ブロックチェーン

ブロックチェーンを応用する日本企業と今後生まれる新しい仕事とは?

仮想通貨以外にも応用されるブロックチェーン技術


ビットコインを主とする仮想通貨に最初に応用された「ブロックチェーン技術」は、今や仮想通貨のみに留まらずあらゆる分野で応用されるようになりました。
日本の金融分野ではメガバンクを主とする代表的な銀行がブロックチェーン技術を使った実証実験を開始しており、その他の業界でも様々なブロックチェーンを活用したプロダクトが展開されています。

このようにどんどんと発展を続けるブロックチェーン技術ですが、その次世代テクノロジーが私達のあらゆる仕事で代替えされ、私達は仕事を奪われるてしまうのでしょうか。
そして、私達はブロックチェーンを使った仮想通貨の値上がりやニュースだけを見ているだけで良いのでしょうか。

では、以下よりブロックチェーンの応用事例を見ていき、今後の新しい仕事についてを考察していきます。

ブロックチェーンを応用している日本企業の事例


ブロックチェーン技術の革新性をざっくり大きく分けると、以下の3点です。

  1. 全員で情報を共有出来る
  2. 改ざんが困難
  3. コストが低い

今後あらゆる分野でのブロックチェーンの応用が期待されていますが、下記グラフを見ると分かるように、ブロックチェーン関連の国内市場規模は2021年に300億円規模に成長すると予測されています。

引用:IDCJapan公式サイト

現在日本では「ブロックチェーン推進協会(BCCC)」や「日本ブロックチェーン協会」といった組織が発足していますが、そこには多くのIT企業がそこに参加しており、あらゆる企業でブロックチェーンを使った「実証実験」が開始されています。

では、実際にブロックチェーンの実証実験をしている日本企業の応用事例を見ていきましょう。

ブロックチェーン投票システムを構築するインフォテリア

ソフトウェアの開発や販売を手掛けるインフォテリアは、ブロックチェーンベースで改ざん不可能な株主投票システムの実証実験をし、その開発に成功しました。

投票にブロックチェーン技術を用いる事によって、投票結果を運営側は変える事ができず、真実を揺るがす事が出来なくなります。
これによって、公正で透明性のある投票システムが実現するのです。

なお、以下の図のように、インフォテリアはプライベートブロックチェーンである「mijin」を採用しており、投票用のフォーラムより発行されたトークンを使って投票することができる設計となっています。

引用:インフォテリア公式サイト

この投票結果は主催者であるインフォテリアでも改ざんが不可能となっており、なおかつ24時間いつでも投票が受け付けられるようになっています。
このようなシステムを使えば既存の選挙でも同じ仕組みを当て込む事が想定出来ますが、スマホ一つで簡単に投票できるインフラを作る事によって手軽さが増すので、投票率のアップにも繋がるでしょう。

なお、同社は2017年よりブロックチェーン事業推進室が設置されており、ブロックチェーンに関わる事業開発に積極的な企業の一つです。

ブロックチェーンで業務を効率化する三井住友会場火災保険

三井住友海上火災保険では、損害勘定業務をブロックチェーンで管理する実証実験を行なっており、それによって今まで以上の業務効率化と情報セキュリティの強化を図ります。


引用:日本経済新聞

そもそも既存の火災保険金の支払いにおける損害調査は、保険会社や保険鑑定人との間で多くの情報共有ややり取りが必要でした。
それにインターネットベースではなく書類ベースでのやり取りが多い為にセキュリティ性が低く、かなりの工数が掛かってしまっているのです。
そのような問題を解決するべく、上述した保険会社と保険鑑定人の間での進捗状況や情報共有をブロックチェーン内で行う実証実験に取り組んでいました。

これが実用化されれば会社間での無駄な工数が減り、会社側も人件費の削減に繋がるでしょう。

なお、今年の2018年2月には保険事務にもブロックチェーン技術を活用することを発表しています。
これによって書類の改ざんを防ぎ、保険契約における手続きのプロセスを短縮することができるようになります。これは大手国内取引所のbitFlyerと共に実証実験をしており、およそ3ヶ月間の検証が行われました。

ブロックチェーンを利用することで全国の営業拠点や事務センターなどに存在している全てのノード内の情報、申し込みの内容、申し込みの結果などが全て確認できるようになります。
それによって、今まで面倒だった書類がほぼ不要となります。このように今まで行われていた書類業務の仕事もブロックチェーンに取って変わっていくかもしれません。

スマートコントラクトを活用するKDDI

KDDIは国内初である「Enterprise Ethereum」を活用したスマートコントラクトでの実証実験を開始し、スマホ修理のプロセスにおける情報をスマートコントラクトによって共有し、オペレーション業務の効率化を図ります。


引用:KDDI公式サイト

Enetrprise Ethereumとは企業向けの分散型アプリケーションプラットフォームのことであり、これを使うことによって、スマホの修理工程を改ざん不可能でリアルタイムで見ることができる情報共有システムをユーザーに提供します。

なお、KDDIは今後更にブロックチェーンの活用を拡大化し、AIやIoTとも連携した次世代サービスを開発していくとされています。

ブロックチェーンを実用化させる日本の金融機関


日本でも現在ブロックチェーン技術を実用化させたプロダクトが展開されていますが、それは現状だと金融分野が多いと言えるでしょう。

では既にブロックチェーンを実用化しているSBIホールディングスと、実用化を目前としている三菱UFJフィナンシャルグループについて見ていきます。

国際送金にブロックチェーンを活用するSBIホールディングス

SBIレミットによる国際送金サービス

日本の大手金融機関であるSBIホールディングスの子会社「SBIレミット」は、昨年2017年の6月よりブロックチェーン技術を用いた国際送金サービスを開始しており、日本とタイのサイアム商業銀行との間でRipple社の「Ripple Solution」を用いたリアルタイムかつ安価な手数料での送金を実現させています。

SBIレミットは、タイ以外にもベトナムやフィリピン、ブラジルなどでグローバルにサービスを手掛けていますが、ブロックチェーンを利用した国際送金はタイのサイアム商業銀行でのみとなっており、今後は更にグローバルにブロックチェーンが活用されるでしょう。

RCクラウドを用いたスマホ送金アプリ「マネータップ」

なお、SBIホールディングスとその子会社であるSBI Ripple Asiaが事務局を務める「内外為替一元化コンソーシアム」は、ブロックチェーン技術を使用したスマホ送金アプリ「マネータップ」の提供を発表しました。


引用:SBIホールディングス公式サイト

この送金アプリは、同コンソーシアムとRipple Solutionを導入する銀行とを結ぶ「RCクラウド」に接続し、個人間の送金をより安全に迅速に行います。


引用:SBIホールディングス決算説明会資料

このマネータップはまず最初に「住信SBIネット・スルガ・りそな」の3銀行間でスタートしており、今年2018年の夏以降に一般公開を目指しています。

新型ブロックチェーンを構築する三菱UFJフィナンシャルグループ

同じく日本の大手金融機関である三菱UFJフィナンシャルグループ(以下MUFG)は、コンテンツデリバリーサービスを手掛けているアメリカのアカマイ・テクノロジーズと共同で高速でのトランザクション処理が可能な新型ブロックチェーンを開発しており、これは2019年を目処に実用化される予定となっています。

この新型ブロックチェーンは高速トランザクション処理を用いてミリ単位決済ができるマイクロペイメントや時間単位での課金など、今後増えるであろうIoTデバイスを視野に入れた決済インフラの拡大を狙っています。

なお、MUFGは独自の仮想通貨である「MUFGコイン」の開発と実証実験も行なっており、1MUFG=1円のペッグ通貨での使用が想定されています。
MUFGコインはMUFGの社員およそ1,500人にて実証実験されており、割り勘の支払いや社員間の送金などで使われていると報道されています。

MUFGコインは金融の未来を変えるか。仮想通貨リップルとの深い関係とはMUFGコインとは 出典:https://bittimes.net/news/282.html 「MUFGコイン」は三菱...

このように、ブロックチェーン技術は仮想通貨の応用から金融分野へ、そして今後はその他の分野へと順番にシフトしていくでしょう。

ブロックチェーンが変える仕事とは?時代を生き抜く為の戦略


以上がブロックチェーンの応用事例などでしたが、今後テクノロジーの発展によって日本で働く私達の仕事はどうなっていくのでしょうか。
冒頭で挙げた応用事例などを見ていると、今後無くなる可能性が高い仕事はバックオフィス系の書類業務やクリエイティブではない単純労働ではないかと推測出来ます。

しかし、消えて無くなる仕事が増える反面、相応に新たな仕事や価値提供を与えられる機会が増えると筆者は考えています。
筆者が考える現在のブロックチェーン界隈における需要とは「投資家による投資的需要」と「企業や開発者による技術的需要」の2つです。

まず、投資的需要ですが、仮想通貨への投資をはじめ、ブロックチェーン技術を駆使したプロジェクトの会社に投資する機会は増えていると言えます。
しかし、それが新しい技術であり概念であることから、皆が皆簡単にその分野の知識を習得することは困難でしょう。
そこで、ブロックチェーン技術に対する知識を持っていれば投資家に対しての価値提供ができるようになります。
そして、知見を持てば自身でブロックチェーンに関するプロダクトを起案できる可能性だってあるでしょう。

続いて技術的需要ですが、これに代表して見受けられるのが「ブロックチェーンエンジニア」です。
現在日本では「ブロックチェーンエンジニア」の需要は高まっており、まだそのような人材が少ないことから多額の給料を積まれています。
これは単に労働市場における需要に対しての供給が過剰となっている為であり、今が自分の市場価値を高められるチャンスだと言えるでしょう。

以上のように、ブロックチェーン技術の発展によって無くなる仕事もある反面、それ相応、もしくはそれ以上のチャンスがあると考えています。
ブロックチェーン技術の社会への浸透はもうすぐそこに迫っており、これからそれと真剣向き合っていくべきではないでしょうか。

ABOUT ME
Kenta@フリーライター
Kenta@フリーライター
新卒で入社した大手金融機関を11ヶ月で退職し、仮想通貨・ブロックチェーンに特化したフリーライターとして活動中。現在は場所を選ばず住所不定の”Decentralized”な生活を満喫している。