仮想通貨

ロシアが発行する独自仮想通貨クリプトルーブルとは?その特徴や今後の展望

ロシア政府が独自の仮想通貨を発行へ

ロシアでは国家規模で独自の仮想通貨を発行するといった動きが昨年から現地メディアで報道されていました。

それが「Cryptruble(クリプトルーブル)」であり、ロシアのプーチン大統領はその独自の仮想通貨発行を発表したのです。

現在のロシアの法定通貨は「ルーブル」であり、その頭に「暗号」という意味の「Crypt」を付け「暗号通貨としてのルーブル(クリプトルーブル)」と称されています。

元々ロシアではビットコインに対しての見解はあまり良いものとされておらず、昨年ロシアの通信大臣は「ビットコインは合法的な通貨として考慮することはできない」と発言していました。

ですが、ブロックチェーンに関しては前向きに検討したいとされており、ロシアでは国内最大の取引所であるモスクワ証券取引所が仮想通貨の取引も計画されたのです。

そして今回打ち出されたクリプトルーブルといった国の仮想通貨ですが、それはどのように発行されるのでしょうか。

以下よりクリプトルーブルについての特徴や今後の展望などを解説していきます。

クリプトルーブルとは?その特徴

このクリプトルーブルはロシア国内で法定通貨の代案として使用される想定がされており、逆にロシアではその他の仮想通貨による決済や売買ができなくなるとされています。

ビットコインなどの仮想通貨によるマネーロンダリングを懸念視していたことから、その独自通貨はどのように設計されるのでしょうか。

ロシアの中央銀行によるマイニング

クリプトルーブルは一般人のマイニングによる新規発行を行うことがきません。

マイニングによる新規発行はロシア政府、もしくは公的な金融機関のみとされ、完全なる政府の管理下となった仮想通貨として成り立ちます。

よって、世界中のマイナーがこぞってマイニングするわけではなく、政府や中央銀行がマイニングによって通貨発行益を握るのです。

クリプトルーブルの税制

クリプトルーブルでは、所得税に関して独自の税体制を採用する予定としており、それが以下です。

  1. クリプトルーブルが値上がりすればその利益分の13%が税金として徴収される。
  2. 出どころのはっきりとしない不正入手されたとされるクリプトルーブルの場合、保有者がロシアルーブルに両替する際に13%が税金として徴収される。

1に関しては自国通貨のルーブルとは連動しておらず、価格変動がある仮想通貨であることを意味していると言えます。

なお、2に関しては通貨の逃げ道を無くし、不正されることを防ぐ為の政策と言えるでしょう。

このように、クリプトルーブルではマイニング体制を含め完全に政府が仮想通貨を牛耳る体制を敷くようになります。

クリプトルーブルによって経済を監視することができる

このクリプトルーブル発行によるメリットの一つが、その取引をブロックチェーン上に全て記録することによって政府が経済を監視できる点です。

これによって資産を透明化し、政府は課税をかけやすくなり、政府は発行量も決めることができるので金融政策を行いやすくなるというメリットもあります。

このように管理社会を目指す国にとってはメリットであり、国民にとってのデメリットとしてはお金の逃げ道が限りなく無くなっていくことでしょう。

法定通貨がグローバルなマネーへと進化する

反対に国民にとってもメリットはあるでしょう。

法定通貨をデジタルマネーにすることによって国際送金や決済は驚くほど便利になります。これを現金型のデジタル通貨と称しましょう。

この通貨によってお金の流通経路が変わり、中央銀行が発行した通貨を既存の銀行を介さずに取引ができるようになる可能性があります。

それに加えて国際送金に関するコストも大幅に下げられ、反対にロシアへグローバルに投資資金が流れてくる可能性が高くなるとも予想できます。

そしてブロックチェーンに対応したサービスや仮想通貨を使って資金調達をするICOなども行いやすくなるでしょう。このように国民にとってのメリットも十分に考えられます。

クリプトルーブルが購入できるのは2019年か

このクリプトルーブルですが実際にまだ発行はされておらず、現状では発行を2019年以降にするといった見通しとなっています。

実際に発行後は法定通貨であるルーブルといつでも交換ができるような体制にするとされています。

ですが、ロシア政府は今後クリプトルーブルと法定通貨ルーブルの間で60万ルーブル以上(およそ100万円)の交換の際に外国為替規制を適用する方針を示しました。

ロシアの銀行ではマネーロンダリングの対策として60万ルーブルを超える取引を追跡しており、仮想通貨取引においても同じような規制を適用してデジタル金融資産に関する法案の見直しを検討しているのです。

このように、万が一規制の抜け道を見つけられてクリプトルーブルを不正に利用されては国も困りそれが国にとっての最大のデメリットとなるので、規制については深く検討していると言えるでしょう。

クリプトルーブルの今後の展望

以上がクリプトルーブルについてでしたが、このように政府や中央銀行が新規発行する独自通貨は、当初の分散型を提唱したビットコインとは全く発想が異なっており、とても分散的であるとは言えません。

その上にロシアの財務省では他の仮想通貨の売買や決済を禁止する方針を表明しているので、むしろ既存の法定通貨よりも中央集権的であると言えるのではないでしょうか。

ですが国民にとってのメリットも上述した通りあると考えており、あくまで推論ですがグローバルビジネスを展開する上で資金調達や送金などで大きくデジタルマネーが持つパワーを発揮できるのではないかと考えています。

そんなロシアでは、このまま政府がデジタルマネーを独占する動きを止めないのでしょうか。

そして、決済手段として仮想通貨を合法化した日本でも、中央集権的なデジタルマネーの発行が始まるのか、今後の国の動きから目が離せません。