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仮想通貨リップル(XRP)がもたらす価値のインターネット化と金融革命

国際送金に革命を起こすリップル(XRP)とは?

リップル(Ripple)とは、ブロックチェーンを使って国際送金に革命を起こそうとしているプロジェクトであり、銀行間をその独自のブロックチェーンネットワークで結ぶことで、国際送金を安価にかつ迅速に行うことができるインフラ作りをしています。

既存の国際送金市場では、複雑かつ割高な送金コストで着金までかなりの時間がかかってしまうという問題点があります。

銀行はその参入障壁の高さと強固な法規制によって既得権益を守り続けており、現在の送金システムは長年に渡って変化しておらず、まるでイノベーションが動いていません。

そこで国際送金の分野でイノベーションを起こそうとしているのが「リップル」であり、そのリップルのプロジェクトで使われる「デジタルアセット」が現在仮想通貨市場で3位の「XRP」です。

では、まず既存の国際送金の現状や問題点を簡単に洗い出し、それを踏まえた上で仮想通貨XRPの特徴や可能性を解説していきます。

国際送金の現状と仕組み

コルレス銀行を経由する国際送金

現状の国際送金においては、各銀行間同士預金口座を開設して個別に資金の受払いをする必要がありますが、この預金口座のことを「コルレス銀行」といいます。

国際送金において通貨間の中継地点にはこのコルレス銀行を経由する必要があるのですが、お互いにコルレス銀行の口座を開設して送金するのが一般的となっており互いに「コルレス契約」を結びます。

なお、コルレス銀行の間で行われる送金メッセージの通信部分をSWIFT(スイフト)という非営利団体が担っており、金融機関向けに通信サービスを提供しています。

このSWIFTが世界200カ国以上の1万を超える金融機関の国際送金を結んでいるお陰でネットワークが成り立ち、世界中に資金を送ることが可能になるのです。

国際送金のケーススタディ

さて、ではこのコルレス銀行を通じた国際送金の例を見て行きましょう。

まず送金銀行と受取銀行があるのですが、互いにコルレス関係のあるA行とB行が契約を結ぶとします。

そしてA行の顧客C社がB行の顧客D社へ送金するケースを考えると、以下の図のようになります。

このように、A銀行の顧客C社はA銀行に送金手数料を払い送金依頼を出し、B銀行の顧客D社の指定口座まで入金されます。

続いてA銀行とB銀行が互いにコルレス関係を締結していない場合を見ていきます。

この場合だと新たに中継銀行が介在され、A行とB行それぞれとコルレス関係を結ぶこととなりますが、具体的には以下の図のような座組みとなります。

送金銀行と受取銀行の間に中継銀行を置き、中継銀行は両行の仲介をします。

このように、送金先によっては中継銀行を経由しないといけないケースも発生し、国際送金の間に何行もの銀行が経由されてしまうのです。

そして、このような仕組みはおよそ40年前から変わらず続いています。

既存の国際送金の問題点

このようなグローバルな金融市場において国境を超えた支払いを「クロスボーダー・ペイメント」と呼びますがこれには大きく2つの問題点があります。

1.手数料コスト

まず問題点としてあげられるのが割高な手数料です。

この送金手数料は上述したように、複数の銀行が送金プロセスに介在する為に多く上乗せされているのです。

さらにこの手数料は経由する銀行によって変動し、いくらになるのかが不透明です。

特に不満が募るのが個人間の国際送金で、グローバルな送金市場では何十兆円ものお金が流通していますが、その中から多額の送金コストが銀行の懐へ手数料として入れられてしまっています。

世界には出稼ぎ労働者として海外で稼ぎ、自国へ何度も送金する人がたくさんいますが、このように毎回大きなコストが掛かってしまっていては不便極まりないでしょう。

2.送金時間の遅さ

さらに着金が遅く、多額の手数料が掛かってしまうという何とも時代遅れな問題点もあります。

インターネットによる情報はグローバルに秒速で伝達されるにもかかわらず、「お金」の伝達は何日も掛かってしまいます。

それは送金プロセスにおいて経由銀行を複数跨ぐ必要がある為です。

なお、世界の銀行は時差によって営業時間がそれぞれ異なっています。

なので何度も細かい確認をした後に時差も考慮して送金が完了するのを待たなくてはならないのです。

国際送金の問題解決に出たリップル

このように、グローバルな送金市場は国ごとの様々な問題や制約があり、中々簡単に覆されることはありませんでした。

銀行がこのように長年形を変えないのは「ガバナンス」が大きな理由であり、「信頼」を売りにしている銀行にとっては大きなリスクをとれないからです。

いや、大きなリスクを取る必要性すらあまりないのです。

ですが、インターネットが進化し続けているにも関わらずここ40年間全くもって進歩していないこの国際送金のインフラを変えようと、プログラマーのRyan Fuggerは決済プロトコル「リップル」を誕生させました。

後にその革新的なリップルプロトコルは、リップル社の創業者であるクリスラーセン氏に譲渡され、現在はそのリップル社が「リップル・ネットワーク」の開発を手がけています。

このリップル社や、リップル社と日本のSBIホールディングスとのジョイントベンチャーであるSBI Ripple Asiaらが現在「国際送金の問題」を解決に向けて全力で動き出しているのです。

では、リップル・ネットワークの中でも重要なデジタルアセットであるXRPについてを解説していきます。

仮想通貨XRPの概要

リップルがもたらす価値のインターネット化(IoV)

リップルネットワーク内の独自通貨「XRP」は安価で迅速な国際送金を実現させる為のデジタルアセットです。

現在インターネット技術では情報や写真、動画などをグローバルに共有することができますが、「お金」はそのように瞬時に共有できず、全くもってインターネット化がされていません。

ですが、リップルネットワークではブロックチェーン技術を使うことで銀行同士が直接分散台帳で情報を共有できるようになり、複雑な仲介を省いて即座に送金が可能になります。

これによって上で述べた国際送金の問題を解決し、お金をインターネットの情報のように瞬時に低コストで送れるようになります。

これがリップルの提唱する「価値のインターネット化(IoV)Internet of Value」です。

XRPはブリッジ通貨

このXRPはブロックチェーン技術を使って世界各国の通貨を繋ぐ「ブリッジ通貨」としての役割を担います。

上記の図のように、送金における通貨ペアのハブ機能をXRPが担うことで中間銀行との取引を省き、コストを削減することができます。

これは空港や言語翻訳で用いられる「ハブアンドスポーク型」と同じです。

言語翻訳でも、異なる言語ペアの翻訳で間に介在しているのが「英語」なのです。

このように、XRPは異なる通貨間の橋渡しの為のブリッジ通貨として機能します。

XRPの発行枚数

このXRPは発行上限が1,000億XRPとされており、それらは全て既に発行済みです。

そのうち市場に出回っているのは37%で、残りの63%はリップル社が保有しています。

ですが、63%も保有されていては市場参加者にとっては「大量に売却される」という懸念があります。

そこでリップル社側は保有分のXRPを売却するという恐れを解消する為に「ロックアップ」という方法で、リップル社保有分のXRPを売却できないように鍵をかけました。

とは言っても、実際保有文を売却するとなるとリップル社の信頼が損なわれる可能性があるので、ユーザーと一緒に価値向上に努めた方が長期的観点で見ると合理的と言えるでしょう。

複数の金融機関が参加するリップルネットワーク

リップルの革新的ソリューション技術は、世界の金融機関を始め日本の金融機関も着目するようになりました。

日本のSBI Ripple Asiaは日本で「内外為替一元化コンソーシアム」というスキームを立ち上げ、リップルネットワークを使ったより高度な送金インフラの実現を目指しています。

そのコンソーシアムには60を超える金融機関が参加しており、中には大手のメガバンクも含まれています。

そのような各銀行がリップルを採用するメリットは主に3つあり、それが以下です。

・国際送金コストの削減

・送金スピードの向上

・24時間送金が可能

引用:http://www.sbigroup.co.jp/f

特に送金コストの部分には「為替スプレッドコスト」や「管理コスト」などがありますが、それらの負担がリップルを採用することによって大幅に削減されます。

リップル(XRP)が購入できる取引所

引用:https://coinmarketcap.com/currencies/ripple/#markets

上記の画面のように、XRPが購入できる取引所は主に日本だとbitbank、海外だとBinanceです。

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日本のbitbankでは日本でよくある「販売所形式」ではなく「取引所形式」でXRPを購入でき、手数料も比較的安価です。

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なお、XRPは韓国ウォンでの流入が多く、CryptoCompareを見ると全体のおよそ40%以上が韓国ウォンで取引されています。

リップル(XRP)を保管する為の便利なウォレット

以下、リップルの保管に便利なウォレットを紹介します。

Toast Wallet!

引用:https://toastwallet.com/

Toast Walletはスマホアプリで利用できるリップル専用のWEBウォレットです。こちらは頻繁にXRPを利用するユーザーにとって高い利便性があります。

ただ、ホットウォレットの為ハードウォレットとは相対的にセキュリティ性能が落ちてしまうというデメリットもあるので自身の用途とのバランスを見て検討しましょう。

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Ledger Nano S

引用:https://hardwarewallet-japan.com/

大口のXRPを厳重に保管する場合はハードウォレットであるLedger Nano Sがおすすめです。

値段はやや割高ですが、取り扱いの通貨数も20種類を超えており、多くの店で売り切れが続出する程の人気のハードウォレットです。

XRPに将来の可能性を感じ、長期投資を前提に持っておきたい場合はこのLedger Nano Sに保管しておくのが良いでしょう。

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2018年のニュースから見るリップルの今後

今年の2018年3月、日本の住信SBIネット銀行がリップルのブロックチェーンを駆使した個人間少額送金のサービス「Money Tap」の開始予定を発表しました。

現時点では住信SBIネット、スルガ、りそなの3銀行が対応すると発表されていますが、これも今後対応銀行が増えればよりユーザーにとっての便益が見込めます。

なお、送金アプリケーションのローンチは今秋となる見通しですが、これによってブロックチェーンを用いた銀行間のクロスボーダー取引が一般消費者まで当たり前に普及するかも知れません。

このように、XRPは事実ベースで企業の導入や実証実験に関するニュースが多いことから他の通貨よりも「実用化フェーズ」に近づいているのではないでしょうか。

投資的観点で見ると、実用化に向けたファクトが何よりも重要な材料になります。

ホワイトペーパーやロードマップなどはあくまで「空想」であり、それが何かファクトを生み出しているとは言えません。

他のアルトコインでは期待値ベースで話しがされていることが多く、実用的な事実がなければ全く意味がないのです。

通貨の技術的な話しやアップデートに関する情報は確かに大切なのですが、本質的な部分はやはり私達ユーザーに便益をもたらすファクトでしょう。

リップル(XRP)の今後の可能性

XRPの潜在能力は1千兆円越え?

以上がXRPに関する解説でしたが、そのXRPの将来性は国際送金という大規模なマーケット環境にあります。

現状、全世界の貿易額は推定1,500兆円となっています。(※参考:JETRO)

この国際的なマーケットにXRPが仮に全て流通するとなると、1,500兆円規模の時価総額となり、理論上1,500兆円÷1,000億XRPにより1XRP=15,000円となります。

これで考えると、XRPのシェアが貿易市場の10%のシェアとなっても1XRP=1,500円と試算することができますね。

これは単純な試算ですが、仮にXRPがドルを代案する基軸通貨になるとすればこのくらいの数字になってもおかしくないはずです。

このようにグローバルな送金市場を狙うXRPは、金融という大規模な市場をリップルという一つのプラットフォームへ集約できる可能性を秘めているのです。

金融業界は信頼こそが全て

そしてなんと言っても、リップルの強みは数々の銀行をジョインさせた政治力にあります。

おそらく、国際送金を狙った競合は他にも当然出てくると思いますが、リップル社という強い中央管理者の存在、資金力、そして政治力は何よりも大きな武器です。

既存の銀行システムを見るとわかるように、この世界では必ずしも全てが合理的で回っているものでもないように見えます。

でなければ、同じシステムを40年間も使わないでしょう。

銀行は全てが「信頼」で成り立っています。

なので、どれだけ高性能の送金ソリューションが出てきても、そこらの名も知れぬスタートアップであれば世界の銀行が相手にしてくれるどうかもわかりません。

その点、慎重な銀行を動かさせたリップルの営業と政治力はやはり強いと言えるのです。