アルトコイン/altcoin

ライデンネットワーク(raiden network)は生き残る?

ライデンネットワークとは?

イーサリアムにもビットコインと同じくスケーラビリティ問題が存在します。スケーラビリティ問題とは、トランザクションの増加などにより、10分で完了するはずの送金に非常に時間がかかったり、その結果、手数料が高騰したりといったユーザーの不利益を招くシステムの処理性能低下に関する問題です。

ライデンネットワークは、イーサリアムにおけるスケーラビリティ問題の解決を狙ったプロジェクトです。本記事では、その特徴と将来性を見ていきます。

ライデンネットワークの狙い

ライデンネットワークは、イーサリアムブロックチェーンのコンセンサスのボトルネックを避けるための仕組みを構築することを目標としています。そして具体的には以下のように、送金は1秒以下、手数料は1桁値下げという目標を掲げています。

指標項目

目標値

スケーラブル

処理性能が参加者数に対してリニアであること

注)どんなに参加者数が増えても処理速度が急激にスローダウンすることはないという意味です。

高速

送金が秒以下で確定すること

プライベート

個々の送金はグローバル共有元帳には記載されないこと

相互運用性

ERC20準拠のどのトークンでも動作すること

安価な手数料

送金手数料はブロックチェーンの手数料より1桁安いこと

マイクロペイメント適用

少額の送金が可能なぐらい手数料が安いこと

ライデンネットワーの利用シーン

ライデンネットワークでは、イーサリアムの処理速度を向上させ、また、手数料を劇的に下げることで、スマートコントラクトが活用される以下のような場面での利用を目指しています。

・店舗での決済(カード決済に匹敵)

P2Pペイメント(個人間取引)

・マイクロペイメント(少額取引)

・トークンスワップ(異なる仮想通貨の直接交換)

DEX(分散型取引所)

IOT(マシンtoマシンの支払い)

ライデンネットワーの仕組み

ライデンネットワークの仕組みはビットコインにおけるライトニングネットワークの仕組みとほとんど同じです。

ライデンネットワークでは、balance proofs(バランス・プルーフ)という考え方で整理されています。バランスプルーフでは、まず2者がオンチェーンで通貨(トークン)を貯金(デポジット)してオフチャネルというプライベートなP2Pネットワークを開きます。そして、デポジットの範囲内の取引はオフチャネル上でやり取りして、最終結果をオンチェーンに記録します。このように、個々の送金処理はオフチェーンの中で処理してしまうことで速度と手数料を劇的に改善するというものです。

ライデンネットワークの現状

ライデンネットワークのICO201711月に終了しました。ライデンネットワークの仮想通貨はRDNで、総発行枚数は1億枚ですべて発行済です。ICOでは5000万枚が販売されました。μRaidenという簡易版のネットワークはイーサリアムのブロックチェーンで稼働していますが、それ以外は開発中です。今年度中には稼働するという情報もありますが、ロードマップが未発表のため詳細は未定です。

ライデンネットワークは複数種類のオフチェーンを開発

引用元:https://raiden.network/

μRaiden

ライデンネットワークでは、双方向のオフチャネルを利用し、かつ、取引きの当事者以外のオフチャネルを中継して送金するという仕組みを利用します。

これに対して、μRaidenでは、オフチャネルの実現に一方向ペイメントチャネルという技術が採用されています。取引を行う2者が互いに支払い専用のチャネル(一方向)を開いて直接のやり取りを行うものです。単純化された仕組みにより処理負荷をかけることなくセキュリティが確保される点が特徴です。ただし、取引単位毎にチャネルを開く必要がありネットワークが複雑化する点が難点です。

Raidos

ライデンネットワークでは、イーサリアムかERC20に準拠したトークンを対象としています。Raidosは、これを拡張して、さまざまなスマートコントラクトが使っているサイドチェーンとやり取りすることでイーサリアムの機能を拡張することを目標にしています。現時点では構想段階にあり、リリースの目途は未定です。

ライデンネットワークの将来性

イーサリアムのスケーラビリティ問題への取組動向

イーサリアムのスケーラビリティ問題への取組には、ライデンネットワークのほかにSharding(シャーディング)やPlasma(プラズマ)などのプロジェクトが進行中です。

シャーディングはトランザクションの検証作業を参加するノードが分担して並列に処理することで速度改善を狙うものです。近日中にルビーと呼ばれるバージョンが実装される予定です。

プラズマは階層ツリーを基盤にしたサイドチェーン技術を使って処理速度を高速化するものです。現在開発中です。

ライデンネットワークの課題

ライデンネットワークでは取引に他のオフチェーンを経由することができます。どのオフチェーンを経由するのが最適であるかというルーティングが課題となります。また、オフチェーンの開設にデポジットが必要であるため、高額送金には不向きと言えます。

ライデンネットワークの将来性

ご紹介したシャーディングやプラズマが実装されてイーサリアムのスケーラビリティ問題解決のめどがつけば、ライデンネットワークの価値は大きく減少することになります。しかし、ライデンネットワークは、マイクロペイメントやIOTといった手数料がほぼ無料であることが期待される分野を想定して開発が進められています。開発が順調に進めば、イーサリアムのスケーラビリティ問題解決のツールとなることと合わせて、小口の少額決済の分野では一定の役割を果たすことが期待できると考えられます。