ビットコイン(Bitcoin/BTC)

経済大国の中国が仮想通貨を規制緩和する可能性や将来の展望

中国と仮想通貨

2017年は「仮想通貨元年」とも呼ばれるほど、仮想通貨が世界で注目される年でした。先陣を切っていたのが中国です。

中国は最も仮想通貨が熱い国として、多くの取引所や投資家が集まりました。

しかし、市場の規模が大きくなってくると、中国政府は手のひらを反すように、次々と仮想通貨への懸念を感じ、取引所や中国国内の投資家への規制を始めました。

なぜ、中国は仮想通貨市場が盛り上がりを見せている中で、それほどまでに規制強化を行ったのでしょうか。

そこで今回は、中国における仮想通貨規制の真意や今後の中国における仮想通貨の将来性などについて紐解いていきます。

中国はなぜ仮想通貨への規制を始めたのか?

20181月は多くの仮想通貨が急上昇を見せ、市場への注目度がさらに高まりました。しかし、それ以降、暴騰していたビットコインですら下落を免れられませんでした。

この背景には、世界最大のマーケットの中国が仮想通貨を規制したのが発端だと、言及する声が一部で上がっています。中国は仮想通貨のどんな点に懸念を感じたのでしょうか。

中国が仮想通貨の規制を始めた原因を知る上で、中国の経済に関する前提知識が重要なポイントとなります。そこで、まずは中国の経済について復習しておきましょう。

中国経済の変革期と共産党の野望

近年、中国は安い労働力を売りに日本を始めとする世界から多くの企業を誘致し、「世界の工場」として自国の成長率を高めてきました。

しかし、リーマンショック以来、世界的規模の不況により中国経済もまた、大打撃を受けようとしていました。

中国経済が大打撃を受ければ、多くの企業は倒産し、地方から出稼ぎに来る約2億人にも上る労働者たちが職を失うことになります。

多くの失業者が出れば、中国政府である共産党への反発が強まり、これまで築いてきた長期政権を失いかねません。

そんな中国経済、そして、共産党の救世主となったのが現国家主席の習近平氏です。

習近平氏は、これまでの国内で多くの雇用を確保する政策から打って変わって、労働者たちの雇用を海外へと広げる政策に打って出たのです。

その核となる政策が「一帯一路」の実現です。

中国政府は、中国からヨーロッパ、中国からアフリカへの内陸部と沿岸部の2つのルートを築く巨大プロジェクトを発表しました。

この巨大プロジェクトを成功させることは、中国国内の多くの労働者の生活を守ること、すなわち、共産党が長期政権の安定化を図ることに繋がるという訳なのです。

では、中国経済や中国政府が抱える問題を復習したところで、本題である中国がなぜ仮想通貨の規制を始めたのかについて、紐解いていきましょう。

中国が仮想通貨を規制するワケ

中国が仮想通貨を規制する理由は、国家プロジェクトである「一帯一路」を成功させるためです。

「一帯一路」を成功させるためには、莫大な費用がかかります。その費用を確保するためにも、人民元を高値で安定させなければなりません。

そのためには、国内の富裕層が外貨獲得による資金の国外移転を食い止める必要があります。

さらに、中国政府が脅威に感じていたのがビットコインを始めとする仮想通貨の存在です。

外貨獲得への対策として、5万ドル以上の外貨の購入を禁止しています。

そして、仮想通貨への対策として、仮想通貨の売買取引を行う取引所の閉鎖や国内での取引の禁止、マイニング禁止に打って出たのです。

つまり、中国が仮想通貨への規制を始めた最大の理由は、共産党政権の安定化を図ることにあるのです。

政権の安定化のためには、国民からの反発を受けないことが第一の課題であり、「一帯一路」の成功は欠かせません。

仮想通貨への規制は、このプロジェクトを揺るがすリスクのあるものを排除する姿勢を表したに過ぎないのです。

中国がICOを全面禁止にした原因とその結果

中国政府はICOを全面禁止にした理由として、ICOによる詐欺や経済、金融の秩序を乱すことを挙げています。

実際に、人気が高まるICOに便乗し、ICOの名のもとで資金を集めると姿をくらます詐欺事件も世界中で多発しており、問題提起されています。

人民元の価値が下落することを恐れた中国国内の富裕層が仮想通貨を介して資産を国外に移し始めました。

そして、201794日、中国政府は国内経済すなわち、政権を守るために全面禁止という世界でも厳格なICO規制(通称「94公告」)を発表することになったのです。

中国政府は「ICOが違法な資金調達方法である」という見解を示し、企業はもちろんのこと個人においても国内外でのICOによるトークンの発行や資金調達の一切を禁止。

さらに、銀行を始めとする金融機関にもICO関連のビジネスを禁止し、すでにICOを行った企業には資金の返金を求めました。

その結果、仮想通貨全体が暴落し、「仮想通貨は終わった」というような論調が囁かれるようになったのです。

さらに、相次ぐ取引所の閉鎖によって、仮想通貨全体の価格が大きく下落する事態に陥りました。

これにより、数多くの投資家が資産を手離し、大損害を被ったのは言うまでもないことでしょう。

閉鎖された仮想通貨取引所はどこへ

中国政府により閉鎖に追い込まれた取引所には、中国三大ビットコイン取引所のHuobiOKCoinBTCC、その他にはBINANCEなどの名が挙げられます。

いずれも中国での営業を閉鎖し、香港やマカオ、そして日本へと移転を決めています。

中でも、Huobiは日本の大手金融機関であるSBIグループとのパートナーシップ契約を結び、日本や韓国への進出を決めました。

また、中国に拠点を置くマイニング企業は、中国のマイニング禁止を受け、中国から北欧へと拠点を移しています。

中国の仮想通貨への規制緩和の可能性や将来性は?

中国は現状のまま仮想通貨への規制を続け、国内から仮想通貨を一掃しようとしているのでしょうか。

しかし、一部では「中国は遅かれ早かれ、仮想通貨への規制緩和を行うだろう」といった前向きな意見も取り沙汰されています。

その背景には、中国中央銀行のトップに易綱(イ・コウ)氏が任命されたことが挙げられます。

易氏と言えば、ビットコインの取引に対して肯定的な意見を持った人として知られています。

そんな易氏が新総裁に就任したことで、中国において今後規制緩和が行われるのではないかと推測が飛び交っている訳です。

中国政府がついにブロックチェーン技術への支援を始動

2018年に入り、中国政府がいよいよ仮想通貨市場への参戦を決めました。

杭州にブロックチェーン工業団地の開所式の最中、ブロックチェーン・イノベーション・ファンドの創設が発表され、出資額の30%は中国政府によるとも言われています。

さらに、中国の中央銀行は国家の仮想通貨を発行する計画を進めていることを発表しました。

中国政府は、本格的に人民元に変わる新たな通貨を摸索し始めたようです。

中国はあくまでも中央集権を手離さない

仮想通貨の市場はこれまでにない勢いで発展し続けています。

とくに、ICOにより、ブロックチェーン技術を活用した新たなトークンが誕生することで、様々な分野における現状の課題の解決に利用できるプロジェクトが多数発表されています。

各国で、仮想通貨への考え方は肯定的な国もあれば、否定的な国もあり、足並みは揃っていないのが現状です。

否定的な理由としては、仮想通貨は自国の通貨に変わる存在となり、通貨の価値を落としかねないという本音が隠されています。

その一方で、中国は表向きには仮想通貨への規制を強めているものの、自国の仮想通貨の発行を決め、人民元に変わる新たな通貨を作り出そうとしているのです。

また、中国国内では、スマホ決済が日本よりも普及が進んでいます。しかし、その背景には自国通貨の偽造といった深刻な問題が根幹にあります。

そのため、中国国民は自国通貨よりも信頼度の高いスマホ決済が地方でも普及している訳です。

中国政府が自国の仮想通貨を発行し、その信頼性の高さが証明されれば、中国が再び、世界最大の仮想通貨市場となる可能性も高いと言えるでしょう。

そして、仮想通貨への規制が緩和されることも遠い将来ではないことが予測されます。

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