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BINANCE上場で注目を集めたIOS Token
既存のブロックチェーンではできないことに挑戦しようとする仮想通貨があることをご存知でしょうか。その仮想通貨とは、IOS Token(アイオーエストークン)です。
IOS Tokenは2018年1月にBINANCEに上場したことにより、価格が大きく変動したことで注目されました。
IOS Tokenがどのような特徴を持った仮想通貨で、既存のブロックチェーンではできない挑戦とは何なのか、将来性を踏まえてご説明いたします。
新たなアルゴリズムを持つIOS Tokenとは?
まずは、IOS Tokenの基本情報を確認しておきましょう。
通貨コード | IOST |
公開日 | 2018年1月 |
認証アルゴリズム | Proof of Believability |
発行上限枚数 | 210億枚 |
ホワイトペーパー | https://docsend.com/view/ihwqcdg |
公式サイト | https://iost.io/ |
IOS Tokenは2018年1月に公開されたばかりの比較的新しいERC20トークンです。
認証アルゴリズムはProof of Believabilityを独自に開発しています。詳しくは後ほど説明いたします。
驚くのは発行上限枚数の多さです。Bitcoinが2,100万枚であるのに対し、210億枚と桁外れの多さがIOS Tokenの特徴の1つと言えるでしょう。
そんなIOS Tokenの主な特徴として3つ挙げられます。
・オンラインサービス提供者がターゲット
・拡張性や透明性に優れている
・独自承認アルゴリズムProof of Believability
では、1つずつ見ていきましょう。
オンラインサービス提供者がターゲット
そもそも、IOS Tokenとは「Internet of Services」の略で、直訳すると「サービスのインターネット」という意味です。
IOS Tokenは、オンラインサービスプロバイダー向けのインフラを提供することを目的としています。
つまり、オンラインサービスの提供者が安全で簡単、スピーディーなプラットフォームで、消費者にサービスが提供できるようになるのです。
拡張性や透明性に優れている
IOS TokenはDapps(分散型アプリケーション)やスマートコントラクトの導入により、ネットワーク上での取引の透明化や幅広いサービスへの対応が可能です。
具体的には、サービス提供者はIOSプラットフォーム内でのサービス状況をいつでも確認することができ、FacebookやAmazonといったサービスにも対応できます。
また、ブロックチェーンにより、ブライバシーの保護などセキュリティ面においても安心できます。
独自承認アルゴリズムProof of Believability
IOS Tokenにとって重要な役割を担うのが承認アルゴリズムのProof of Believabilityです。Believabilityが意味するのは「信用性」や「信憑性」です。
例えば、Bitcoinは計算能力の高いマイナーに報酬を支払うPoW(Proof of Work)を採用しています。
Ethereumは、PoWが課題とする51%攻撃に対応したPoS(Proof of Stake)への移行を進めています。
Proof of Believabilityの特徴はと言うと、ブロック生成したマイナーに報酬を与えるPoWや仮想通貨の保有率によって報酬が決まるPoSなどの良い点が盛り込まれています。
要は、IOSネットワークの貢献度やIOSTの保有率など総合的な評価によって承認されるシステムなのです。
既存のブロックチェーンでは実現できなかったワケとは?
IOS Tokenには実現可能で、既存のブロックチェーンでは実現できない違いはどこにあるのでしょうか。
その答えは、正にブロックチェーンの仕組みに隠されています。これまでのブロックチェーンではスケーラビリティ問題など拡張性に乏しい課題を抱えていました。
そのため、FacebookやAmazonといった世界的規模のサービスをブロックチェーン上に乗せると、ネットワーク速度の限界にぶち当たり、実現することは困難でした。
一方、IOS TokenはEDSの導入により、shards(シャード)と呼ばれる小さなネットワークを形成することでネットワークの稼働を高速化することを可能にしたのです。
EDSとは、Efficient Distributed Shardingの略語で、「効率的分散型分割機能」を意味し、ネットワークを分割することにより既存の技術では出来なかったネットワークの取引速度を大幅に向上させています。
IOS Tokenの仕組みにより、仮想通貨の可能性をさらに広がっていくことでしょう。
IOS Tokenが購入できる取引所
国内の取引所ではIOS Tokenを取り扱っていないため、Ethereumなどの仮想通貨を国内の取引所で購入した後に海外の取引所で購入という手順を踏む必要があります。
具体的な手順は以下の通りです。
1.国内の取引所と海外の取引所のアカウント登録を行う
2.国内の取引所でEthereumなどの仮想通貨を購入し、海外の取引所に送金する
3.送金した仮想通貨でIOS Tokenを購入
国内外問わず、取引所の登録の際はセキュリティ強化のためにも、2段階認証の設定を必ず行うようにしましょう。
では次に、IOS Tokenが購入できる取引所についてですが、IOS Tokenの高いシェア率を維持しているのがBINANCEやHuobiです。
どちらも、IOS Token全体の3割を占めており、この2つの取引所だけで6割近くのシェアを占めています。
BINANCEは言わずと知れた世界有数の取引高を誇り、最安値の取引手数料で知られています。以前は公式サイトで日本語対応していましたが、現在は日本語対応していません。
一方、Huobiは中国の三大仮想通貨取引所の1つとして知られているHuobiは、最近国内大手の金融機関の1つSBIとの提携が決まっており、注目されています。
公式サイトは、日本語対応しているため、初心者でも安心して利用できる取引所です
ロードマップから読み解くIOS Tokenの将来性
上記のIOS Tokenのロードマップには、プロジェクト開始の2017年から実装を目指す2019年までの内容が詳細に記載されています。
今後の主な予定は、以下の通りです。
2018年には、EDSやProof of Believabilityなどのテストネットワークへの導入とテストの実施、IOSスマートコントラクトのドキュメントドラフト版のリリースなどがあります。
2019年には、IOSネットワークのテストやセキュリティ監査の実施などを経て、IOSネットワークの正式リリースやdAppsの公開などが予定されています。
ロードマップが詳細に記載されている点では透明性が高く、プロジェクトや開発者への信頼が高まります。
ただ、有望というだけでは投資するかどうかを結論づけることはできません。なぜなら、IOS Tokenにはライバルとなる仮想通貨が存在しているからです。
dAppsで成功しているNEOやQtumとの違い
中国版Ethereumと呼ばれるNEOや中国最大手企業アリババのリード開発者の経験を持つ若きエンジニアによって開発されたQtumの存在も忘れてはなりません。
NEOもQtumも共にスマートコントラクトを導入し、dAppsによって既に多くのサービスが提供されています。IOS Tokenからすれば、競合相手であることは間違いありません。
ただ、IOS Tokenが優れている点を挙げるとするならば、EDSによってネットワークを効率的に分散することを可能にしたことではないでしょうか。
これにより、今後の仮想通貨への可能性がさらに広がったと言えるでしょう。
IOS Tokenを見守ることも選択の1つである
IOS Tokenを買うべきか、買わざるべきか自問してみると、今の時点では見守ることに徹したいというのが個人的な結論です。
その理由の1つは感覚的なもので、今すぐ買いたくなる衝動を感じられないからです。
直感は意外にも良い判断をする確率が高いと言われており、ピンと来ないものはどんなに優れた特徴を持ったものでも購入を控えるべきなのです。
そして、もう1つの理由は同様の仮想通貨が現れた際の差別化への不安があることです。
確かに、IOS Tokenのプロジェクトが成功すれば、オンラインサービスはこれまでよりも安全に快適に利用することができるでしょう。
しかし、今後、IOS Tokenと同様の仮想通貨が現れたとき、果たして他の通貨との差別化はできるのかという点では不安を感じざるを得ません。
よって、個人的には今は買い時ではないと結論付けた次第です。
もしも、IOS Tokenの購入を迷っているなら、将来性はもちろんのこと、「買うべきだ!」と直感を感じたか自分自身に問うのも良いかもしれません。
また、競合の通貨が現れたときに、何を差し置いてもIOS Tokenが魅力だと感じられるものがあるかについて、考えてみるのも良いのではないでしょうか。