ビットコイン

ETF(上場投資信託)とは?仮想通貨の上場により機関投資家の参入なるか

ETF(上場投資信託)とは?


ETFとは“Exchange Traded Funds”の略で、上場投資信託と呼ばれる金融商品です。

ETFは株式や債券、通貨、コモディティなどに分散的に投資して運用する金融商品であり、日経平均株価やTOPIX、S&P 500やNYダウなどといった代表的な株価指数に連動した運用成果を目指します。

なお、その代表的な指標であるS&P 500は下記チャートの通り、リーマンショック後から現在にかけてのおよそ10年で綺麗な右肩上がりの成長を魅せています。

このように、分散投資は長期的に個別銘柄よりも安定的にリターンを得られると言われており、ETFではそういった分散投資で長期的に運用して行くのに最適な金融商品です。

なお、投資信託にも「インデックスファンド」と呼ばれる商品があり、代表的な指数に連動する性質を持つ点はETFと同じですが、ETFは一般的な非上場の投資信託とは違って証券取引所に上場しています。

また、ETFはそれによって「投資信託に比べてコストを安くできる」「少額で投資が可能となる」「取引所に上場しているのでリアルタイムで値動きを確認出来る」といったメリットがあります。

アメリカで進む「ビットコインETF」上場への動き

さて、そんなETFに準じた「ビットコインETF」の申請が昨年からアメリカで相次いでいました。

ビットコインETFとは、上述したETFにビットコインが投資対象に含まれている上場投資信託のことです。

つまり、ビットコインETFが上場されると既存の証券取引所にビットコインが証券に組み込まれて上場される事となり、間接的に仮想通貨取引所ではなく証券取引所でそれを売買できるようになります。

ビットコインは昨年の2017年の12月にシカゴ・オプション取引所(CBOE)やシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)といった連邦政府公認の先物取引所で上場を果たしていますが、その後、先物上場に続いてこの先物ベースのビットコインのETFがアメリカに上場するかもしれないといったトピックが上がっていたのです。

しかし、果たしてそれは本当に上場されるのでしょうか。

ビットコインETF上場を巡る米証券取引委員会(SEC)の対応

ビットコインがETFで売買できるようになれば、株式市場からビットコインを購入することができます。

なので仮想通貨の取引所からではなく、証券取引所から証券口座を使って取引できるようになり、ビットコインへの参入の敷居が低くなるという期待がされていました。
よってこれはビットコインにとってポジティブな材料となっていたのです。

このようなビットコインETF上場のトピックは昨年から話題となっており、上述のようにいくつかの業者が米証券取引委員会(SEC)に上場の申請を出していたのです。
例えば、アメリカの著名な投資家であるウィンクルボス兄弟は、当時からビットコインで億万長者になっており、2014年にビットコインETFの組成を考案していました。

仮想通貨で億万長者になったウィンクルボス兄弟の軌跡と野望を紐解く仮想通貨で億万長者に仲間入りしたウィンクルボス兄弟仮想通貨元年の2017年、「億り人」と呼ばれる人が続々と誕生した年になりました...

それが「Winklevoss Bitcoin Trust」というスキームでしたが、SECはビットコインETFの承認を許しませんでした。

なぜならSECとしては、簡単に詐欺や価格操作をされては困るからです。

他にもたくさんの資産運用会社がビットコインETFの上場を申請しましたが、それはSECに中々受け入れられなかったのです。

ETFの歴史から見る仮想通貨のETF上場についての考察

ETFの歴史

そもそもETFはまだまだ歴史が浅く、直近およそ20年で成長した金融商品です。

当時ニューヨークでは株の大暴落がありましたが、暴落によって市場が歪みを見せた時、トレーダーが先物取引と現物取引とのアービトラージをしたり、銘柄をまとめて購入するバスケット取引をしたりといったリスクヘッジ方法としてETFは利用されていたのです。

つまり、複数の銘柄を上場された1銘柄のみで売買できるようにしたのがETFで、機関投資家向けのトレーディングのツールとなっていました。

そのETFは基本的に株式市場のインデックスに合わせた指標で形成されており、ファンドマネージャー不在の外部化されたものなのでコストが安く済みます。ここがETFの購入コストが安くなっている理由です。

なので、最近では低コストでグローバルに、かつ長期で資産運用をする人向けのインデックス・ファンドとして売り出されている傾向にあります。

ETFの上場審査について

そもそも、ビットコイン以前にどういった金融商品が証券市場で上場を果たすことができるのでしょうか?

例えば日本での証券市場では、上場株式に入念な審査があり、株主数や流通株式、時価総額や純資産の額まで、きっちりと審査します。

これは日本の証券取引所での基準はJPXの上場審査基準に記載しています。

そして、ここで仮想通貨を考えてみたいのですが、突然市場に馴染みのないビットコインを主とした仮想通貨が上場されるということは中々急には受け入れ難いものであることには間違い無いでしょう。

なので、もし既存の証券取引所に商品が上場されるとすれば、厳格な上場審査を経る必要があるでしょうし、簡単にそれは認められないでしょう。

それでも仮想通貨のETF(上場投資信託)上場への期待が高まる

ベンチャー企業が運営する既存の仮想通貨市場

2017年以降仮想通貨市場への参加者は日々拡大してきましたが、市場参加者の属性は個人投資家がほとんどであり、顧客から拠出された資金を運用する機関投資家はほとんど参入していませんでした。

仮想通貨の取引所はここ最近グローバルに増加しており、仮想通貨・ブロックチェーン産業の盛り上がりも途絶える所を知りません。

ですが既存の仮想通貨取引所に関しては、ベンチャー企業の展開するサービスが大半であり、大口の運用を行う機関投資家にとってはそれらは信頼に欠けてしまうのです。

2018年1月にはコインチェックが盗難被害に遭ったのが最近では大きな例ですが、そういった仮想通貨に関するサイバー攻撃による被害額は2018年で1,000億円以上にも及びます。

機関投資家の参入の為には勿論信頼出来る市場が必要であり、上述したような簡単にハッキングされるような取引所に顧客の大事な資金を預けるわけにもいきません。

仮想通貨が金融市場に上場するメリット

そこで、市場参加者にとっては既存の金融市場にビットコインを主とする仮想通貨の上場される事がメリットにもなると考えられているのです。

それは仮想通貨が金融市場に上場する事によって機関投資からの信頼が上がり、その通貨の流動性が高まる可能性が大いにあるので、主要通貨の透明性と信頼性が高まり、長期的な価値向上にも繋がるからです。

また、金融市場に上場すれば個人投資家も個別に銘柄を買い合わせていくのではなく、複数の商品をパッケージ化した仮想通貨ETFを購入することもできるでしょう。

そして、仮想通貨が仮に「金融商品」と見なされれば、税率の面も変わってくるでしょうし、分離課税となれば株式の運用益との損益通算も可能となるでしょう。

なので、個人投資家、機関投資家共に資産運用の幅が広がってくるのではないかと筆者は考えています。

仮想通貨ETFの上場に関するトピック

では、実際に仮想通貨のETFに関するトピックをいくつか見ていきます。

ヨーロッパのETFファンドが仮想通貨業界へ

オランダのアムステルダムに拠点を置くヨーロッパ最大のETFファンド「フロー・トレーダーズNV」は仮想通貨業界に参入し、ビットコインやイーサリアムをベースとした「ETN(上場投資証券)」での売買を行うとされています。

ETNは”Exchange Traded Note”の略であり、その裏付けとなる資産を保有せずに、発行体がその指数との連動を保証する金融商品です。

同ファンドのCEOであるデニス・ダイクストラ氏は機関投資家の興味を察知してこの市場の大きさと将来性を高く買っており、既に先物取引を使った仮想通貨トレードでリターンを出しているとされています。

Huobiが仮想通貨ベースのETFを開始

大手仮想通貨取引所であるHuobiは、仮想通貨ベースのETFを開始しました。

同ETFは「Huobi 10」と呼ばれ、独自でローンチしたマーケット市場に基づく指標を用いて仮想通貨上位10種類をリアルタイムに追跡し、アセットを組み替えます。

これによって仮想通貨に対する分散投資をする事ができ、ETFの特徴を活かして指標に沿った投資が可能となります。

このように仮想通貨ETFの組成の動きは進んでおり、今後規制当局から金融商品として本当に認められるのかに注目でしょう。

仮想通貨のETFは今後上場され、機関投資家から買われるのか

顧客優先原則をどう捉えるか

以上、今後もしビットコインがETFが上場するとすれば「価格が上がるようになるのか」という予想ですが、上場されたからといって大口の機関投資家がこぞってビットコインに投入するのは必ずしも考え難いのではないかという見方も出来ます。

なぜなら機関投資家は「顧客優先原則」という大切な倫理のもとで投資家から預かった資金を運用しているからです。

そんな中でビットコインへの投資が正当化されなければなりませんから、すぐすぐに上場されたETFに投資されるかどうかは少し疑問に思う所です。

なお、それでも本当にビットコインを買いたければ私募で規制を受けないヘッジファンドで勝手に好きなだけ買えば良いのです。

実際にETFに上場するとすれば運用会社によって大量の買いが入ることは見込めそうですが、その買いが全体の価格にどれだけ影響するのかもわかりませんし、規模が膨らめばどんどんボラティリティは下がっていきます。

金に変わるアセットとなるのか

しかし、米ブルームバーグの報道によると、ETF関連企業「インサイドETFs」の元CEOマット・ボーガン氏は以下のように述べています。

「3兆ドル(約323兆円)の市場規模がある金のようにそれぞれの利用法を考えると、ビットコインは新世紀の金だ。数兆ドルの機会がある」

ビットコインは昨年の2017年から2018年初までの1年でおよそ14倍に成長しました。

引用:coin market cap

今年の2018年に入ってその価格は下落していますが、マット・ボーガン氏の言うように実際に金の市場規模のようになれば、当然ビットコインに対する見方も変わってくるでしょう。

現在のビットコインを主とした仮想通貨に対する見方は様々ですが、その見解が変われば前言撤回で証券取引所に上場するような投資対象として、すぐに正当化されるかもしれません。

関連記事