仮想通貨

仮想通貨取引所の認可条件とは?匿名通貨が認可を妨げる理由

国内の認可を巡り悩む日本

人口の多い中国やインドまでもが国内での仮想通貨への規制を強めている中、日本では金融庁認可の下で営業が認められています。

しかし、コインチェックのNEM流出事件を機に、新たに登録申請を行っているみなし業者に営業停止を勧告するなど、規制が強まりつつあります。

20184月時点では、みなし業者10社に業務改善命令や業務停止命令を下す厳しい措置をとりました。

そこで今回は、国内の認可を受けている取引所にスポットを当て、認可される条件やみなし業者との違いなどについてご説明いたします。

仮想通貨取引所の認可の可否を決める条件とは?

20174月、金融庁は「改正資金決済法」を施行し、金融庁より「仮想通貨交換業者」の認可を受けなければ、取引所を営業することができなくなりました。

つまり、仮想通貨交換業者の登録が義務化されたということです。今になってなぜ、資金決済法が施行されたのでしょうか。

その理由は、マネーロンダリング対策や投資家を保護するためです。コインチェックのNEM流出事件からも分かる通り、奪われたNEMは全て資金洗浄されてしまいました。

コインチェックによる返金が行われたものの、被害にあった投資家は奪われた資産をすべて取り戻すことができませんでした。

今後このような事件が引き起こされないためにも、金融庁は手を打っておきたかったという訳なのでしょう。

仮想通貨交換業者の認可を受けるためには、様々な条件が定められています。その一部をご紹介します。

・資本金が1,000万円以上である

・純資産額が黒字である

・ユーザーからの苦情や相談に対応する営業所の所在地や連絡先の明示

・ユーザーの保護や適正な業務遂行を確保するための措置

・ユーザーの資産と取引所の資産を明確に区分し、管理する

・公認会計士もしくは監査法人の監査を毎年1回以上受ける

参考:金融庁「仮想通貨交換業者に関する内閣府令」https://www.fsa.go.jp/news/28/ginkou/20170324-1/04.pdf

みなし業者との違い

金融庁の認可を受けないと取引所の営業ができないのであれば、なぜコインチェックは営業し続けることができたのでしょうか。

なぜなら、コインチェックは「みなし業者」として営業が許可されていたからです。みなし業者とは、仮想通貨交換業者の申請中で認可を受けていない取引所を指しています。

要は、申請内容に不備があるために決められた期限内に改善しなければ、営業停止を言い渡されてしまいます。

コインチェックはみなし業者のまま、NEM流出事件を引き起こし、結果としてマネックスに買収されるに至ったのです。

認可を受けられなかった業者のその後

みなし業者の中で業務改善命令や業務停止命令を下された業者は、一定期間内に改善できなかった場合、登録申請を取り下げざるを得ない状況に追いやられてしまいます。

例えば、ビットステーションやミスターエクスチェンジ、CAMPFIRE、東京ゲートウェイ、Payward Japanなど8社です。

Krakenで知られるPayward Japanは登録申請を取り下げると同時に、日本在住者へのサービス廃止を決定しました。

ビットステーションでは、ユーザーの仮想通貨を私的に流用していたとして業務停止命令を受け、登録申請を取り下げています。

このように、金融庁はユーザーを守るためにも、二度とコインチェックのような事件を引き起こさないためにも、厳しい措置をとっているのです。

仮想通貨取引所の認可を受けるためには、責任ある管理体制やセキュリティ対策などの基準を満たす必要があるという訳です。

金融庁の認可を受けた仮想通貨交換業者を一覧で紹介

20184月現時点で、金融庁からの認可を受けた取引所は16社あります。どのような業者が登録されているのか、一覧表で確認しておきましょう。

参考:金融庁「仮想通貨交換業者登録一覧」https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/kasoutuka.pdf

初めて登録の認可が下りたのは11社で、QUOINEXbitFlyerGMOコイン、フィスコ、テックビューロなど名立たる業者が名を連ねています。

初期の登録業者の特徴はビットコイン以外にも複数の仮想通貨を取り扱っている業者が多いことが分かります。

一方、同年12月以降の登録ではビットコインのみを取り扱っている業者が多いことが分かります。

このことからも、仮想通貨の中でも信頼性の高いビットコインのみを取り扱うことで、無難に認可を受けようとする業者側の思惑が読み取れます。

ホワイトリストは認可を受けた仮想通貨のリスト

一般的に、金融庁の認可を受けた業者が取り扱う仮想通貨のリストのことを「ホワイトリスト」と呼んでおり、あくまでも公式的な名称ではありません。

ホワイトリスト入りした仮想通貨は、ビットコインやイーサリアムなど16種類が認定を受けています。

どのような場合に、使われる言葉なのでしょうか。

例えば、取引所が認可を受けた際、最新ニュースなどで目にすることがあります。

新たに認可された仮想通貨がなかった場合、「今回の認可ではホワイトリスト入りした仮想通貨はありませんでした」というような使い方がされています。

このホワイトリスト内には、モネロやダッシュ、ジーキャッシュ、ヴァージ、ゼットコインといった匿名性の高い通貨はリスト入りしていません。

匿名通貨は認可の妨げになる

知名度も人気も高かったコインチェックが金融庁の認可を受けられなかったのはなぜでしょうか。

最も大きな壁となったのが、匿名性の高い通貨を取り扱っていたことにあると言及されています。だからこそ、匿名通貨はホワイトリスト入りしていないのです。

コインチェックは当初、モネロやダッシュ、ジーキャッシュの3種類の匿名通貨を取り扱っていました。

匿名通貨は送り手や受け手が匿名で取引が行え、ブロックチェーン上に取引データや保有残高が記録されるビットコインと比べても透明性が失われていることが分かります。

つまり、匿名通貨とは取引記録や保有資産の残高などを他人に知られず、プライバシー保護された仮想通貨ということです。

その匿名性の高さ故に、マネーロンダリングに利用される可能性が高く、金融庁は危惧しています。

そのため、匿名通貨を取り扱うコインチェックは、今日に至るまで認可を受けられなかったのです。

マネックスグループの傘下となったコインチェックは現在、3種類の匿名通貨の取り扱いを断念し、登録申請を行っています。

安全な取引には国の関与は避けられない

取引所が金融庁によって様々な制限をされることは、一見、自由度が狭まるようにも思えますが、日本は被害総額約580億円となる未曽有のハッキング事件を経験しました。

このような事件によって、誰もが安全に自由に取引が行えないような社会になっては元も子もありません。

つまり、私たちの資産を詐欺や犯罪から守るためにも、国による取引所の監視体制は避けられないのです。

その一方で、海外の取引所は日本のように国の認可を受けていない所が多いため、規模や知名度はどうであれ、様々なリスクが高いということを理解した上で利用しましょう。

そして、取引所を選ぶ際は人気の高さや知名度だけではなく、安全性の高さやトラブル時のサポートの厚さ、管理体制の透明性などを考慮し、選ぶようにしましょう。