仮想通貨

仮想通貨のアービトラージとは?グローバルな展開を支える自動ツールの存在

アービトラージ『さや取り』の本質

アービトラージとは、直訳すると裁定取引、さや取りといわれています。

単純に言い換えれば、買値と売値の価格差で利益を得ることを指します。

仮想通貨の取引所を複数利用している人は、既にお気づきの人もいるかと思いますが、取引所によって、仮想通貨の売買価格が異なることが一日だけでもかなり多くみられます。

この各取引所における仮想通貨の価格変動によって生じた価格差に着目した取引をアービトラージと呼び、利益を得る方法として注目を受けています。

早速、その内容について、みていきましょう。

仮想通貨アービトラージのやり方

取引所における仮想通貨の価格差を使って、利益を得るのが仮想通貨アービトラージの基本的な仕組みになります。

流れとして、取引所Aでビットコインを安く購入→買い価格の高い取引所Bにビットコインを移す→取引所Bでビットコインを売るとなります。

仮想通貨の取引所における価格差を利用するので、まず、仮想通貨アービトラージを始めるためには、複数の仮想通貨取引所でのアカウントを所有する必要があります。

日本では、ビットフライヤー、Zaifbitbank等といった取引所があり、同じ日の同時刻においてビットコインの価格を比較すると、微妙に販売価格が違うことがわかります。

http://xn--eck3a9bu7cul981xhp9b.com/index.htmlより抜粋]

さて、話を戻すと、仮想通貨アービトラージでは、この複数ある仮想通貨取引所や販売所において、特定の仮想通貨の販売価格の差で、儲けを出すことになります。

なので、どの取引所が安く仮想通貨を売っていて、どの取引所が高く買うのかがわかれば、これらの取引所の価格差で儲けを得ることができます。

為替取引では、外貨の価格が取引所によってわずかしか異ならないのですが、仮想通貨は、一日に何度も取引所によって価格が大きく異なる事態が生じやすいといわれています。

この価格差が大きく出る取引所と日時を予想できれば、アービトラージで利益を得ることができます。

ただし、以下のように注意しなければならない点がいくつかあります。

取引の最中に価格が変動

ビットコインを別の取引所にコインを送金するのに時間がかかり、価格が取引の最中に変動してしまうケースがあります。

仮想通貨によって、別の口座に送金する手数料は安くても、時間が数日かかってしまうケースもあるので、取引所ごとに確認することをお勧めします。

送金手数料

取引所の間で、仮想通貨を送金する時間もそうですが、手数料も確認しておかないと、損出を被る可能性もあるので注意が必要です。

送金手数料を鑑みて、仮想通貨アービトラージとすべきか考慮することが必要です。

取引できる仮想通貨が限られている

日本の仮想通貨取引所では、他の取引所へ送金できる仮想通貨が限られています。

たとえば、イーサリアムでアービトラージをしようと思っても、他の取引所において口座の移し替えを認めていない場合は、アービトラージができません。

取引所のシステム障害

ビットフライヤーやZaifで何度か、システム障害が発生し、取引がしばらく停止してしまったことがありました。

非常に稀ではありますが、仮想通貨取引所のシステムに脆弱性があることも注意が必要です。

詐欺への注意

日本では、まだ、それほど問題になっていませんが、取引所のHPにかなり類似したページで仮想通貨を購入したつもりが、実際はただの詐欺サイトであったケースが海外では横行しています。

仮想通貨への関心が広がっており、コインチェックのようにハッキング被害にあう日本の取引所も出ていることから、詐欺サイトも今後注意する必要があると考えられます。

仮想通貨アービトラージの自動ツール

時々刻々と変動する仮想通貨の価格を四六時中監視するのは、人である限り無理です。

そこで、仮想通貨アービトラージに欠かせない助っ人が、仮想通貨アービトラージのための自動ツールや自動売買ツールになります。

アービトラージ自動ツールとして、どの取引所の間に、いくらの価格差が出ているのか、知らせてくれるTwitterアカウントやアプリ等を活用した様々な形態のものが出ています。

アプリについては、後述するので、アービトラージ自動ツールとアービトラージ自動売買ツールについて、ここで解説します。

仮想通貨アービトラージ自動ツールの中で、指定した価格差になったら通知するシステムだけでなく、売買も自動的に行うシステムも開発されています。

つまり、仮想通貨取引所の間で価格差が生じ、利益が見込まれる時点で、売買をシステムが自動的にしてくれる便利ツールです。

最近は、仮想通貨アービトラージ自動売買ツールを自作するエンジニア関係者も増えてきています。

普段のコーディングで使用する言語でシステムを構築できるという理由として考えられますが、日本において仮想通貨の取引所が限られていることも理由として考えられます。

ただし、まだ、市場に出始めたばかりなので、アービトラージ自動売買ツールのシステムのバグや信用性については未知数です。

自動で儲かるなんて、とても、おいしい話ではあるのですが、アービトラージ自動売買ツールは今後の経過を観察しながら、参入を判断することをお勧めいたします。

一日中、パソコンの画面に張り付いて、仮想通貨アービトラージをする機会を予想する手間を省くという意味では、価格差を通知してくれるTwitterやアプリを活用する仮想通貨アービトラージ自動ツールを、利用する方が無難だと思われます。

仮想通貨アービトラージのアプリ

仮想通貨アービトラージには、どの取引所でどの仮想通貨がいくらで売買されるかという情報が重要となります。

そこで、仮想通貨アービトラージ自動ツールや仮想通貨アービトラージ自動売買ツール以外に役立つのが、仮想通貨情報のアプリになります。

App Store より抜粋

https://itunes.apple.com/jp/app/cryptopippi-%E4%BB%AE%E6%83%B3%E9%80%9A%E8%B2%A8-%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%B3%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AE%E4%BE%A1%E6%A0%BC%E6%AF%94%E8%BC%83/id1301946758?mt=8

定番のアプリとして「Cryptopippi(クリプトピッピ)」があります。

このアプリは、日本だけではなく、海外の仮想通貨取引所における仮想通貨の価格比較をリアルタイムで表示してくれるので、現物取引として仮想通貨アービトラージを行うための情報源として重宝します。

この他にも、仮想通貨市場に関する全体的な情報を発信するアプリ等もありますが、仮想通貨アービトラージ自動ツールとしては「クリプトピッピ」が日本において定番なアプリとなっています。

海外における仮想通貨アービトラージの実情

海外では、ドル建てのアービトラージ自動売買ツール等、仮想通貨アービトラージのための様々なアプリやシステムが開発されています。

特に、アービトラージ自動売買ツールを自らカスタマイズできるシステムも多く登場しています。

仮想通貨アービトラージ自動売買ツールとして、エンジニアに人気なのが「Blackbirdブラックバード」です。

このシステムはMITがライセンスを有しており、C++言語を使用して自ら仮想通貨アービトラージの短期と長期取引を設定できることから人気があります。

[ブラックバードのHPより抜粋

https://cloud.githubusercontent.com/assets/11370278/10808535/02230d46-7dc3-11e5-92d8-da15cae8c6e9.png

ブラックバードの特徴としては、他の仮想通貨アービトラージ自動ツールとは違って、扱う仮想通貨が限定されないこと、オープンソースであることが挙げられます。

オープンソースであるだけでなく、C++言語を理解していれば、操作が非常に簡単であることも、好評を得ていると考えられます。

仮想通貨の市場において、ビットコインでは日本円が多く投資されていますが、その他のアルトコインや仮想通貨では、日本の市場は非常に小さいものとなっています。

海外の方が、新しい仮想通貨が開発されており、モナコイン以外で日本発祥の仮想通貨がまだ登場していなかったり、ビットコイン以外の情報が少なかったりして、仮想通貨の多様性が欠けているのかもしれません。

海外では、国内における仮想通貨取引所だけでなく、他国における仮想通貨取引所を活用した仮想通貨アービトラージも行われるようになっています。

ただし、これは、他国の仮想通貨市場にも影響を与えるため、今後は規制監督制度の強化が見込まれます。

それを考えさせられる事例が20181月にアメリカと韓国の間で起きました。

取引所でビットコインを購入して、韓国の取引所で売る行為が2017年末から2018年初めにかけて一時的に50%近い利益を出して、注目を集めました。

「キムチ・プレミアム」ともいわれた、この現象にはアメリカのビットコインの供給と韓国におけるビットコインの需要が大きな差が生じ、ここに着目したアービトラージ取引が増加したことがブルームバーグ誌などの経済紙で指摘されてきました。

韓国において、ビットコインの需要が強い一方で、ビットコインの供給が間に合っていないことで、アービトラージが生じやすい環境にあるといえます。

ただし、この事態を受けて、アメリカ国内の仮想通貨取引所で韓国の仮想通貨取引所との取引を停止する措置がとられるなどして、ビットコイン市場の安定化がすすめられました。

https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-01-09/bitcoin-s-43-arbitrage-trade-is-a-lot-tougher-than-it-looks

また、韓国政府では仮想通貨アービトラージに対する規制監督制度の見直しが進められることが予想されます。

仮想通貨アービトラージを国外で行う行為が増える中で、各国においても、市場の安定化のための規制監督制度が今後強化されはするものの、まだまだ時間がかかると思われます。

というのも、仮想通貨以外でも、通常の為替取引における規制監督制度の実態をみていると、アービトラージによる市場の混乱が問題視された2008年以降の国際的な動向をみても、まだほとんど対策が取られていないのが現状です。

仮想通貨アービトラージにかかる税金

仮想通貨に関する課税は、近年徐々に強化されつつあります。

2017年から法律上、仮想通貨を通常の通貨と同等に定義され、仮想通貨によって得た利益は、「雑所得」として所得税法によって課税対象となります。

注意するべき点は、仮想通貨の取引で生じた損益は確定申告で申告する必要があります。

つまり、確定申告をしなかった場合「追徴課税」という非常に痛い出費が生じてしまいます。

ただし、申告すると得になるのが仮想通貨アービトラージを通じて生じた損出を申告するとあります。

損出が出た場合、これを申告しておくと、繰越控除によって、申告してから3年間は損益を相殺して節税することができます。

つまり、昨年は大損して、翌年以降に利益が大幅に増えた場合、翌年以降の利益に課税される所得税を節約するためにも、損出は申告しておいた方がいいでしょう。

まだまだこれからの投資手法

仮想通貨を一つの取引所から、別の取引所に送金して売買することで儲けを得る仮想通貨アービトラージ。

まだ、マイナーな市場ではありますが、仮想通貨アービトラージを円滑に行うための仮想通貨アービトラージ自動ツールや売買ツールが開発されて、利便性が高まってきています。

国内だけでなく、海外も視野にいれて取引を行えば、利益も期待できますが、今後は法改正や規制監督制度の強化も考えられます。

非常に優れた投資手法なのですが、規制のリスクとは常に隣り合わせなのです。

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