ビットコイン(Bitcoin/BTC)

仮想通貨が創るトークンエコノミーとは?新たな経済圏の今後を考察

仮想通貨によってトークンエコノミーの時代が始まる

昨今、ブロックチェーン技術を駆使した仮想通貨は「投機」のフェーズから「実用化」のフェーズへとシフトしつつあり、ビットコインからイーサリアムへ、そして次々と優秀な開発者による「独自の仮想通貨トークン」が誕生しています。

昨今のICOやイーサリアムをベースとした分散型アプリケーション(Dapps)では、そこで生み出された独自のトークンを利用してコミュニティ内のサービスを受けることができたり、自ら経済活動を行えるようになっています。

例えば、ブロックチェーンSNSとしてICOに成功した「Steem」では「STEEM」という独自トークンを使って記事を投稿してマネタイズしたり、ユーザーの有益な情報を閲覧することができたりします。

また、「イーサエモン」というブロックチェーンゲームのDappsでは「EMONT」という独自トークンを使うことでモンスターを育てたり、対戦したりすることができ、さらにモンスターを売却することでお金を稼ぐこともできます。

このように、ブロックチェーン上の独自トークンを使うことでそれぞれで経済が成り立ってしまうのです。

他にも仮想通貨を使ったエコシステムは多く存在していますが、これらを仮想通貨によって創られる「トークンエコノミー」と定義するとします。

それには将来の経済モデルや仕事の在り方までを変えてしまうインパクトがあるのです。

では、以下よりそんなトークンエコノミーについて、特徴や自身の考察を述べていきます。

トークンエコノミーはブロックチェーンによって全ての価値を数値化させる

トークンエコノミーの世界では、今後あらゆるモノや人間の価値がトークンを通じて数値化されるようになると筆者は考えています。

世界各国の社会や組織には、数値化できない潜在的価値を持つ個人やコミュニティがたくさんあります。

例えば、YouTuberと呼ばれる人達がなぜYouTubeを仕事に出来ているのかというと、YouTubeでマネタイズが出来るようになったからです。

ですが、YouTubeでマネタイズができなかった時代はそれが「趣味」もしくは「ただの特技」という潜在的な価値だったわけです。

YouTubeはトークンエコノミーではありませんが、これに「トークン」という通貨的価値のあるものを流通させると、もっとそのクリエイターの価値が数値化されると考えています。

例えば他にも、宗教などではどうでしょうか。

そこでは、皆がその思想に共感しコミュニティに何らかの価値を感じているはずです。

そのコミュニティ内で「トークン」が流通すれば、コミュニティの価値が見える化され、皆がトークンの価値向上に向かって動き出すかもしれません。

このように、本来は経済として成り立たないことであっても「通貨的価値」のあるものを流通させることでエコシステムを作ることが可能なのです。

これが筆者の考えるトークンエコノミーです。

これらについては、メタップスのCEOである佐藤航陽著の「お金2.0」でも詳しく述べられています。

トークンエコノミー法によって全ては動く

仮想通貨とは元々関係無く「トークンエコノミー法」という言葉がありますが、これは代理貨幣であるトークンによって何らかの報酬を与えることで、行動のインセンティブを高める方法のことです。

この方法はビジネスだけではなく幼児の教育などでも用いられており、個人がより望ましい行動を起こす為の心理学的効果を働かせます。

そもそも人は、インセンティブなしでは動けません。

ですが既存の経済には正しいインセンティブ設計がされていないことが大半なのです。

例えばアルバイトの時給労働であれば、どれだけ仕事で価値貢献してもわかりやすい金銭的報酬はほぼ一定で、昇給も緻密に繰り返し行われるわけではありません。

よって時給労働で金銭的インセンティブを感じながら働くことは難しいでしょう。

それに既存のSNSであれば、ユーザー側の金銭的インセンティブはほぼなく、運営側とユーザー側とでは方向性が全く異なります。

なのでユーザーは自分のインセンティブになる活用方法でSNSを使っています。

人々の行動の起爆剤は全てインセンティブによるものであり、この設計によって人は動き、それが経済となっていくのです。

トークンエコノミーは日常の決済時にも潜んでいる

トークンエコノミーは仮想通貨以外にも日常の決済時やサービスの利用時に潜んでいます。

例えば、楽天ポイントやTポイント会員などもトークンエコノミーと言えるでしょう。

これらには全てユーザーの行動を強化する為にインセンティブ設計がされており、ポイントを付与することでよりそのサービスや商品をお得に購入することができます。

そして既存の仮想通貨でもそれに似た設計のトークンがあります。

例えば、世界最大規模の取引所BinanceはBNBトークンを発行しており、これを保有することによって取引手数料がディスカウントされたり、上場銘柄の投票に参加したりすることができます。

他には同じ大手の取引所HuobiなどがHuobiトークン(HT)を発行しており、一定数保有していると同じく取引手数料のディスカウントが受けられます。

このように、トークンを通じてそのモノやサービスに興味を持つ人が増え、価値のやりとりが増えることで経済が成立する点はいずれも共通しています。

ビットコインこそが最初のトークンエコノミー

仮想通貨によるトークンエコノミーを初めて作ったのはビットコインと言って良いでしょう。

ビットコインはゼロの状態から今は時価総額が10兆円を超えるまでに成長しました。

ビットコインがなぜこんなにも大規模になったのかと言うと、そこにはビットコインに関与することで経済的インセンティブを受けられると考えた投資家やマイナー達が大勢集まったからです。

ビットコインでは、ビットコイン・コミュニティの為の「ビットコイン・フォーラム」という掲示板がありますし、「Meetup」を使えばビットコイン好きな人同士が集まるイベントにも参加することができます。

トークンエコノミーでは、今まで顔も見たことのないような人達が心を一つにし、同じ方向を向いて協力し合うことができるのです。

これらは全てコミュニティとして機能しており、そのコミュニティの価値を数値化したものが「BTC」という通貨なのです。

小さなコミュニティが独自トークンを発行し新たな経済圏を生む

以上がトークンエコノミーについてでしたが、筆者がトークンエコノミーを作り出す為の必須だと考える条件は以下の3つです。

1、不正ができない共通したルールがあること。

2、コミュニティ内で誰もが共有できる思想があること。

3、コミュニティ内で共通した価値ある通貨があること。

この3つが満たされていれば、トークンエコノミーを創り出すことが可能なのではないでしょうか。

例えば、日本産の仮想通貨「モナコイン」は、2ちゃんねるが大好きなコミュニティの潜在価値を数値化し、その後通貨の価値を数百倍へと膨らませました。

そのコミュニティには、まさに上の3つの条件が揃っており、モナコインはトークンエコノミーのロールモデルではないかと筆者は考えています。

最近では、イーサリアムにNEMやWavesといったプラットフォーム系の仮想通貨を使うことで、誰でもトークンを発行することができます。

今後ブロックチェーンによってそれぞれの規模は小さくとも、個人個人が活躍できる経済圏が生まれていくのではないかと予想しています。