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BITBOXがETH建てペア廃止した理由!現状の相場から読み解く

日本人が利用できない仮想通貨取引所「BITBOX」

出典:https://linecorp.com

 

BITBOXをご存知でしょうか。もしかすると、日本人には馴染みがない名前かもしれません。

BITBOXはSNSのLINEで知られるLINEの子会社LINE Tech Plusが運営する仮想通貨取引所です。

しかし、BITBOXは日本人の利用を禁止しているため、国内外の日本人がBITBOXを利用することは愚か、公式サイトにアクセスすることすらできないのです。

身近な会社が運営しているだけに注目度は高いのですが、実質日本人の利用は不可なため、知らない人がいてもおかしくはないでしょう。

そんなBITBOXの最新情報が舞い込んできました。

そこで今回は、BITBOXが突然ETH(イーサリアム)建て取引ペアの廃止を決めた理由を現状の相場とからめ、読み解いていきたいと思います。

BITBOX、ETH建て取引ペア16銘柄の取扱を廃止

 

BITBOXは2018年12月10日から下記のETH建て取引ペア16種類の取扱を廃止することを発表しました。

  • BAT/ETH
  • BTG/ETH
  • CVC/ETH
  • DGB/ETH
  • ELF/ETH
  • KNC/ETH
  • NCASH/ETH
  • OMG/ETH
  • QSP/ETH
  • QTUM/ETH
  • REP/ETH
  • RDD/ETH
  • SALT/ETH
  • SNT/ETH
  • ZIL/ETH

いずれもETH建ての取引ペアのみが取扱廃止となりました。

上記には15種類しか記載がありません。1種類記載漏れか、もしくは16種類が誤表記で15種類が正しい可能性が考えられます。

これらの取引ペアの廃止にあたり、すべての板注文は取り消されて自動的にウォレットに返却され、入出金においては正常に行えると説明されています。

取扱廃止の理由とは?

ETH建ての取引ペアを取扱廃止とした理由として、トークンの一部にBITBOXが期待する取引パフォーマンスや信頼水準が満たされていないことが挙げられています。

具体的にどのトークンを指しているのかは明記されていませんが、BTC(ビットコイン)建ての上記の銘柄との取引ペアは継続して取り扱われることが分かっています。

要は、上記で挙げた取引ペアの中で取り扱うにはリスクが高いと感じたことにより、今回の取扱廃止の発表に繋がったのでしょう。

とは言え、一部のトークンへのリスクが見つかったところで、ETH建ての取引ペアをすべて取扱廃止にするには根拠が弱い気もします。

おそらく、取扱廃止の理由にはもっと深い背景が隠れていそうです。

その背景を説明する前に、まずは、改めてBITBOXの基本情報やこれまでの経緯をおさらいしておきましょう。

BITBOXの基本情報とこれまでの経緯

出典:https://linecorp.com

 

BITBOXの公式サイトは、日本からはアクセスできないようになっています。LINEによる公式発表から分かる範囲で基本情報を説明していきます。

BITBOXの基本情報
  • 2018年7月に開設
  • 仮想通貨の交換を基本とする取引ができる取引所である
  • 日本円や米ドルなどの法定通貨と仮想通貨の売買はできない
  • 利用対象国は日本と米国を除いた国
  • 日本居住者や米国居住者へのサービス提供はなし
  • 対応言語は英語や中国語、韓国語を含み、日本語を除く15言語に対応している
  • 開設当初の取扱通貨はBTCやETH、BCH(ビットコインキャッシュ)など30種類以上

BITBOXが日本や米国を対象から除いているのは、仮想通貨交換業者の認定や法規制に沿った運営ができていないことが挙げられます。

日本では、金融庁の介入により、仮想通貨取引所は日本国内で営業するためには仮想通貨交換業者の認定が必要になりました。

BITBOXは仮想通貨交換業者の認定を受けられていないため、日本での営業を先送りし、海外に拠点をおいて営業を開始したのです。

米国においても日本と同様に様々な法規制によって米国内での営業を先送りにしたのでしょう。

ただ、2018年初めには金融庁に対し、仮想通貨交換業者の申請を終えており、現在は承認を待つ段階にあります。

金融庁から認定されれば、日本国内でもBITBOXを利用することが可能になるでしょう。

 

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BITBOX開設から現在までの経緯

 

BITBOXはシンガポールに拠点を置き、2018年7月16日に営業を開始しています。

同月には米のブロックチェーンセキュリティの大手企業BitGoと業務提携を結び、取引所に求められる高い水準のセキュリティレベルを確保しています。

8月には、新たにブロックチェーン・仮想通貨関連のスタートアップ企業への投資をするトークンベンチャーファンド「unblock ventures Limited」を設立しました。

ブロックチェーンは今や様々な分野において活用され、技術革新の最先端に位置づけられているといっても過言ではないでしょう。

このブロックチェーン技術は今後もさらに普及していくことが予想されており、スタートアップ企業への投資は非常に有意義な取り組みとなるはずです。

翌月9月には、BITBOXより独自の仮想通貨「LINK」を10月16日から取扱開始することを発表しました。

日本ではLINKトークンは受け取れない

 

LINKトークン(LINE独自トークン)は公式発表の予定通り、10月16日にBITBOXに上場しました。

今回の取扱廃止となったETH建て取引ペアにはLINKトークンは含まれておらず、引き続きBITBOXでの取扱が行われていることが分かります。

LINKトークンはLINEのdAppサービス内で利用することができます。ちなみに、LINEがローンチ予定のdAppサービスには、下記のものが予定されています。

  • 知識共有プラットフォーム「Wizball」
  • 未来予想プラットフォーム「4CAST」
  • 商品レビュープラットフォーム「Pasha」概要
  • グルメレビュープラットフォーム「TAPAS」
  • ロケーションSNSプラットフォーム「STEP(仮)」 など

ただ、LINKトークンはBITBOXの利用と同様に、日本国内の居住者は受け取ることができません。

その代わりとして、日本国内の居住者がLINEのdApp利用時には「LINE Point」を受け取ることが可能です。

このLINE Pointは、次のような利用方法があります。

  • dAppサービスの利用
  • LINEポイント(1ポイント=1円)に交換
  • LINE Payでの決済
  • LINEサービスの購入や決済

仮に、BITBOXが仮想通貨交換業者の認定を受けた場合、LINE PointとLINKトークンの交換も行われる可能性も考えられます。

現状の相場からBITBOXを読み解く

 

ここまで、BITBOXの現状やこれまでの経緯を振り返ってきました。一度、ここでポイントをまとめておきましょう。

BITBOXの現状・経緯まとめ
  • BITBOXは2018年7月、シンガポールを拠点に開設
  • 対象国は日本と米国を除いた各国に限定
  • 日本居住者向けにdAppサービス内で「LINE Point」が受け取れる
  • 10月には独自の仮想通貨「LINKトークン」をBITBOXに上場
  • 12月にはETH建て取引ペア16種類の取扱廃止

このように、BITBOXの経緯を振り返ってみると、10月頃までは順調にプロジェクトが進行しているようにも見えます。

しかし、12月には開設からわずか5ヶ月という短期間で16種類の取引ペアの取扱廃止を発表せざるを得ない状態になってしまったのです。

取扱廃止の理由として、一部のトークンに対してBITBOXが求める水準の取引パフォーマンスや信頼に値しなかったことを挙げています。

果たして、それだけの理由で16種類もの取引ペアの取扱廃止を決定したのでしょうか。

個人的には、BITBOXが挙げた理由は表向きの理由ではないかと感じています。

冷え込む仮想通貨市場の影響の大きさ

BITBOXが今回、取扱廃止を決定したのには表向きの理由と裏の本当の理由が隠されているのではないかと感じています。裏の本当の理由とは何でしょうか。

それは、現在の仮想通貨市場の影響が間違いなく大きいといえるでしょう。

出典:https://www.coingecko.com

Coingeckoのランキングからも分かる通り、1週間以内ではマイナスを指している仮想通貨の多さが読み取れます。

ビットコインを始め、多くの仮想通貨の価格は下落傾向にあり、仮想通貨市場全体が冷え込んでいることが分かります。

仮想通貨市場全体の冷え込みとBITBOXの今回の取扱廃止とどのような関係があるのでしょうか。

BITBOXの取扱廃止と仮想通貨市場の関係性

今回の取扱廃止を振り返ってみると、きっかけとして2017年末のビットコイン価格の大暴騰から始まったといえます。

一般的には知名度が低かったビットコインが突如大暴騰し、一夜にして日本国内で300人以上もの億り人を誕生させました。

ビットコインの大暴騰が世界に与えた影響は非常に大きく、ビットコインに続けて言わんばかりに次々と新たな仮想通貨が誕生していきました。

イーサリアムやライトコインなどアルトコインと呼ばれる人気の仮想通貨も誕生。

さらに、草コインと呼ばれる知名度が低く、時価総額も低いが、ビットコインのような可能性を秘めている仮想通貨として注目されるようになりました。

これらの仮想通貨に注目したのは投資家だけではありません。

世界中のハッカーや一儲けしようと悪だくみをする個人・集団に目を付けられる存在になってしまったのです。

そして、仮想通貨取引所を狙ったハッキング事件や投資家を狙った詐欺事件が多発するようになりました。

とくに、ICOと呼ばれる仮想通貨によるクラウドファンディングは、多くの投資家から仮想通貨を巻き上げる手段として悪用されるようになってしまったのです。

 

 

こうした仮想通貨へのマイナスイメージが大きくなっていったこともあり、仮想通貨への信頼が低くなり、仮想通貨市場を冷え込ませる要因となっていきました。

その一方で、日本を始めとする世界各国では仮想通貨への法規制を次第に強めていきます。

その影響を受けたのが仮想通貨取引所やマイニング企業です。

日本国内の取引所の場合、金融庁による仮想通貨交換業者の認定を受けられなければ、国内での営業はできなくなりました。

また、取り扱える仮想通貨も匿名性のあるものは除外され、種類も限定されています。

仮想通貨市場の冷え込みと同時に、各分野でも次第に運営が厳しくなっていったのです。

大手の取引所はもちろんのこと、リスクが大きい仮想通貨を取り扱っていることは、ユーザーからの信頼を失うリスクにも繋がります。

取引所はユーザーの信頼なしには運営を継続していくことは難しいため、リスクが高い仮想通貨の取扱廃止を決断せざるを得ない状態にまで追い詰められているのです。

つまり、BITBOXも例外なく、取引所の存続のための決断として、今回の取扱廃止を決めたことが予想されるという訳なのです。

仮想通貨投資から手を引く投資家も少なくなく、取引所はユーザーの確保に悪戦苦闘していることでしょう。

ユーザーの信頼を得続けるためには、高い水準のセキュリティ対策を行い、透明性のある運営を心がけ、マイナスイメージを持たれないためのリスクマネジメントが必須といえます。

BITBOXはおそらく、こういった背景からETH建ての取引ペアの取扱廃止を決めたのでしょう。

表向きの理由に隠れている背景に注目してみよう

 

BITBOXが発表したETH建ての取引ペア廃止の理由について説明してきました。いかがでしたでしょうか。

このように、表向きの理由とその発表の裏にある背景に注目して見ると、より深く広い視点で仮想通貨市場全体を理解することができます。

ぜひ、今後のBITBOXの発表や話題の裏にある背景にも注目してみましょう。

ABOUT ME
なかむら*あゆみ
なかむら*あゆみ
外食産業からフリーランスのWEBライターに転向。現在は仮想通貨関連のジャンルを中心にペット系やビジネス系のジャンルも執筆しています。 趣味は読書とミュージカル鑑賞、そして、愛犬と一緒にゴロゴロすること。初心者の方にも分かりやすい文章で「仮想通貨・ブロックチェーンの魅力」をお届けします!
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