仮想通貨

仮想通貨取引所SBIバーチャルカレンシーズの特徴や今後の展開を考察

SBIホールディングスが運営する「SBIバーチャルカレンシーズ」とは?

引用:SBIバーチャルカレンシーズ公式サイト

SBIバーチャルカレンシーズとは、総合金融機関である「SBIホールディングス」が運営する仮想通貨取引所です。

SBIホールディングスはネット証券業界No.1の口座数と預り資産を誇る「SBI証券」や、預り資産額4兆円を超える「住信SBIネット銀行」を傘下に置く国内でも大規模な金融コングロマリットです。

そんなSBIグループはネット証券とネット銀行のみでもおよそ700万口座という顧客基盤を持っている事から、SBIバーチャルカレンシーズは既存の金融ノウハウを活かした仮想通貨取引所の運営にも期待されていますが、今後はどのように展開されるのでしょうか。

では、以下よりSBIバーチャルカレンシーズの特徴や今後の展開予想を見て行きます。

SBIバーチャルカレンシーズの特徴

潜在的ユーザーを多く持つSBIグループの顧客基盤

SBIグループは「大きな顧客基盤」という資本を持っており、SBI証券や住信SBIネット銀行に加え、「SBI FXトレード」の顧客も合わせるとその数およそ800万口座に及びます。

このSBIグループの大規模な顧客基盤は後の取引所ユーザーの形成へ大きな影響をもたらすのではないでしょうか。

なお、仮想通貨交換業協会が出したレポートを見ると、国内の仮想通貨取引は20〜30代の年齢層が60%以上を占めており、50〜60代は統合しても10%程度と発表されています。

引用:仮想通貨交換業等に関する研究会 説明資料

このように仮想通貨取引に関しては20〜30代層が多いのですが、ネット証券やネット銀行のユーザーも、概ね年齢層は若いのではないでしょうか。

特にFXや証券などのユーザーは必然的に「投資に興味がある・既に投資している」もしくは「投資に関する知識がある」といったユーザーセグメントなので、仮想通貨取引に親和性がある顧客基盤だと言えるでしょう。

いずれにせよ、この大きなグループ内ユーザーは潜在顧客となる可能性が高く、両社間でシナジーを生むようなサービス設計も考えられるます。

このように、SBIグループには大きな顧客という「資本」があるのです。

仮想通貨生態系によるシナジー効果

引用:SBIホールディングス決算説明会資料

SBIバーチャルカレンシーズは、SBIグループ全体のシナジーによって互いに利便性の高いサービスが作られると予想しています。

例えば住信SBIネット銀行はSBIバーチャルカレンシーズにて即時決済ができるように既に設計されており、これによって手数料無しで瞬時に資金移動をすることが出来ます。

他にも仮想通貨生態系の中のICOプラットフォームを手掛ける関連子会社「SBI CapitalBase」では、今後有望なICOプロジェクトの取り扱いやサポートを実施していく予定であり、その有望なトークンがSBIバーチャルカレンシーズで上場されることも実現されるかもしれません。

また、投資家への情報提供サービスを提供する関連子会社「モーニングスター」は、米大手仮想通貨メディア「Coindesk」と提携しており、モーニングスターのサイト内ではCoindeskによるコンテンツが提供されています。

今後は取引所の展開と同時に投資家へのコンテンツによる情報提供も考えられます。

強固なセキュリティの構築

SBIグループの決算説明会では、同社CEOである北尾吉孝氏が「セキュリティを高め安全対策や盗難対策をやらなければならない」と発言しており、より一層セキュリティを強化する旨を発表しました。

そこでSBIバーチャルカレンシーズは香港の取引所Huobiグループと提携を交わしていましたが、突如この提携は無くなりました。

そしてNEMを580億円ハッキングされたコインチェックについて北尾氏は「カス中のカス」と発言し、そのセキュリティの甘さを指摘しました。

この発言に関しては、同じようなどこかのベンチャー企業の社長が言うのではなく、1999年の創業から顧客第一主義を徹底して貫いてきた社長が言うからこそ深みがあるのではないでしょうか。

SBIグループはシステム構築を手掛ける関連子会社「SBI Bits」を持っていますが、セキュリティ強化の為に海外企業との連携を推進しています。

引用:SBIホールディングス決算説明会資料

このようにSBIバーチャルカレンシーズは、より一層高度なセキュリティが期待出来ます。

SBIバーチャルカレンシーズの取扱い通貨は?

SBIバーチャルカレンシーズで取り扱いされるであろう銘柄はビットコイン(BTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)、リップル(XRP)、イーサリアム(ETH)だとされます。

決算説明会の北尾氏のプレゼンを聞くと、「マイナーな通貨は取り扱わず主要通貨に絞る」といった方針を示しています。

また、主要通貨に加えSBIグループ独自で発行する仮想通貨(トークン)の取り扱いも同取引所で進めていくと述べています。

ここで考えられるのがSBIバーチャルカレンシーズとSBIグループ内におけるシナジーです。

SBIグループはリップル社に投資をしており、さらにリップル社とのジョイントベンチャーであるSBI Ripple Asiaを持っているので、XRPの価値向上がグループの企業価値向上に繋がっていると言えます。

なお、過去の決算説明会でも北尾氏は「グループ総力を挙げてXRPを上げる」とも発言しており、XRPの主要な取り扱いは大いに期待出来るでしょう。

なお、グループの関連子会社である「SBI Crypto」はビットコインキャッシュのマイニングをしており、今後は海外3拠点でのマイニングも検討しています。

このようにわざわざマイニング用の会社を作ってまでビットコインキャッシュの発展に寄与しているので、XRP同様にBCHを取り扱うインセンティブは高いのではないでしょうか。

XRPが取引所形式で対日本円での取引も可能になれば、XRPの価値向上に大きく貢献するかもしれません。

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SBIバーチャルカレンシーズの口座開設が出来るのはいつ?

SBIバーチャルカレンシーズは元2017年の秋頃のサービス開始を予定していましたが、「強固なセキュリティシステムの構築を進める」ということでサービス開始が延期されました。

そして次は2018年の2月ということだったのですが、1月にコインチェック騒動もあり再びサービス開始が延期となっています。

恐らくいくらセキュリティを強化するとは言ってもタイミングは非常に重要であり、早ければ早いほど潜在顧客を取り逃がす可能性も出てきます。

筆者は今年の夏頃のサービス開始と予想していますが、またずるずると延期される可能性もあるかもしれません。

既存の金融グループが仮想通貨市場を積極的に創っていくべき

以上がSBIバーチャルカレンシーズの特徴や今後の展開予想でしたが、今年の4月に同じネット証券を手掛けるマネックスグループがコインチェック社の買収を発表しました。

マネックスグループの傘下であるマネックス証券はおよそ170万口座を誇っており、SBI同様に既存金融サービスとのシナジーが期待されます。

マネックスは証券の口座数こそはSBIに劣りますが、「コインチェック」と言った強烈なブランドネームを持つ仮想通貨取引所を構えることから、SBIバーチャルカレンシーズと共に競合として競い合う事が予想されます。

そしてSBIグループには既存の証券やネット銀行で培った大きな信用があります。これがSBIグループの強みではないでしょうか。

信用とは「これまでに積み上げてきたもの」であり、他のスタートアップ的な仮想通貨取引所には良くも悪くもまだそのような意味での「信用」はありません。

なので多くの取引所はまだまだ「過去の信用」では勝負できないのです。

なお、米証券取引委員会(SEC)は仮想通貨を証券とみなし、仮装通貨取引所は「証券取引所」としてSECへの登録を義務付ける方針を示しています。

これによって仮想通貨交換業者はより一層厳しい規制と向き合う事が考えられますが、今後株式や債券に変わる資産クラスタとして仮想通貨を世の中に普及させる為には、SBIやマネックスといった既存の金融グループが共に先導していくべきではないかと筆者は考えています。