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インド仮想通貨取引所がXRPを基軸通貨にした理由と中銀の思惑とは?

インドで始まった仮想通貨市場への牽制

 

日本やアメリカ、イギリスは仮想通貨への規制を行いながらも、仮想通貨と共に歩んでいく方向へ舵を切っています。

しかし、中国を始めとする一部の国では、それぞれの思惑によって仮想通貨の取引そのものを禁止する規制が行われています。

中国に次いで人口が多いインドもまた、仮想通貨への規制を強める動きが見られるようになってきました。

そんな中、インドの取引所の一部では世界初となるリップルを基軸通貨とする動きも見られます。

そこで、インドの仮想通貨取引所の現在の動向やインド準備銀行(以下インド中央銀行)によって発表された仮想通貨取引禁止令や今後の展望などについて明らかにしていきます。

インドの仮想通貨取引所がリップルを基軸通貨へ

20184月末、インド最大の取引所KOINEX(コイネックス)は、公式Twitterでリップル(XRP)を基軸通貨とすることを発表しました。

公式Twitterでは、XRPは流動性が高い上に送金時間が早く取引が容易であることから、世界で初めてXRPを基軸通貨にした取引市場を作っていくとしています。

参考URLhttps://twitter.com/koinexindia/status/990287846782259204

KOINEXは現在、XRPの通貨ペアはライトコインを始めとする13種類を取り扱っています(2018519日現時点)。

その他の取り扱い通貨ペアは次の通りです。

・インドルピー(INR)通貨ペア(24種類)

・ビットコイン(BTC)通貨ペア(10種類)

・イーサリアム(ETH)通貨ペア(7種類)

上記から、圧倒的にINRの通貨ペアが大多数を占めていることが分かります。

インドの取引所は世界的に見ても閉鎖的で、これまでINRを基軸通貨としており、基本的にインド国内で取引が行われてきました。

でも、INRに依存してきた取引所がこれほどまでに大きな方向転換を行ったのはなぜでしょうか。

実は、その背景にはインド中央銀行による仮想通貨禁止令が大きく関係していたのです。

インド中央銀行による仮想通貨禁止令の裏事情

201845日、インド中央銀行は国内の金融機関に対して仮想通貨の取引停止を求める決定を下しました。

しかし、インド中央銀行は具体的な理由を公表せずに禁止令だけが発表されたため、仮想通貨業界に関わる多くの人たちに疑念を抱かせたのです。

その後、すぐにインターネット上で禁止令に反対する署名活動が行われ、これまでに43千人以上の署名が集まっています。

さらに、インド中央銀行は民間の銀行に対し、取引所に対する金融サービスの提供を禁止しました。

これにより、インドの仮想通貨取引所CoinRecoil(コインリコイル)は、インド中央銀行の決定は違法であるとインドのデリー高等裁判所に訴えたのです。

CoinRecoilの主張としては、主に次の2点が挙げられます。

・原則として、法の下において人は平等である

・職業の選択の自由がある

CoinRecoilは、インド憲法の14条と19条を基に、仮想通貨やブロックチェーン関連の企業に勤めている人たちの職が失われてしまうことを指摘しています。

ただ、インド中央銀行が頑なに仮想通貨の取引を禁止しているのは、INRによってインド国内の経済を手中に収めていたいといった思惑があると言及されています。

一部では、インド政府によって独自の仮想通貨の開発を検討しているといった噂も囁かれています。

つまり、インド中央銀行やインド政府としては、仮想通貨の存在によってINRの存在価値が失われつつあることに強く警戒しているため、取引禁止に踏み切ったという訳です。

CoinRecoilにしても、KOINEXにしても、インド国内で仮想通貨が全面禁止になれば取引手数料による利益がなくなり、取引所は経営破綻に陥ってしまいます。

そうなれば、関連企業で働く多くの人たちが職を失い、失業者が増加する新たな課題を生むことにもなるのです。

同月22日、タイムズオブインディア(インド報道機関)はデリー高等裁判所がインド中央銀行や財務省などに対して、憲法違反であることを記す通知書を発行したと報道しました。

一見、インドは中国政府が行った仮想通貨への規制に追随しているかのようにも見えます。

しかし、禁止令の撤回を求める行動は中国では見られなかった点から考えると、インドは必ずしも中国のような二の舞を踏むことはないでしょう。

仮想通貨における国際社会の課題

インドの仮想通貨禁止令は決してインドの取引所や関連企業に限った問題ではありません。

なぜなら、仮想通貨は犯罪組織の資金源となるマネーロンダリングに利用される可能性が非常に高いからです。

現時点では、中国のように仮想通貨を全面禁止にするか、日本やアメリカのように規制を敷きながらも仮想通貨を肯定的に捉えていくのかの2択しかありません。

仮想通貨はギャンブル性の高い投機だけを目的にするのではなく、社会や世界をより良くするために存在するべきなのです。

そのためには、仮想通貨のリスクだけを見て全面禁止にせず、国際社会におけるルールづくりを行っていくことが重要です。

日本は、いち早く仮想通貨に関する法令を定めた国として、国際社会を牽引していくリーダーとして先陣を切ってもらいたい。

そして、仮想通貨によって誰もが夢を実現することができる世界になって欲しいと強く願います。