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仮想通貨iEx.ec(RLC)とは?
引用:iEx.ec公式サイト
仮想通貨iEx.ec(RLC)とはイーサリアムのスマートコントラクトをベースにした、安全でスケーラブルな分散型クラウドコンピューティングです。
クラウドコンピューティングとはインターネットのネットワークを経由してコンピューターリソースを提供するサービスであり、これはAmazonが手掛ける「AWS(Amazon Web Server)」が大きく展開しています。
iEx.ecはこのクラウドコンピューティングサービスをブロックチェーン技術を使用して分散化し、低コストで運用出来る事を目指します。
iEx.ec (RLC)の特徴
引用:iEx.ec公式サイト
既存のAWSのようなサービスを低コストで展開してクラウドコンピューティングの代案を狙うiEx.ecですが、既に大きな収益をあげているAWSにどのように立ち向かうのでしょうか。
以下よりそんなiEx.ecの特徴についてを解説していきます。
既存のクラウドコンピューティングの課題
既存のAWSを主とするクラウドコンピューティングのサービスは、高価となるサービスが多く、小規模な事業者にとっては利用の敷居が高いと言えます。
また、高性能計算(ハイパフォーマンスコンピューティング)においては複雑な仕組みである為に、専門的な知識が必要とされます。
このようにメリットがある反面でデメリットも存在するのです。
分散型のクラウドコンピューティング
iEx.ecはクラウドコンピューティングのインフラをブロックチェーン技術を用いて分散化させ、分散型アプリケーション(Dapps)を低コストで簡単に運用できるようにします。
なお、この分散型クラウドコンピューティングはオープンソースであり、INRIA(フランス国立情報学自動制御研究所)および(フランス国立化学研究センター)の研究者によって開発されていました。
これによって数千の分散されたノードを利用して並列的にDappsを利用する事ができます。
プラットフォームで流通する「RLCトークン」
iEx.ecのプラットフォーム内では独自通貨である「RLCトークン」が流通しており、現在はおよそ8,700万RLCが市場で供給されています、
このRLCトークンの名前は「Run Lots of Computers(多くのコンピュータで実行する)」の略から来ており、誰でもトークンを使用してiEx.ecのネットワークにアクセスできるようにします。
なお、このトークンERC20に準拠しており、ネットワーク内で有料なリソースへアクセスする際に支払いで利用する事ができます。
他にもデータ等を暗号化して安全に保管したり、それを取引したりする事が可能です。
iEx.ecのケーススタディー
引用:iEx.ec公式サイト
公式サイトを見ると、実際のケーススタディが書き記されています。
科学的シュミレーション
科学者が気候のモデリング、薬物の設計、エネルギー物理学、天文学などのクラウドアプリケーションの取り組みに使用する事ができます。
金融部門
iEx.ecは金融部門でも活用され、投資家の資産ポートフォリオの管理を最適化させる事ができます。
そして、投資に関する予測や定量的なリスク評価などを迅速に実行します。
3Dレンダリング
レンダリングとはコンピュータのプログラムによって画像や映像などを生成する事です。
この既存のレンダリングにおける生成画像は膨大な計算能力を要する産業となっているのですが、iEx.ecはブロックチェーン技術を駆使して費用対効果の高いサービスを提供します。
暗号化
iEx.ecではブロックチェーン上で実行が不可能な暗号関数をオフチェーン上で実行する事ができます。
フォグ/エッジコンピューティング
フォグコンピューティングとはクラウドよりもデバイスに近い距離にあるネットワーク環境であり、エッジコンピューティングも同様にネットワーク環境とデバイスの距離を縮めて通信遅延を排除する技術です。
近年、多くのデバイスがネット上に接続されるようになった事でクラウドコンピューティングの限界が来ています。そこで上記のようなネットワーク環境が提案されるようになりました。
しかし、それらデバイスのデータを更に効率的に処理する為にiEx.ecは分散型のインフラを駆使して新しい処理方法を提案します。
iEx.ec(RLC)の期待のコア開発メンバー
引用:iEx.ec公式サイト
iEx.ecの開発メンバーの中心でありファウンダーでもあるHaiwu HE氏は、「中国で最もクリエイティブな100人」の中に選ばれている人物です。
Just selected as "100 Most Creative People in China 2017 " for Blockchain innovation @iEx_ec pic.twitter.com/oscpWTjF1n
— Haiwu HE (@hehaiwu) August 11, 2017
Haiwu HE氏はクラウドコンピューティング分野で名の知れた人物であり、今回上述したINRIAやCNRSの協力を受けてiEx.ecを立ち上げています。
なお、Haiwu HE氏の他にもPhD(Doctor of Philosophy)を取得している開発者が5人程揃っており、強い開発体制を持っていると言えるでしょう。
iEx.ec(RLC)を購入出来る取引所とチャート
RLCを購入出来る主要な取引所は、上記の図の通り「Binance」「Bittrex」「Upbit」となっています。
特に全体の取引量の約40%を占めるBinanceは、取引手数料が0.1%と低水準であり、取引量も世界最大級の取引所です。
なお、RLCの価格推移は以下の通り、2018年1月に最高値の4.47ドルを付けた後、現在は2ドル程度に落ち着いています。
RLCは2018年の1月にBinanceに上場したのですが、それを機に価格が高騰しました。
なお、このRLCは現在仮想通貨の時価総額で第97位となっており、その規模はおよそ180億円となっています。
iEx.ec(RLC)のロードマップ
引用:iEx.ec公式サイト
iEx.ecはとてもボリュームのあるロードマップを組んでいますが、2018年2月までスケジュール通りに全て完了させています。
なお、今後は「iEx.ec2.0」と称されるクラウドマーケットプレイスをリリースし、2019年には「iEx.ec3.0」のハイブリット型のインフラを構築、そして2021年には「iEx.ec5.0」分散型クラウドサービスを超えて「スマートシティ」「VR」「IoT +Big Data」など、様々な分野に進出する予定とされています。
iEx.ec(RLC)の将来性
以上がiEx.ecでしたが、このようなブロックチェーン・コンピューティングにも課題があります。
多くのDappsの基盤となっているイーサリアムですが、それらが普及し拡大する反面、同ブロックチェーン内での処理が追いつかなくなるという「スケーラビリティ問題」が起こっています。
なお、イーサリアムのスマートコントラクトも同様、限られたリソースでしか情報処理をする事ができず、大規模な処理をするとなると現状難易度が上がってしまいます。そこが今後の課題となるでしょう。
そして、このようなプロジェクトには競合も多く存在しており、他にもスマートコントラクトを駆使したP2Pの分散型コンピューティングシステムを構築する「Golem(GNT)」があります。
このGolemは現在時価総額第46位となっており、2016年11月のスタートから現在まで、およそ50倍の伸びを魅せています。
一方、iEx.ecは2017年4月のスタートからおよそ1年でおよそ10倍の価格高騰で時価総額は97位となっています。
価格の伸び率や規模感的にはGolemより劣って見えますが、このiEx.ecは開発陣が強く、堅実に開発ロードマップを進めているので今後の潜在能力は高いと言えるでしょう。
そして、今後ネットユーザーが増えるにつれて、クラウドサービスを利用するユーザーも増えていくでしょう。
その時にiEx.ecがどのようなソリューションを提供できるかが鍵ですが、現状の規模感から「潜在能力を買う」という観点で見るとiEx.ecへの投資価値はあるかもしれません。