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着々と地盤を固めてきたmonero(モネロ)
Monero(モネロ)という仮想通貨はご存知でしょうか。実は今、Bitcoin(ビットコイン)にはないmoneroのある特徴が世界で注目されています。
CoinGecko(コインゲッコー)の時価総額ランキングでは、7位(2018年3月21日現在)にランクインしていることからも、その注目の高さに頷けます。
出典:https://www.coingecko.com/ja
時価総額ランキングの上位にいるRipple(リップル)やEthereum(イーサリアム)よりも早く誕生しています。
Bitecoinが大きく飛躍した2017年、moneroもひっそりと地盤を固めてきました。
そこで、今注目を集めているmoneroのチャートや特徴、ダークマーケットとの関わりなどについて紐解いていきます。
チャートに見るmoneroの歴史と飛躍した2017年
出典https://www.coingecko.com/ja/%E7%9B%B8%E5%A0%B4%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%88/monero/jpy
2014年に公開された当初は100円~300円の価格で、一時は約500円にも上昇しました。その後は50円~100円と価格は低迷していきました。
しかし、2016年にその後を大きく変えるターニングポイントを迎え、価格は約1,300円にまで上昇しました。
世界最大取引量の韓国の取引所「Bithumb」がmoneroを取り扱うと発表した他、ダークマーケットの決済方法として注目を集めたのが価格上昇の理由だといわれています。
2017年8月には、約15,000円にまで一時的な上昇を見せました。さらに、12月には約54,000の高値を記録しました。これまでの最高値は2018年1月の約61,000円です。
仮想通貨の上位に位置するmonero とは?
Moneroは、エスペラントの言葉で「コイン」を意味しています。このエスペラントとは、一言で言うと国際共通語です。日本エスペラント協会では、次のように定義しています。
『エスペラント(Esperanto)は、ポーランドの眼科医 ラザロ・ルドヴィコ・ザメンホフ(Lazaro Ludoviko Zamenhof, 1859-1917)が1887年に創案した、中立公平で学びやすい国際共通語です。』
引用:一般社団法人日本エスペラント協会(http://www.jei.or.jp/3pundesiru/)
2014年に誕生したmoneroは、Bytecoin(バイトコイン)をベースに開発された仮想通貨で、非常に匿名性の高いことから大きな注目を集めています。
では、moneroの基本情報を押さえておきましょう。
仮想通貨moneroの特徴は匿名性の高さに有り
Moneroの最大の特徴は匿名性の高さです。Bitecoinは公開帳簿式と呼ばれており、誰がいくら送金したのかがブロックチェーンの記録に残ります。
記録は誰でも閲覧可能なため、未然に不正な取引を防ぐという仕組みが成立しています。
一方、moneroはオープンなビットコインと真逆の匿名性を特徴としており、「リング署名」と「ワンタイムパスアドレス」で、より強固なセキュリティを保持しています。
リング署名は企業でも利用されている技術
リング署名は複数人のグループで公開鍵を生成し、グループで署名をすることを意味します。
さらに、取引ごとに公開鍵が生成されるため、署名によって個人を特定することが非常に難しいといわれています。
Bitecoinの場合、承認者は送金者の署名により、個人を特定することが可能です。
一方、moneroの場合、承認者は集団での特定は可能ですが、どの取引が誰によるものなのか特定することができないのです。
取引ごとに発行されるワンタイムパスアドレス
Bitecoinの取引で発行されるアドレスは「ビットコインアドレス」ただ1つですが、moneroの取引には2つの異なるアドレスが発行されます。
1つは取引履歴を確認するための「閲覧用アドレス」で、もう1つは取引時に必要な「送金用アドレス」です。
Bitecoinのアドレスとmoneroの送金用アドレスの違いは、moneroには取引ごとに発行されるワンタイムパスワードが含まれている点です。
つまり、取引ごとにアドレスが変わるため、第三者が追跡することができないようになっているのです。
Moneroはこの「リング署名」と「ワンタイムパスアドレス」などの仕組みによって、匿名性が高い仮想通貨として存在しているという訳です。
moneroの今後の展望や将来性は?
Moneroがどんな仮想通貨で、どんな特徴があるのかを見てきましたが、今後の展望や将来性はどのように考えることができるのでしょうか。
Moneroはその匿名性の高さから、仮想通貨の中でも高いセキュリティシステムを持っていることが分かりました。
Bitcoinにはmoneroと同じような匿名性の高さはないため、Bitcoinとは異なる利用価値が見い出される可能性を大いに秘めています。
しかし、良い点ばかりではありません。なぜなら、moneroがダークマーケットの決済方法として利用されているためです。
さらに、脱税やマネーロンダリング(資金洗浄)などの犯罪に利用されれば、国家であっても追跡が不可能なため、法改正が行われることも視野に入れなくてはなりません。
つまり、moneroの匿名性の高さゆえに、良くも悪くも利用できるということです。
Moneroを介して犯罪が横行する可能性が高い以上は、国も放置し続ける訳にはいかないでしょう。
遅かれ早かれ、世界中で何らかの形で、moneroへの牽制や犯罪防止の措置を取ることが予測されます。
マイナスな面にばかり気がいってしまうと、moneroの将来性はどうしても悲観的な視点にフォーカスされてしまいます。
結局のところは、国家による牽制が先か、国家の手が及ばないまでに世界的に普及するのか、妥協点を見つけて永続的に普及していくのかは誰にも分かりません。
ただ、匿名性の高さは保有者にとって最大のメリットであることから、moneroを利用する人口が増えていくことは間違いないでしょう。
では次に、moneroはどこで購入できるのか、安全性の高いウォレットやマイニングの種類について見ていきましょう。
Moneroが購入できるのは海外の取引所のみ
匿名性が高いmoneroは、国内外の取引所で取り扱われていると思いがちですが、2018年3月現時点では海外の取引所でしか取り扱われていません。
2016年より国内でも唯一、coincheck(コインチェック)で取り扱われていましたが、仮想通貨流出事件により、coincheckでの取引が一部停止しています。
さらに、moneroを始めとする匿名性の高い仮想通貨のZcash(ジーキャッシュ)やDash(ダッシュ)の3銘柄の取り扱いの打ち切りを示唆する報道も流れています。
その背景には、一連の流出事件への対策として、金融庁から業務改善命令が行われたことが考えられます。
では、moneroを保有したい場合、どこの取引所を利用すれば良いのでしょうか。
海外のおすすめ取引所①Binance(バイナンス)
海外の取引所で一番おすすめなのは、Binanceです。Binanceは手数料が安い上に日本語対応しているため、初心者でも安心して利用することができます。
取り扱っている銘柄も多く、世界最大級の取引高を誇ることから、知名度も信頼度も高い取引所です。
海外のおすすめ取引所②Bithumb(ビッサム)
moneroの価格が上昇した一因となった世界最大の取引量で知られるBithumbも日本語対応している点からおすすめの取引所です。
海外のおすすめ取引所③HitBTC(ヒットビーティーシー)
HitBTCは日本語対応できる点以外に、XMR / BTCのペアによる取引高が世界で一番である点からもおすすめできる取引所です。
Moneroが利用できる3つのウォレット
Moneroが利用できるウォレットは主に3つ挙げられます。どんな特徴があるのか、1つずつ確認していきましょう。
1.My Monero(オンラインウォレットサービス)
My Moneroは無料で利用できるオンラインウォレットサービスで、moneroのコア開発チームのサポートを受けて開発されました。
初心者でも簡単に作れる設計となっている点やメールアドレスの登録がいらない点から、moneroを保有する多くの人に利用されています。
利用者が多い一因として、2017年まで公式のウォレットが存在しなかったことも考えられます。
ただ、デメリットを挙げるとすれば、オンラインサービスのため、デスクトップウォレットよりも安全性に不安が残る点です。
安全性重視であれば、次に紹介する公式ウォレットがおすすめです。
2.moneroの公式ウォレット(デスクトップウォレット)
2017年7月に、待望の公式ウォレットが誕生しました。
これまで、オンラインウォレットサービスがメインのウォレットであったため、より安全性が高い公式ウォレットが誕生したことは、保有者にとって嬉しいニュースでしょう。
デスクトップにダウンロードして利用するため、よりハッキングからの脅威を避けることが可能です。
デメリットは、ウォレットを作成後の同期の際に、数時間~数十時間もの長い時間がかかる点です。
公式ウォレットを利用する際は、パソコン画面を開いたまま、気長に待ちましょう。
3.取引所のウォレット
取引所のウォレットを利用する方法もありますが、なるべくなら利用しないことをおすすめします。
なぜなら、coincheckの流出事件でもお分かりのように、取引所がハッキングされて仮想通貨が流出するリスクが非常に高いからです。
一方、公式ウォレットであれば、そのリスクを減らすことが可能です。
ウォレット選びで最も重視するべき点は、安全性の高さです。どんなに使い勝手が良くても、肝心の仮想通貨を失うことになっては意味がありません。
保有する仮想通貨を守るためにも、どのウォレットを利用するのか、慎重に選びましょう。
Moneroのマイニングが簡単だといわれる理由
Moneroのマイニングは主に2つの方法が挙げられます。1つは「pcマイニング」で、もう1つは「クラウドマイニング」です。
どのような方法なのか、それぞれの特徴を確認しておきましょう。
おすすめの「pcマイニング」はGPUマイニング
pcマイニングとは、パソコンを利用して行うマイニングのことを表します。パソコンといっても、3種類に分けられます。
・CPUマイニング(家庭用の一般的なパソコン)
・GPUマイニング(画像処理ができるグラフィックボードが必須)
・Asicマイニング(ハッシュ関数を計算するための専用の機材が必須)
お金をかけずにマイニングを行うのであれば、初期投資がかからないCPUマイニングを選ぶと良いでしょう。
ただ、マイニングに有利な計算力の高さはAsic>GPU>CPUなので、本格的に参入するのであれば、グラフィックボードを購入してGPUマイニングを行うと良いでしょう。
マイニング会社に投資する「クラウドマイニング」
クラウドマイニングとは、マイニング会社に投資をして間接的にマイニングに参加することを表します。
マイニングによって得た利益は、投資の割合に応じて、配当として受け取ることで利益が得られます。
イメージとしては、株主が配当金を貰うのと似ていると考えれば、分かりやすいでしょう。
個人参入が難しいBitcoinの場合、クラウドマイニングを行う人が増えています。
Moneroでもクラウドマイニングは可能なため、よりリスクをかけずにマイニングを行いたい人は、クラウドマイニングを選ぶと良いでしょう。
匿名性の高いMoneroの需要は高まりつつある
Moneroはダークマーケットの決済方法として利用されている点では、大きなマイナス要素と考えることができます。
ただ、Bitcoinも一部では飛躍の裏にダークマーケットが関わっていたという一説もあり、現にmoneroはダークマーケットに採用されたことで価格が上昇したことからも納得できます。
純粋に投資をする人にとっても、匿名性が高いことは最大のメリットであるため、今後も需要は高まっていく可能性が高いでしょう。
同時に、moneroを取り扱う取引所の最新情報を常にチェックしておき、moneroを保有するリスクを理解しておきましょう。