あなたは耳を疑うだろうが、サトシナカモトが女性であるという説を否定できますでしょうか。
5月13日に米ブルックリンで開催された、Women on the Blockというスマートコントラクトなど仮想通貨技術に関する講演会の中である説が提唱されました。
提唱者であるニューヨーク州議会議員のCarolyn Maloney氏は、まるでイエス・キリストが女性だったという様に、こう主張しました。
Satoshi is a female
サトシナカモト氏は女性である
ジョークとでも受け取られるこの発言だが、彼女の発言に一考してみてもいいかもしれません。
そのために仮想通貨業界の中での女性の活躍からこの真相について探ってみましょう。
ビットコイン提唱者 サトシナカモト氏とは
そもそものサトシナカモト氏についてですが、彼は2008年に仮想通貨の原点であるビットコインについて記述されたホワイトペーパーを執筆し、この文書により現在の仮想通貨業界発展へと繋がったビットコインの父とも言える存在です。
当初男性が主導する業界のなかで、サトシナカモト氏は男性説が有力だったということはいうまででもありません。
それもそのはずで、コンピューターを始めとするインターネット業界での発明や進化は、主に男性による功労だと考えられておりました。
しかしデジタル業界の歴史を知らずに、男性優位理論を語っていいのでしょうか。
女性たちによるIT業界の貢献について
コンピューターのバグを発見・修正することを意味する「デバッグ」を知っている方ならご存知かもしれませんが、こちらを行ったパイオニアであり、世界初のプログラマーであるAda Lovelace氏やGrace Hoppe氏が今回のサトシナカモト氏が男性である説を覆す上で非常に重要な役割を果たすはずです。
ちなみにAda Lovelace氏はADAコインというオンラインカジノプラットフォームであるカルダノで使用されているトークン名に由来しており、1980年代にはADAというプログラミング言語が誕生するなどしています。
彼女たちが存在しなければ、今あなたが持っているスマートフォンを始めとするデバイスが誕生するのはまだ先の話だったかもしれませんし、IT業界を築くことはできなかったかもしれません。
Lightning Labs社のCEO(最高経営責任者)であるElizabeth Stark氏は仮想通貨業界に先立つ重要な女性の一人でありますが、彼女たちは何度もある疑問を呈していました。
Stop marginalizing [sic] and write about the awesome work that women are doing
女性が成し遂げている功績を軽んじずに、もっと功績を讃えるべきです。
最前線で戦っている彼女たちにとって、女性であるという性別はスタートアップを始めとする資金調達問題や不愉快さに結びつく訳ではありません。
しかし他産業と同様にこのIT産業においても女性が過小評価を受けているという事実は決して無視できません。
実際の研究調査でも明らかになっています。
2012年から2018年の間に設立された仮想通貨関連のベンチャー又、ブロックチェーン組織における創業チームのわずか8%が女性であることが示されており、幅広いIT業界ですら17.7%とまだまだ改善の余地がみられます。
ギリシャの欧州議会議員Eva Kaili氏もこう主張します。
The lack of acknowledgment, gender equality, and respect for women could halt the progress of cryptos
男女平等、女性への敬意などの意識不足が仮想通貨業界の発展を妨げる事になります。
女性たちは、仮想通貨技術と理解に対して男性とは別に優位な立場にあります。男性が中心となって仮想通貨を使用するだけでは、この先の仮想通貨業界に将来はありません。誰でも簡単に利用するためには、男女が尊重し合い、協力し普及させるためには女性は必要不可欠であるでしょう。
これからより良い時代を築くために必要なこととは
私たちはおそらくサトシナカモトの正体、性別を知ることは難しいかもしれません。しかし正体を明かすことよりもお互いが今の時代の中でも協力し合いより良い環境を築き上げることが必要なのではないでしょうか。
間違った偏見や固定概念に縛られることは、誤った選択肢に繋がり、画期的な技術が一部の人間だけが享受する事になりかねません。そのためにも改めて自身の認識が正しいかどうか見つめることも必要なのではないでしょか。