仮想通貨

仮想通貨の計算処理能力を表す単位「ハッシュパワー」について解説

仮想通貨が存続する上で必要不可欠な、取引データの計算処理

仮想通貨をやり取りしている際、「ハッシュ」という言葉を聞いたことはありますか。

仮想通貨を取り巻く環境も、次第にニュースとして大きく取り上げられるようになり、検索サイトのホームに上がる記事も、「ハッシュレート」「ハッシュパワー」という単語を含んだ記事を目にする機会が増えています。

これらの単語が持つ意味を、正確に把握していますか。仮想通貨を投資目的としてのみ認識している方なら、必要性の薄い知識かもしれませんが、これらは価格変動や通貨の分裂を引き起こす可能性も高める要素の一つなのです。

「ハッシュパワー」とは、仮想通貨を取引する上で、押さえておくべき仮想通貨の「基礎知識」なのです。ビットコインなど代表的な仮想通貨の存続にも関わる要素なので、投資のみの方々にも、無関係な知識ではありません。

「ハッシュパワー」とは、暗号化された情報を処理するための計算能力

仮想通貨は取引履歴の正当性を保持するため、全ての取引データを取引台帳(ブロックチェーン)へ記録しています。仮想通貨の取引データが多くなると、要求される計算量も増加し高い計算処理能力が必要になります。

「ハッシュパワー」とは、台帳へ取引情報を記録するための計算処理能力を表す数字を指し、一秒間に何回の計算処理が可能かを示します。ハッシュパワーが上昇すると、取引記録に必要な計算処理量が増加します。

つまり、仮想通貨そのものではなく、「情報記録を行う機材が持つ計算処理能力」を示す数値を指しています。

「ハッシュ」とは

仮想通貨の取引情報は、複雑な英数字の羅列による形成を行うことで、データの内容を秘匿する仕組みとなっています。

「ハッシュ」とは、このように暗号化された取引情報を指す言葉です。しかし、ハッシュは通常の暗号化と異なり情報処理は一方的なもので、記録されたデータの「置換」を行う処理です。復元·複合などの不可能な「不可逆変換」であり第三者の改竄防ぐことが可能ため、仮想通貨は高い秘匿性を持つことが出来るのです。

マイニングを行う場合は必須知識、ハッシュパワーの「単位」について

取引·投資による運用であれば覚える必要はありませんが、マイニングを行う場合には必須事項となります。

ハッシュパワーの単位は「一秒間にハッシュを計算処理出来る回数」を表します。「hash/s」と表記され、容量を表す単位「バイト」と同様に10進数表記で「1000ハッシュ=K(キロ)」「100万ハッシュ=M(メガ)」などの記号が使用されます。

1KH/s=毎秒1,000ハッシュ(千回:キロハッシュ)

1MH/s=毎秒1,000,000ハッシュ(100万回:メガハッシュ)

1GH/s=毎秒1,000,000,000ハッシュ(10億回:ギガハッシュ)

1TH/s=毎秒1,000,000,000,000ハッシュ(1兆回:テラハッシュ)

1PH/s=毎秒1,000,000,000,000,000ハッシュ(1000兆回:ペタハッシュ)

仮想通貨の分裂による現象、ハッシュパワーとハードフォークの関係性

ハードフォークとは、仮想通貨の計算処理が情報量を上回った際、通貨の仕様変更により容量を増やすことで解決する方法です。

通貨自体の仕様に変更はなく、より容量の多い通貨を新たに生み出す方法であり、基の通貨はそのまま残り、ハードフォークされた通貨は新規通貨として発行されます。

事例としては、ビットコインのハードフォークにより分裂した「ビットコインキャッシュ」が有名でしょう。

ハードフォークが発生することで、ハッシュパワーが分散·減少する恐れがあり、現にビットコインキャッシュへ人気が集中し、基の通貨よりもハッシュパワーが高くなるという現象が起きています。

このような事態が連続で発生すると、基の通貨が消滅してしまう可能性も否定できません。更に新規通貨へ人気が傾きハッシュパワーが下がると、マイナーたちは報酬が見合わない通貨から次第に離れるようになります。

これらの要因から、ハードフォークはマイナー側からすればあまり好ましくない解決法の一つとされ、反対派の多い手法です。

ハッシュパワーの変動により、マイニングの難易度や報酬も上下する

仮想通貨の発行は、取引履歴を計算処理し正当性を証明することで行われます。しかし、全ての取引データを保持している仮想通貨は、一台のコンピュータのみでは処理が追い付かない程の膨大な計算量を求められます。

この情報処理を行うために、仮想通貨は一般から計算処理を請け負う有志達を募ります。作業を請け負った有志達は「マイナー」と呼ばれ、「マイニング」という計算処理によって通貨を発行しています。

マイニングは新規発行を行ったユーザー報酬が支払われる仕組みとなっており、ハッシュパワーが上昇することでマイニングを行う情報量も増加し、マイニング自体の難易度や報酬額も上がります。その為、人気の高い通貨には多くのマイナーが集まり、マイニングの競争率も高まります。

逆にハッシュパワーが下がると、作業量や報酬額が減少します。マイニングは専用機材の購入などによりコストが高く、報酬が見合わなくなるとマイナーは次第に離れるようになります。ハッシュパワーは、マイニングを行う上で必要不可欠な要素なのです。

ハッシュパワーの数値は、仮想通貨の「可能性」を示す指数の一つ

ハッシュパワーの変動は、仮想通貨の人気を示す要素の一つとされています。ハッシュパワーが高いほどマイニングの競争率も高く、逆にハッシュパワーが低いほど、コストと報酬が見合わなくなった、つまり人気が低い証拠となります。

ビットコインキャッシュの例でもあるように、ユーザーはより性能の良い通貨を支持します。ビットコインは現在でも高い注目を浴びていますが、その人気は段々と別の通貨へ移り始めています。

仮想通貨が存続する上で最も必要な要素は「人気」です。期待を受けられないために消失した通貨は数多くあり、どの様な通貨にもその可能性はあります。投資する通貨の将来性を把握するためにも、仮想通貨の基礎知識は必須事項と言えます。