アルトコイン/altcoin

イーサリアムを生み出したロシアの天才「ヴィタリック=ブテリン」とは?

イーサリアムの構想は、たった一人の青年によって発案された

今やビットコインに迫る人気を誇り、ICOの基盤として世界規模の市場を築き上げているイーサリアム。その性能はビットコインをはるかに上回り高い実用性を有する為、様々なプラットフォームに応用されています。

この先端的な仮想通貨は、たった一人の青年によって発案された通貨である、という事実について世間には然程知られてはいません。

8.5BTCTシャツを買ったことを覚えている」後に仮想通貨業界の根本を覆す大発明を行った青年が、仮想通貨に触れた際の記憶です。

その青年の名は「ヴィタリック=ブテン」。彼が仮想通貨業界に参入を果たしたのは、数年ほど前と頃年の事です。氏が如何にして仮想通貨を知り、イーサリアムを発案するまでに至ったのかを解説したします。

イーサリアムの父「ヴィタリック=ブテリン」の生い立ち

彼が生まれたのは、ロシアのモスクワ州です。コンピューターアナリストの父親とビジネスアナリストである母親の間に、ヴィタリック氏は誕生しました。6歳の頃、父親がより良い仕事環境を望んだために、カナダへ移住しました。

彼は小学生3年の頃から、優れた才覚の片鱗を見せています。プロフェッショナルの血を受け継いだ為か、両親が専門としていた「数学」「経済学」においてずば抜けた成績を残しています。更に独学でプログラミングを学ぶなど、幼少期から既に高いポテンシャルを発揮していました。

13歳になり中学生に上がると、オンラインゲーム「World of Warcraft」に熱中し始めました。しかし、お気に入りのキャラクターが突然、能力設定の調整を行われてしまうという事態が発生。

ヴィタリック氏は、会社が中心機関となって権力を振るう「中央集権型」のゲーム業界に落胆しました。この出来事は、彼が「分散型」である仮想通貨へ興味を抱く切欠の一つとなりました。

18歳になると、高校生対象の「国際情報オリンピック」へ参加。惜しくも銅メダルという結果ではありましたが、当時の年齢を考慮すると非常に優秀な成績であると言えます。

ヴィタリックは如何にしてイーサリアムを築き上げたのか?

氏がイーサリアムの開発に着手したのは大学生時代です。彼は僅か19歳という若さで、イーサリアムを完成させました。

彼は17歳の時、父親からビットコインの存在を教わり、初めて仮想通貨を知りました。しかし、当時の氏には単なる数字の羅列としか映りませんでした。しかし、その後再びビットコインの話題を耳にしたため、本格的に調べようと考えたと言います。

ビットコインの出会いから2年後、彼はライター業を通して仮想通貨に触れていくうちに強い関心を持ち始め、仮想通貨の専門雑誌「Bitcoin Magazine」を設立しました。次第に「世界中の仮想通貨を見て理解を深めたい、業界で何が起きているのかを知りたい」と考え、大学を中退した後に、募った支援金を片手に旅に出ました。

旅の中で、彼はブロックチェーンが如何にして応用されているかを知りました。モノの売

買から認証システム、クラウドファンディングなど、様々なアプリケーションで活躍していることを学びます。

しかし、氏は既存の仮想通貨に関わることはしませんでした。限られた用途のブロックチェーンではなく、あらゆる用途を持つブロックチェーンの新開発に目を付けたのです。

そして、彼は帰国後の2013年に、イーサリアムのホワイトペーパーをWEB公開しました。開発には多額の資金が必要と分かると、後年の2014ICOを実施し、約16億円という巨額の資金調達を達成した為、本格的に開発へ取り掛かります。

ICOから1年後の2015年、ようやくイーサリアムの正式リリースを成し遂げました。計画から完全公開まで、約2年の長い歳月を要したのです。

ヴィタリックが提唱するICOの資金調達モデル「DAICO

後期のICOはイーサリアムベースが大半であり、ヴィタリック氏の発案が無くては、仮想通貨市場の大規模な拡大は成しえなかったでしょう。

氏はイーサリアムの公開後も、ICOモデルや拡張機能などシステム開発へ積極的に取り組んでおり、独自のICOの資金調達モデル「DAICO」を発表しました。

DAICOとは、仮想通貨の三原則「DAO(組織・会社の分散化・自動自立化)」と「ICO(資金調達)」を組み合わせた造語です。

DAOの「群衆の知恵」「プロジェクトの信用性」「資金調達のコントロール」、ICOの「単一のプロジェクト支援」「51%攻撃リスクの低下」という二つの概念が持つ要素を組み合わせ、ICOの不正行為を阻止する目的があります。

 

これにより、開発者・投資家の双方が対等な関係を築くことが可能になり、ICOの規制強化や法的措置の必要も無くなります。

DAICOを先駆けて導入した事例として、「Abyss(アビス)」が挙げられます。Abyssは仮想通貨が使えるオンラインゲームを目指すプラットフォームであり、ゲーム業界の中央集権化を懸念していたヴィタリック氏が、積極的に開発へ関わっているプロジェクトです。

「コインチェック流出事件」から、ヴィタリック氏が考える解決策

2018126日、国内の取引所コインチェックにて、仮想通貨業界史上の流出事件が発生した騒動は、未だ我々の記憶に新しく、今も業界へ深い爪痕を残しています。

ヴィタリックは事件からおよそ2か月後の327日に来日し、「経済産業省」「外務省」「金融庁」3つの政治機関とのミーティングを開催し、仮想通貨に関して深く掘り下げた話題を論じました。その中で、氏はコインチェックの事件にも触れています。彼は次のように述べました。

「コインチェックの流出事件は、「分散型」であるブロックチェーン自体が引き起こした問題ではない。取引所の形式が「中央集権化」していた為に起こった事件だ。取引所の規制は確かに解決策の一つではあるが、そもそもこれらの問題は、技術的な解決が可能である。」

氏が掲げる解決策の一例として、彼が提唱するシステム「plasma」の適用があります。これは仮想通貨のスケーラビリティ問題を改善する為の仕組みで、1秒で処理できるトランザクションを増加する等の機能があります。

このplasmaを応用し「分散型取引所」を開設すれば、運営方針に依存する中央集権の必要はなくなり、ユーザー自身が財産を管理することが可能ということです。

「分散型のブロックチェーン」と「中央集権型である取引所」の咀嚼を取り除く事、これがヴィタリック氏の考える流出事件の解決策なのです。

ヴィタリック氏とブロックチェーン、今後はどの様な変遷を辿るのか

ヴィタリック氏は自らが開発したイーサリアムについて、「もっとパワフルになると信じている」とコメントしています。

国内の投資家は、流出事件によるイメージダウンや、法的措置による取引制限の弊害など、この数年で不穏な空気の迫る事例が多発した為に、仮想通貨業界の衰退を懸念しています。

しかし、ヴィタリック氏は日本の仮想通貨に関する適応力や意欲を評価しており、流出事件の多発によるイメージダウンについては「急激な発展を遂げるテクノロジーには付き物である」と述べています。

仮想通貨の規制強化についても悲観視はしておらず、これらの事例に関して「仮想通貨の業界が拡大・成熟しつつあることの証明」と前向きに受け止めており、仮想通貨を知り尽くした氏の、我々とは異なる広い見識と鋭い観察眼が伺えます。

ヴィタリック氏は今後の目標について、明確には定めていないとのことですが、「自分たちの長期的な課題は、ブロックチェーンを支える事である」と語っています。更に、「仮想通貨はまだまだ進化を続けているテクノロジーだ、その促進のために取り組んでいく」と述べ、その予定にはイーサリアムの改善も含まれています。

ヴィタリック氏の描く仮想通貨の未来は、経験と実績に基づいた長期的なロードマップのようです。氏の動向が、仮想通貨業界を大きく左右すると言っても過言ではありません。