仮想通貨

Factom(ファクトム)とは。セキュリティ問題を解決する期待の仮想通貨

ビットコインの脆弱性を解決する仮想通貨「Factom」

ビットコイン高騰の影響により金融業界を始めとした各業界で、仮想通貨バブルの熱気が高まりつつある今日ですが、その一方で盗難・流出事件が多発し、仮想通貨における最大のデメリットである「セキュリティの脆弱さ」が浮き彫りになっています。

2018126日には、巨額の仮想通貨NEMが不正流出するという「コインチェック流出事件」が発生し、世間を震撼させました。被害総額は日本円換算で億単位に及ぶ大損害であり、未だ話題の冷めやらぬ大規模な流出事件です。

以前にも、このような流出事件がありました。当時はまだ仮想通貨の人気が爆発する前であったため、さほど話題にも上りませんでしたが、当時の金融業界を不安に陥れ、世間一般に「仮想通貨は危険」という認識を植え付けた忌わしい事件です。

2014224日、取引所に預けられていた仮想通貨が消失するという、「Mt.GOX破綻事件」が発生。年月が経過した今も真相・真犯人が発覚しておらず、裁判が続いています。

保護環境の整備が甘くハッキング攻撃への耐性がほぼ皆無な仮想通貨は、セキュリティの甘さに目を付けた不正トレーダー達によって、日々狙われ続けています。

取引所の管理環境だけでなく、仮想通貨そのものの信用度が落ちている中、それらの問題を解決すると期待され、ある仮想通貨が注目を浴びています。

その仮想通貨こそが、今回取り上げる「factom」です。事件発生による取引所の破綻やレートの大暴落などの不安要素が拭えない、仮想通貨の現状。Factomは、その状況を打開する可能性を秘めているのです。

Factomは厳密には仮想通貨ではなくサービスの名称

factom」とは、証券や保険の契約記録など、機密文書や重要記録をブロックチェーン上で記録する為に開発された、分散型のデータ管理プラットフォームです。

正確には、factomはビットコインやイーサリアムといった仮想通貨の名称ではなく、書類・記録を安全に保護するための管理サービス、またはその総称ということになります。

では、仮想通貨の一種とされているのはなぜか。Factomはビットコインと同様のブロックチェーンを利用した「ビットコイン2.0」、または「ブロックチェーン2.0」と呼ばれるプラットフォームです。そのプロトコルとして、専用の仮想通貨を発行しています。

この専用の通貨は「factoid」という名称で呼ばれ、単位はFCTと記します。

 簡潔にまとめると、factomという機密文書の管理サービスを利用するために使われる、専用の仮想通貨がfactoidということになります。

「低コストながら高い保護性を持つ」Factomの特徴

fact」とは「事実」をあらわす単語で、factomという名前にはデータの改竄や偽造を防ぐ、つまり「正しい事実を管理・証明する」という意味が込められています。

factomは世界中に分散された複数のコンピューターによって、保護・管理されています。その為、保存されたデータは分散され改竄・偽造が困難になり、更には盗難や流出などの被害を防ぐことも出来ます。

更に、分散管理によって大量のデータを保管することも出来るほか、低コストかつ軽作業で手数料も安く、効率の良い管理が可能となっています。

従来の記録管理は、大量の記録が中央サーバーのみで管理する集中型でした。これは、膨大な管理コストと大量の計算処理が必要になり、非常に効率の悪い管理方法と言えます。

その上、情報を一箇所に纏めるというシステムは、そのサーバーが狙われた場合、そこに管理されている全ての情報が、ハッキング被害を受けるという危険性を孕んでいます。

factomは仮想通貨の先進積な技術によって、その問題を解決する為の管理サービスを提供しているのです。

しかし、ビットコインと同様ブロックチェーンを利用しているために、その仕様が変更された場合はfactomのブロックチェーンにも影響が及びます。システムの安全性に響く恐れのある、少々厄介な仕様です。

Factom高騰の秘密は「仮想通貨随一の信頼性」

20154月よりサービスが開始され、初めての高騰はそれから約1年後の20163月。その際には360円まで価格が上昇しました。

そして、2017年に入ると急激な高騰が起こりました。4月から6月の期間に、約4000円近い価格の上昇を記録しています。

現在は100円程度の変動に落ちていますが、再び高騰する可能性を秘めています。

上項で述べた様に、factomは高い管理性能を持つサービスです。今まで、情報管理に高コストを割いてきた企業や、患者の個人情報を取り扱う医療関係、プライバシー保護を最優先しなければならない金融関係など、様々な業界から注目を集めているのです。

「低コストかつ強度なセキュリティを持つ管理サービス」は、そうした業界にとって非常に需要が高いと言えます。そのため、factoidを求める企業は少なくないのです。

他にも、これまで問題視されてきたビットコインのブロックチェーンを利用しているにも関わらず、高いセキュリティ性能を持つという、高度なテクノロジーを証明する仮想通貨でもあり、安全性だけでなく技術の面でも関心を向けられています。

factoidの仕様上、通貨そのものも安全性が高いという、大きな強みを持っています。

factoidはハッキングへの耐性が非常に高く、その高度なセキュリティ性能は他の通貨の追随を許しません。その為、factoidは安全な購入・取引を行えるのです。

Factomが購入可能な取引所は国外のみ

日本国内でfactomに対応している取引所は少なく、取引所「コインチェック」は唯一国内で利用可能な取引所でしたが、前述したNEMの流出事件の影響によって、現在は新規登録などに制限がかけられているので、こちらの利用は非推奨です。

国外であれば対応している取引所は多いですが、一つ注意点があります。それは、日本円が使用できないという点です。

国外の取引所は、所在地で使用されている通貨や、対応している仮想通貨でないと、通貨の購入が出来ません。そのため、使用可能な通貨を、一度送金しなくてはなりません。

factomの購入には手順が必要です。国内の取引所でビットコインなど利用可能な仮想通貨を購入し、その通貨を国外の取引口座へ送金します。そして、取引所で送った通貨を受け取り、ようやく販売されているfactomを購入できます。

さほど複雑な手順ではないので、安心しましょう。しかし、海外の取引所は、ある程度の英語の読解力がないと利用が難しいので、些細な操作ミスを起こさないように気を付けましょう。

マイニングは不可。Factomには「埋蔵金となる通貨」が存在しない

factomにはマイニングという概念自体が存在しません。factomは正確なデータの管理と記録を行うサーバーに、報酬としてfactoidを支払うという仕組みになっている為、factomの仕組み自体がマイニング、と捉えることも出来ます。

マイニングとは、「ネットワークの中に埋められた未発行の通貨を、計算処理によって掘り出し、その報酬を獲得する作業」です。そもそも、factoidには発行上限が設けられていない為、掘り起こす通貨自体が存在しません。

データの改竄を防ぐ目的で利用されているfactomは、サーバーが常に不正の有無を監視しています。記録の整合性・正当性を与えるマイニングの作業を、わざわざマイナーを募ってまで行う必要性が無いのです。

factomはマイニングによって獲得することは不可能であるということを、押さえておきましょう。

最大のデメリットはFactomに対応しているウォレットの数

factomを利用する上で最大のデメリットがあります。それは「保管の方法が制限されている」ということです。現在、factoidに対応しているウォレットの数は非常に少ないです。

日本語に対応しているウォレットや、国内で使用できるウォレットが存在せず、Coincheckが使用非推奨ということもあり、預金も難しい状況です。

国内だけでなく、国外のウォレットも少ないという状況です。保管する場合は、英語対応に目を瞑って国外のウォレットを利用するか、国外の取引所に預金する他ありません。

前者はともかく、後者は明らかにリスクを伴います。二段階認証などを使用して、出来る限り被害を防ぎましょう。

factomは、通貨そのもの管理性能は高いのですが、通貨の管理環境が整備されていないという点がネックです。認知度や注目度が上がり、対応する取引所が増えれば、この問題点も改善されるでしょう。 

期待の高まるfactom。今後の将来について

冒頭で記述したように、仮想通貨はこれまで幾度もハッキング攻撃の標的となり、「Mt.GOX事件」や「Coincheck事件」など、数々の被害を被ってきました。

仮想通貨において、一番のデメリットとなるセキュリティ問題。これは切っても切り離せない、大きな課題です。

ビットコインなど、初期の段階で開発された仮想通貨のほとんどは、この問題を抱えている場合が多いです。

通貨のみならず、それを取り巻く環境も、不安視されている状況にあります。その中で、factom及びfactoidの高い性能は、徐々に評価されています。

高い機密保護を持ち、尚且つ担保のコストを軽減できるという、様々な企業のニーズに応える利便性を持つ管理サービス「factom」。

そして、そのサービスにおいて使用される仮想通貨という、今までにない仕様と特性を持って登場した「factoid」。セキュリティ問題が騒がれている今だからこそ、今後の活躍に期待されているのです。

ビットコインはもう古い、仮想通貨は次世代のステップへ進んでいる

仮想通貨バブルの最中にあるビットコインですが、その人気は衰えつつあります。他にも様々な仮想通貨やアルトコインが頭角を現し、特徴の弱い仮想通貨は次々と埋もれる運命にあります。

仮想通貨同士の競争率は激しく、通貨がそれぞれ生き残るためには、優れた性能が求められています。

取引・契約の自動化システム「スマートコントラクト」により優れた管理性能を持つイーサリアム、コストと送金時間の削減によって強い賛同者を獲得してきたリップル、ビットコインの4分の1に短縮された承認速度によって利便性の向上を果たしたライトコインなど、

先進的な技術によって生み出された仮想通貨が、表舞台に立つようになりました。

仮想通貨を取り巻く状況は、刻々と変化しつつあります。Factomだけでなく、後発の仮想通貨は、初期の仮想通貨にあった課題を克服しつつあります。

セキュリティ問題が取り上げられている今の状況も、時代の流れによって、別の課題に取って代わられているはずです。レートの変動だけでなく、その時の状況とニーズを踏まえて、仮想通貨を選択する判断力が求められているのです。

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