仮想通貨

スマートコントラクトとは。仲介者を不在にする未来の契約の形

仲介者が不在となるスマートコントラクト

ブロックチェーン技術は、分散化された仮想通貨を誕生させた後に次々とそれが応用され、取引所、ゲーム、ギャンブル場といったあらゆるネット上のプラットフォームを分散化させています。

そこにはいずれも管理者たる者が存在していません。

そして、イーサリアムという革新的な仮想通貨が生み出した、仲介者不在であらゆる取引ができるという全く新しい概念が生まれています。

それが「スマートコントラクト」と呼ばれる技術です。

では、以下よりスマートコントラクトの仕組みや特徴についてを解説していきます。

仮想通貨によって動くスマートコントラクトとは

スマートコントラクトとは、仲介者を介在せず一連の契約や取引を行うことができる技術です。

このスマートコントラクトは、ブロックチェーン上で動かすことによってあらかじめ作っておいたルールによって管理者不在で契約を実行することができるのです。

そして、あのイーサリアムはこのスマートコントラクトを実装して分散されたプラットフォームを創り上げる為に生まれました。

イーサリアムが始まりとなり、今は様々な仮想通貨でスマートコントラクトが応用されるようになりました。

例えば、中国版イーサリアムと呼ばれる「NEO」もスマートコントラクトを使って分散型のプラットフォームの構築を手掛けています。

また、仮想通貨だけではなく企業もスマートコントラクトに着手するようにまでなりました。

東京に拠点を置くDMM.com社はブロックチェーン技術を使ったスマートコントラクト事業を始めたと発表しています。

このように、ブロクチェーンを代表とした革新的技術に対して盛り上がりを魅せるのは仮想通貨だけではないのです。

スマートコントラクトの仕組みや特徴

では、スマートコントラクトはどのようなロジックで動くのでしょうか?

以下よりその仕組みや特徴を見ていきます。

スマートコントラクトの流れ

スマートコントラクトにはあらかじめに取引に必要なロジックをプログラムして置く必要がありまが、スマートコントラクトの主な流れは以下です。

1、契約を決める

 ↓

2、イベント発生

 ↓

3、契約進行

 ↓

4、支払いの実行

このように、事前に決めた契約をプログラムすることで一連の取引が自動化されるのです。

従来の取引のプロセス

では、スマートコントラクト以前に、今まではどんな取引のプロセスだったのか確認しておきましょう。

既存の取引では、場所がリアルであろうとネット上であろうとそこには「仲介者」がいました。

不動産の取引でも証券会社での株式の取引でも必ずそこには仲介者が存在し、取引の金額から手数料を徴収されます。

なお、ネット上での取引でも必ず仲介者は存在しており、ネット通販やメルカリなどのアプリケーションプラットフォームでも利用する度に必ず仲介者への手数料がどこかで上乗せされています。

このように、あらゆる取引で必ず仲介者が存在していたのですが、スマートコントラクトは仲介者も不要にしてしまうのです。

取引に第三者の信頼が必要無くなる

スマートコントラクトで仲介者を不在にすることによって、第三者の信頼が必要も無くなります。

今までは取引の当事者以前に仲介者の信頼が重要でした。

なぜなら仲介者に姿を消されると取引が進まないリスクがあるからです。

これを「カウンターパーティーリスク」と言います。

ですが、スマートコントラクトは一連の取引を自動化するので、誰にも信頼を置かずに当事者間で直接取引ができるのです。

スマートコントラクトはコストの削減に繋がる

さらに、スマートコントラクトによってそれを応用する企業やサービスの利用ユーザーは共に無駄なコストの削減に繋がります。

もし、企業でこれらを応用するとなれば人的オペレーションのコストが大幅に削減できるでしょう。

契約関連の事務をする作業員は仕事をスマートコントラクトに代替えしてもらうことで新しい仕事をすることができますし、企業側も導入によってより生産性の高い投資になるでしょう。

ユーザーにとっては仲介手数料を安く抑えられるでしょうから、これはとてもわかりやすいメリットとなりそうですね。

イーサリアムから生まれたスマートコントラクトの活用

仮想通貨ではじめにスマートコントラクトの概念を生み出したのはイーサリアムで、この技術はイーサリアムを通じてあらゆるもので活用されています。

イーサリアムは自由度の高いスマートコントラクトを要しており、最近では分散型のアプリケーション(Dapps)で応用される機会が増えました。

例えば、イーサリアムをベースとした「イーサエモン」という分散型のゲームアプリケーションでは、スマートコントラクトを駆使して管理者不在で自律的に動くアプリケーションとなっています。

このように、仮想通貨の投資のフェーズから、段々と実用化に動いているのです。

スマートコントラクトの活用事例

では、以下よりスマートコントラクトの事例を見ていきます。

分散型予測市場を創り出す「Augur」

他にも仮想通貨を使ったスマートコントラクトの事例にAugur(オーガ)という通貨があります。

このオーガは分散型の予測市場を創る仮想通貨です。

分散型の予測市場とは、胴元を抜きにして将来の予測に対して金銭を賭けられる仕組みです。

ユーザーはスマートコントラクト上であらかじめ決められたルールに従い予測市場のプラットフォームに参加することができます。

例としてはカジノやスポーツの勝敗などが考えられますが、これで予測が正しければ仮想通貨で報酬が貰えます。

このように、スマートコントラクトでギャンブルのような市場も分散化することでお金をトラストレスに投入することができるのです。

なお、Augurの細かい特徴は本記事では割愛します。

自動販売機

なお、このスマートコントラクトの最初の事例としてよく挙げられるのが自動販売機です。

これも全てあらかじめ決めておいた契約の基で取引が実行されていると言えます。

利用者が金額を投入し、飲み物のボタンを押すという契約条件を満たした時にのみ飲み物が出るようになっています。

普段私達が利用しているものなのでイメージが湧きやすいかと思いますが、自動販売機は取引行動全般が「スマートなコントラクト」として実行されている例です。

スマートコントラクトが社会インフラを変えてしまうかもしれない

このスマートコントラクトは、あらゆる既存の社会インフラを変えてしまう程のインパクトがあります。まさにこの技術が応用され、社会インフラになるのが「ブロックチェーン3.0」と呼ばれるフェーズでしょう。

仮想通貨に応用されるのが「ブロックチェーン1.0」と呼ばれ、金融分野に応用されるのが「ブロックチェーン2.0」と呼ばれてます。

そして、非金融分野での応用が「ブロックチェーン3.0」のフェーズであり、このスマートコントラクトはすでにブロックチェーン3.0で活躍する可能性を秘めています。

例えば、法律関連では弁護士を代替するスマートコントラクトの活用が将来的に考えられます。法的な関係性や契約を事前にスマートコントラクトにプログラムしておけば、定めた契約の条件が揃うと条項が執行される仕組みを作ることができるのです。

他にも不動産の取引や、シェアリングエコノミーなど、あらゆる価値や権利を仲介者不在で移転できるようになるでしょう。

なお、先程仮想通貨Augurの例を出しましたが、このようにある権利の売買を将来約束する市場は金融分野のオプション取引でも応用できるのではないでしょうか。

考えればたくさんの応用先が見つかりそうですね。

このように、今ある取引のプロセスはもしかすると将来スマートコントラクトを駆使した「ブロックチェーン」が行なっているかもしれません。

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