仮想通貨

P2P(ピアツーピア)とは。仮想通貨にも利用される仕組みとその実例

p2p」って何か。その仕組みは

p2pという言葉を見たことがあるでしょうか?一見、ただの記号のように見えますが、実はものすごいシステムのことを表す言葉なのです。今回の記事ではp2pの仕組みや、実際に利用されている事例、そしてp2pがもたらすメリットとデメリットについてご紹介します。

「p2p」の仕組みとメリット

p2pとは「peer-to-peer」(ピアツーピア)の略で、ネットワークの形態を表すIT用語です。「peer」というのは「同格、同等」という意味を持ち、インターネット上で特定のサーバーを介さずユーザーとユーザー(端末と端末)が直接つながることができる、データの送受信を行うことができる、という仕組みなのです。

たとえばメールの送受信の場合にはメールサーバーを介さないとお互いに送受信ができませんが、p2pネットワークを利用すると、メールサーバーのような”アクセスをひとつに集中させて管理する”という存在が不要となります。これを「非中央集権型」といいます。

この言葉、どこかで聞いたことがありませんか?そうです。多くの仮想通貨も非中央集権型を取っているため、銀行というサーバーを介さずともユーザー同士の送受金が可能なのです。

このp2p、実は私たちのとても身近なところですでに利用されています。例えば、LINEとか、Skypeとか、メッセンジャーの類が代表的な例です。p2pは中央で管理するための巨大なサーバーを必要としないため莫大な維持費や管理費などを必要とせず、無料で提供されることが可能となっているのです。その上、サーバーを介さずに直接のデータのやりとりとなるので、「通信速度も速くなる」ということに結びつきます。

「p2p」のリスクとデメリット

p2pネットワーク、つまり管理者が間に入らない当事者同士の通信というのは、メリットばかりではありません。たとえばこのp2pを利用したファイル共有ソフトによって、映画や音楽、画像やゲーム、ソフトウェアなどの著作物が不正にやりとりされるということが可能になってしまいました。俗に言う「違法ダウンロード」というものがそれに当たります。

また、安全性にも少なからず懸念が持たれます。たとえばウイルスの混入したファイルを受け取ってしまったり、自分の端末から情報が流出してしまったりというリスクも考えておかなければなりません。

事実として、過去にはp2pソフトを利用したことによって個人だけではなく企業や官公庁の重要なデータが漏洩されてしまったというケースも多発しました。

p2pネットワークに流出してしまったが最後、そのデータの行き先や拡散を管理することは非常に難しくなります。サーバーを介している場合にはサーバーでストップさせることもできますが、p2pにはそれが容易ではないというデメリットがあるのです。

このようなリスクを避ける手段としては、p2p共有ソフトを極力利用しないということも挙げられます。p2pソフトとして代表的な「Winny」ではそれ特有のウイルスが混入されていたなどの事例もあります。セキュリティ対策がしっかりされているソフトもありますが、利用には注意が必要です。

「p2p」がブロックチェーンでできること

さて、上記に挙げたように、p2pネットワークには流出やハッキングのリスクがつきまといます。しかしながらその一方でp2pは、革命的な技術革新において通信を始めとする私たちの生活に合理性をもたらしてくれます。ではp2pネットワークを安全に、有効利用できる手段はないのでしょうか?その鍵はブロックチェーンにあります。

仮想通貨の肝となるブロックチェーンは、p2pネットワークを応用して作られています。そしてその名の通りチェーン(鎖)状に連なったデータブロックがp2pネットワークによって構成された多数の端末において記録されることで取引記録となります。(これを分散型台帳、分散型記帳と呼びます)さらに、”最も長く伸びているブロックチェーンを正当なブロックチェーン”とするというルールも設けられているのです。

これが何を意味するのかというと、ブロックチェーンの途中で悪意をもった人物がデータの改ざんや不正をしようと試みたとしても、それがp2pネットワークの端末すべてに承認されなければ次のブロックが伸びていきません。よってそのブロックチェーンは途中で終わってしまうことになり、多数の端末によって整合性の取れた正当なブロックチェーンのみが続いていき、不正が行われたブロックの取引は実行されることがありません。

このようにp2pとブロックチェーンが組み合わさることによって、便利なp2pネットワークを安全に利用することができるのです。

「p2pが」仮想通貨に用いられる何が変わるか?

ブロックチェーンを作ったのはビットコイン

まずp2pネットワークによって、中央に管理者が不在の状態でユーザー同士の直接の通信が可能になるということは、手数料をほとんど必要としなくなり、通信速度も格段に速くなります。これまで銀行を介して送金していたものが手数料も時間もかからずにできるようになるのだとしたら、そちらを採用しない理由はないですよね。

しかしそれが成立するためにはこれまで銀行が担ってきたような「信用」が必要不可欠となります。この信用をそれぞれの取引に確保するために、ブロックチェーン技術が有効となります。

ブロックチェーン技術はp2pネットワークの仕組みを応用したものですが、ブロックチェーンの仕組みを開発し取り入れたのは仮想通貨のビットコインが世界初となります。このような革新的な仕組みを提唱したことによって、ビットコインはお金の新時代を築くものだと注目されました。今ある星の数ほどの仮想通貨は、ビットコインの仕組みを元に作られています。

イーサリアムのスマートコントラクト(自動契約)

ビットコインが仮想通貨”第一世代”と言われていて、第二世代の代表としてはイーサリアムという仮想通貨があります。イーサリアムは「スマートコントラクト(自動契約)」という技術を持っていて、これがとてもユニークです。

たとえばこれまで仲介者が必要であった証券、不動産、保険、その他あらゆる権利関係などのさまざまな契約情報をブロックチェーンに保存することができるのです。

たとえばそのブロックチェーンに保存された契約内容が実行されると、イーサリアムによって支払いが完了されるという仕組みです。これまで仲介者として第三者の承認や信用が必要であったような契約でも、仲介者なしで「公正な」契約の取引を行うことができるのです。これはp2pを最大限に有効活用した形であると言えます。

p2pがもたらす新たな価値や仕組み

中央管理者不在でユーザー同士の対等なやりとりができるp2pネットワークは、その手軽さと迅速性から、より自由な情報やお金の流通を生み出すことができるでしょう。開放的で自由である分、個人情報流出などのリスクが高まりますが、きちんと仕組みを理解しておくことで防げることもあります。情報をよく取り入れて自分自身で判断することがますます要求されていきますね。

筆者も「まさかLINEやSkypeがp2pだったとは!」と知った時には、かなりの驚きがありました。その便利さや革新的な側面を痛感しているだけに、p2pネットワークが作る今後の社会が楽しみであります。