大で55%の税率がかかってしまうのが現状です。

仮想通貨は分離課税になる日はまだ先のこと

 

株やFXが分離課税であることから、「仮想通貨も同様に分離課税にするべきだ」という意見もあるようです。

この点について、麻生財務大臣は国会で、「国民の理解を得られるのかが疑問」だと答弁しています。

その理由として、会社員の給料や事業所得は現行法の累進課税を適用していることを挙げたのです。

つまり、仮想通貨によって得た利益(所得)を分離課税にすれば、労働によって得た所得と不公平さが出ると言いたいのでしょう。

麻生財務大臣の発言からも分かる通り、仮想通貨の分離課税の実現はまだまだ先の話になりそうです。

とはいえ、意図的に申告漏れするようなことがないよう、下記の記事を参考にご自身で注意していきましょう。

 

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なかむら*あゆみ
なかむら*あゆみ
外食産業からフリーランスのWEBライターに転向。現在は仮想通貨関連のジャンルを中心にペット系やビジネス系のジャンルも執筆しています。 趣味は読書とミュージカル鑑賞、そして、愛犬と一緒にゴロゴロすること。初心者の方にも分かりやすい文章で「仮想通貨・ブロックチェーンの魅力」をお届けします!
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