仮想通貨

マイニングで使われる「ASIC」とは?その特徴や優位性を解説

プルーフオブワーク(PoW)は莫大な計算力が求められる

ビットコインでは、ブロックチェーン上で取引が正しく行われたかを検証する為にプルーフオブワーク(PoW)という計算作業を行います。

しかしこのPoWでは、ブロックチェーン上でブロック同士を繋げる為に複雑な計算を莫大な電力を使って解いていかなければなりません。

この複雑な計算を一番早く解いたマイナーは報酬として仮想通貨を受け取れるのですが、一番早く計算を解こうとすれば、膨大な量のコンピューター処理能力が必要とされるのです。

そこで、ビットコインのマイニングでは「ASIC」といった集積回路が利用されています。

仮想通貨のマイニングで使われる「ASIC」とは?

ASIC(エーシック)とは「Application Specific Integrated Circuit」の略でビットコイン以外にもある特定の用途で使用されている電子部品です。

このASICは汎用的ではなく特定の用途で使われる事が一般的であり、主にインターネット回線や画像処理の速度向上の為に使われたりするのですが、ビットコインのマイニングではマイニングに特化したASICが利用されています。

ビットコインは上述した通り、計算力があればある程マイニングの報酬を受け取る確率が上がるのですが、ビットコインが生まれた当初はASICを使わずCPUなどで十分でした。

ビットコインの価値が低い頃はマイニングの難易度が低くコンピューターに莫大な金額を掛ける必要がなかったのですが、その価格の向上に伴い効率の良い専用マシンでなければマイニング報酬を得難くなったので、ASICが採用されるようになったのです。

そこで中国の大手マイニング会社である「Bitmain」はこのマイニング専用の「Antminer」というASICを売り捌くビジネスを始めるようになり、Bitmainは全体の70%以上のシェアを獲得するようにもなりました。

ビットコインマイニング使われるASICとCPU・GPU・FPGAとの比較

さて、ではASICやそれ以外に用いられるマイニングツールをそれぞれ比較してみましょう。

CPU

CPUはオーソドックスなPCに搭載されている中央集積回路です。

以前はビットコインのマイニングで主流に使われていましたが、計算処理能力はASICに当然劣る為現在はCPUでは中々報酬まで辿り着けない環境となっています。

GPU

GPUはCPUとは異なり画像処理に特化した画像処理装置です。

上述した通り当時はCPUでビットコインをマイニングされていたのですが、後にこのGPUがマイニングで使用されるようになります。

このGPUは計算力ではやはりASICにまだ劣りますが、マイニング用のプログラムを開発することでASICよりも柔軟にアルゴリズムに対応する事ができます。

FPGA

FPGAは製造後に設計者が構成を設定できる集積回路です。

マイニングがGPUへとシフトした後、このFPGAが進展したのですが、ここでButterfly LabsのFPGA である「Single」が発売し、マイニングに特化したハードウェアがスタートしました。

FPGAは処理速度が特段GPUに上回る訳ではなく、処理における使用電力が少ないといったマイニング効率改善面でメリットがあります。

以上を踏まえた上で考えられるASICの最大のメリットは、これら以上にマイニングの計算力が高いことです。

ただ、反対にデメリットもあり、それが以下です。

  • 電気代が高いこと
  • アルゴリズムが1つである為柔軟に対応する事が不可能なこと
  • その通貨価値が下がると電気代に対して採算が合わなくなること

このようにメリットだけではないASICですが、当然通貨の価値が下がればそれは全く使えないものになってしまいます。

ここが一番のリスクでしょう。

マイニングに使われるASICの価格は?

マイニング専用のASICは上述したBitmain社が自社開発しており、それが世界で70%を占めています。

Bitmainの公式サイトで上述した「Antminer」が販売されており、ビットコイン専門の場合は概ね5〜15万円程度と幅広い価格帯となっています。

引用:Bitmain公式サイト

ビットコイン以外にも、上述した通りライトコインやDashなどの仮想通貨でマイニングできる専用マシンがあり、それらは全て公式サイトから確認できます。

なお、イーサリアムでの使用を想定したASICの「AintminerE3」は20万円程となっています。

アルトコインのマイニングでも販売されるASIC

以上がASICについてでしたが、マイニングの難易度が上がりどんどんと高性能のチップが使われるようになった背景がありました。

そこでASICを販売するBitmain社は横展開を広げ、ビットコインの他にもライトコインやDashコインでもASICが使用されるようになっています。

それ以外にも最近ではMoneroやイーサリアムに対応するASIC搭載の専用マシンを発表したのですが、イーサリアムのコミュニティではASICにおける電力消費やマイニングの独占による中央集権化についてを問題視しています。

元々イーサリアムはASICに対抗する為のアルゴリズムを採用していたこともあり、その後コミュニティではASICを無効化する為にハードフォークを行う可能性についても討論されました。

なお、Moneroにも対応するASICが販売されていますが、Monero側も中央集権化を防ぐ為にASICを拒否する動きを見せました。

このように開発者やプロジェクトリーダーの思想と大手マイニング業社は対立してしまっています。

ASICは計算力がありマイニングの効率を上げる性能が備わっている反面、利害が絡んだ激しいしがらみを作ってしまっているのです。

今後も、このような争いは度々繰り広げられるでしょう。