仮想通貨

ホワイトペーパーとは?仮想通貨におけるその意味やICOにおける役割

ホワイトペーパーは公的機関の報告書を指す言葉

仮想通貨の情報を調べると必ず出てくるキーワードがあります。それは、「ホワイトペーパー」です。ホワイトペーパーと言うと、通常は政府や公的な機関などで作成される年次報告書を意味する言葉です。

それではなぜ、仮想通貨でホワイトペーパーという言葉が使われているのでしょうか?

本記事では仮想通貨におけるホワイトペーパーの由来やその意味、また、近年注目を集めているICOとの関連性について解説していきます。

ホワイトペーパーの意味やその由来とは

ホワイトペーパー(White Paper)は、直訳すると「白書」で、元々は英国政府が発行する公式外交報告書の表紙が真っ白だったことから、そう呼ばれるようになりました。

この言葉が各国へ広まり、日本でも同じような意味として戦後に発行される公開報告書を白書(ホワイトペーパー)と呼ぶようになったのです。

例えば、「経済財政白書」や「防衛白書」「高齢社会白書」等のように「○○白書」とも呼ばれています。

それではいったい、仮想通貨でホワイトペーパーという言葉が使われているのはなぜなのでしょうか?

その由来はビットコインの生みの親と呼ばれるサトシ・ナカモト氏の論文をホワイトペーパーと呼んだのが直接的なきっかけです。それにより、他の仮想通貨でも事業計画書のような形として作成した資料のことを、ホワイトペーパーと呼ぶようになったのです。

現在ではホワイトペーパーに記載されている内容を元に、投資家がそれぞれの仮想通貨の技術や機能などの把握を行っています。では、このホワイトペーパーにはどのような内容が記載されているのでしょうか?

ホワイトペーパーで仮想通貨が発行される目的や技術面が理解できる

ホワイトペーパーは、仮想通貨を発行する企業や団体がどのような経緯で発行に至ったのか、どんな目的を持って発行するのかといった内容が詳細に記載されています。

そのため、投資経験に優れた人の多くは、ホワイトペーパーを読み込んでから、どの仮想通貨に投資をするのか判断しているのです。

ホワイトペーパーに記載される内容として、ざっくりとしたイメージは次の通りになります。

  • サマリー(概要)
  • 仮想通貨発行の背景や目的、課題
  • 課題に対する仮想通貨による解決策
  • 技術面の解説
  • 資金の調達方法(ICOについて)
  • 今後のスケジュールやロードマップ
  • プロジェクトの構成メンバー

作成者によって、順番や項目数は変わりますが、ホワイトペーパーのほとんどはこのような内容で構成されています。

ビットコインのホワイトペーパーの場合

まずはビットコインのホワイトペーパーを例に、どのような内容が記載されているのか、一例としてご覧ください。

【課題】
・インターネット上での商取引は、社会的な信頼度が高い銀行やクレジット会社などに頼らざるを得ないのが現状

・多くの取引においては現在のシステムで十分だが、信頼に基づいたモデル故に弱点が存在する

1.商品やサービスの購入などの取引中止に対し、送金を中止する支払い方法を提供できないことによる損失

2.高い手数料によって少額での取引の可能性が潰されている

【解決策】
・銀行やクレジットカード会社などの信頼度が高い第三者機関を通さずとも、暗号化された証明に基づいた電子取引システムによって取引を行う二者による直接取引が可能になる

・エスクロー(第三者預託)も容易に行えるため、売り手を詐欺から守り、買い手が心配するお金の回収も安心して行え、結果的に双方が守られるシステムの構築が可能になる

このような内容が1030ページに渡って、各仮想通貨のホワイトペーパーに記載されています。

ICOにはホワイトペーパーが必須

ホワイトペーパーを読まなくても、投資ができると思う人も少なくありません。

確かに、ビットコインなど既に知名度の高い仮想通貨への投資であれば、ホワイトペーパーを読む必要はないかもしれません。しかし、ICOとなれば話は別です。

ICOとは、企業や団体などが既存の仮想通貨のブロックチェーン技術を活用し、トークン(独自の仮想通貨)を発行して資金調達することを指します。

一言で言えば、一種のクラウドファンディングのようなものです。

トークンを発行する側からすれば、より多くの資金を調達するために、トークンの信頼度や安全性の高さを証明する必要があり、ホワイトペーパーはそのための有効な手段となっています。

一方、投資家からすれば、発行前のトークンは信頼できるものなのか、技術的に安全なものなのかといった投資先の判断材料としてホワイトペーパーが必須です。

つまり、ICOにおいてホワイトペーパーは資金を調達したい発行側と投資をするに値するトークンなのかを判断したい投資家の両者にとって、重要な役割を担っているのです。

ホワイトペーパーがデタラメなものだったり、別の仮想通貨のホワイトペーパーをコピーしたりすれば、投資家の信頼を得ることはできず、ICO上場も失敗に終わります。逆に、信頼を得ることができて多くの資金が集まれば、結果的にトークンの価値が高まり、発行者も投資家も利益を得られる訳です。

では、ホワイトペーパーを読む際に、どこを重点的に読めばいいのか重要なポイントについて確認していきましょう。

ホワイトペーパーを読む際は重要なポイントを押さえておく

興味を持ったICOの中から投資候補を絞り込む際、ホワイトペーパーは重要な判断材料の1つです。どのような内容を重点的に読めばいいのでしょうか?

重要なポイントはいくつもありますが、中でも下記の点を重点的に読むことが大切です。

  • トークンの存在する理由は何か?
  • どんな目的からプロジェクトが行われるのか?
  • 他の仮想通貨との差別化された特徴や機能は何か?
  • 実現可能なのか?
  • トークンの内部保有数や発行限度数はどれくらいか?

これらを重点的に読むことで、ホワイトペーパーの内容に不明確な点がないかを知ることができ、結果としてICO詐欺に遭うリスクを減らすことができるのです。

では、ホワイトペーパーはどのように入手すればいいのでしょうか?

ホワイトペーパーは誰でもダウンロードが可能

ホワイトペーパーの入手は難しいことだと思われがちですが、誰でも簡単に入手することが可能です。

どの仮想通貨でもトークンでも、公式サイトが必ずあり、その中からホワイトペーパーをダウンロードして入手することができます。

ホワイトペーパーのほとんどは言語が英語で記載されているため、英語の読解力に不安がある人は読むこと自体を諦めてしまいがちです。

しかし、現在はグーグルなど翻訳機能のあるツールを活用することで、英語やその他の言語で記載されているホワイトペーパーも日本語に翻訳して読むことが可能です。

最近では日本語対応のホワイトペーパーも増えてきているため、そこまで難しく考える必要もないでしょう。

ホワイトペーパーの内容を理解してICO詐欺を見抜く

ICOに見せかけた詐欺は少なからず存在します。そのため、専門家や投資家の間ではホワイトペーパーの重要性が言及されています。

ICO投資では、トークンの発行が実現するのか、実現した場合に価値が上がり、利益をもたらしてくれるのかを100%知る方法は存在しません。

つまり、どんなに優れたホワイトペーパーであっても、実現までに及ばず、プロジェクトが頓挫する可能性もある訳です。

また、日本人を狙った詐欺に多い手口として、日本語のみのホワイトペーパーや必ず配当があるなどの文言がある場合、詐欺の可能性が高いとされています。

こうしたリスクを最小限に抑えるためにも、ホワイトペーパーの内容を理解できるだけの知識を習得し、熟読した上で投資するかどうかの判断を行いましょう。

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