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【書評】堀江貴文著「これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話」の要約

「これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話」が遂に発売

堀江貴文さんの新著である、「これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話」が2018年6月30日よりついに発売されました。

本書は日本デジタルマネー協会の理事を務め、日本ブロックチェーン協会のアドバイザーも務めているビットコイナー「大石哲之」さんが監修しており、仮想通貨やそれを用いた経済について、非常に良く纏まった豪華な一冊に仕上がっています。

そこで本記事では、今注目の本書の内容を要約し、大事なポイントを解説しその見解を述べていきます。

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「これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話」の大まかな内容

『お金は変わる。そしていずれ「なくなる」』
そんな堀江さんの自身の見解や、仮想通貨・ブロックチェーンについての技術的な部分や最近のトピックについて、例えも用いながらわかりやすく解説されています。

本書はざっと大きく分けると以下のような構成です。

  1. 仮想通貨市場・業界の現状と現在のお金について
  2. 仮想通貨・ブロックチェーンの基礎
  3. イーサリアムやICOについての見解
  4. 国家と通貨・そして規制とイノベーションについて
  5. トークンエコノミーについてとこれからの働き方

本書では既によく書店に並んでいるような「ビットコイン」に特化した解説のみではなく、それ以外のイーサリアムやリップル、そして最近起こった事件などについての堀江さんの見解、また、昨今流行り流行った「ICO」についてなども細かく語られており、まさに「仮想通貨の未来とこれからのお金の話」です。

そして、後半では仮想通貨だけではなくクラウドファンディングやトークンエコノミーについても語られており、最後は「自分の働き方」についての堀江さんの思考が描かれています。

では、以下よりそんな本書でも筆者が大切だと考えた部分を切り取って解説していきます。

仮想通貨は「これから」の豊かな未来をデザインするテクノロジー

近年仮想通貨がブームとなり、「億り人」と呼ばれるネオ富裕層が現れるようになりました。
そして、同時に本物か偽物かわからないようなICOプロジェクトが続々とプロモーションされ、「仮想通貨=儲け話」といったイメージが世の中に浸透しています。
ですが、仮想通貨はそのような新たな儲け話ではありません。

儲かる・儲からないの考え方でそれを捉えていると本質を見失うと堀江さんは説いています。

仮想通貨は、僕たちの〝これから〟の未来を豊かな方向へデザインする、テクノロジーのひとつだ。
※本書より引用

なぜ未来を豊かにデザインする事ができるのでしょうか。
それは、ビットコインに代表する仮想通貨は「非中央集権型」という特徴を持っており、単一の国家や銀行にコントロールされないように設計されているからです。

そして、従来の中央集権の金融政策に依存するわけではなく、ビットコインの場合は全て「プロトコル」によって予め決められています。

そもそもお金は信用によって数値化された幻想産物であり、信用が崩壊すればその価値も紙くずとなってしまうのです。

しかし、仮想通貨は数学的技術によって信用を集める事ができ、そこに政府の裏付けはありません。
なので、テクノロジーに基づいた「信用」を創り出す事が出来るのです。
それこそが仮想通貨の魅力であり、未来を豊かにするテクノロジーとなる可能性があるのです。

僕は負の情諸よりもテクノロジーを信じる。
※本書より引用

堀江さんは本書でそう発言しました。

合理的ではなく習慣として根付いている事が大半の世の中

堀江さんは仮想通貨が盛り上がり出すもっと前から「紙幣をお金として使うのは習慣的なもので、惰性です。」と新聞取材でコメントしていました。

堀江さん自身も現金をATMから引き出して持ち歩くという事に苛立ちを感じていたようで、筆者もここ最近現金支払いはなるべく避けて、電子マネーやクレジットカードを使うようにしています。

合理的ではなく、ただ慣習として根付いていることが世の中には、たくさんある。
※本書より引用

世の中は必ずしも合理的には動いていません。
様々な「無駄なこと」というのはまだまだ世の中には溢れており、それが少しづつ改善されて最適化されています。

手紙はメールへ、ガラケーからスマホへ、といったように、ある日を界に、仮想通貨も私達のお金の支払い手段として一気に浸透しているかもしれません。

堀江貴文さんの考えるICOの本当の価値

昨今空前の盛り上がりを魅せているICO。

その資金調達額2017年で約6,800億円にも及びました。
ですが、ICOはおよそ90%が詐欺と言われており、とても健全な市場であるとは言い難い状況となってしまいました。

しかし、堀江さんはそのICOの本当の価値について本書で述べており、「議決権の有無にヒントがある」とその価値を訴えていました。

ICOは、IPOと違ってトークンの発行にあたっては議決権が存在しません。

これによって、発行側の持分が気薄化する事なく資金調達をする事が可能となります。
つまり、ICOではその企業やプロジェクトを買収する事が出来ないのです。

これによって利権を持つ資本からの邪魔を防ぎ、「俺たちの時代だ」と言わんばかりに、既得権益を維持する大企業を軽く超えるスタートアップ企業やプロジェクトが現れる可能性もあるでしょう。

僕はこの荒れ地に、世界を一変させる新たなゲームチェンジャーが誕生する可能性を見ている。
※本書より引用

そして、今までの上場企業は「会社は株主のものである」と言われており、会社は議決権を持つ株主に対しての評価を高めるインセンティブが働いていました。

しかし、ICOの場合は議決権も無く「投資家=サービスの利用ユーザー」となるようなトークンのサービス設計を組む事が可能です。

なので、ユーザーのベネフィットのみを追求したサービスが作りやすくなるのではないかという期待も堀江さんは抱いています。

堀江貴文さんが考える「自由」とは?

堀江さんは自身の考える「自由」についても語っており、それが「選択できるということ」だと説いています。

もっとカジュアルに、どんな人でも、自分が住む世界を自分で選択できるようになってほしかったのだ。
それが僕の考える「自由」ということだった。
※本書より引用

ここで堀江さんが主張しているのは「どの通貨を使うか、そしてどの国に所属するのか」という部分です。

仮想通貨による様々な経済圏が誕生すると、経済を選ぶ事、そして使う通貨をも選ぶ事が出来るようになります。

仮想通貨をベースとした様々な経済圏が現れると、必ずしも自分が生まれてきた日本という国で日本円を使った経済圏の中に浸かる必要は無くなります。

そのように、国や経済をカジュアルに選択出来る世界を堀江さんも望んでいるのでしょう。

堀江貴文さんが語る日本の仮想通貨に対する規制について

2018年に入っていきなりコインチェックのNEM盗難事件が起こり、そこから金融庁による規制は一層高まりました。

その後は日本の各取引所に業務改善命令が相次ぎ、今では日本の大手取引所bitFlyerもその指令を受けています。

【速報】bitFlyer(ビットフライヤー)に業務改善命令下るbitFlyerが自主的に新規受付を一時停止 引用:https://bitflyer.com/ja-jp/ 6月22日、金融...

そして、その後は大手海外取引所であるBinanceにも日本居住者への営業に関する警告を出しており、日本は鎖国的に規制を強めています。

ここで、堀江さんのこの規制に対する見解が本書で述べられています。

おそらく金融庁は、トークンやアルトコインひとつひとつに対して、証券取引法に準じた形で規制をかけたいということなのだろう。

新規で「上場」する、取引所で扱って誰でも買えるようにするためには、じっくりと上場審査のようなことをしたいのだと思う。
※本書より引用

堀江さんの言う通り、もし金融庁が既存の証券のような規制や上場審査を計画しているとすれば、新たなイノベーションの妨げにもなりかねません。

しかし、それによって大口投資家の参入や主要通貨の信頼性向上なども期待出来る為、規制によるメリットとデメリットは両方あると言えるのでは無いでしょうか。

なお、その後堀江さんはこんなことも。

金融庁からの業務改善命令自体はまったく珍しい話ではない。FXの初期の頃にはしょっちゅうあった話だ。
※本書より引用

現在の日本のFX市場は健全に整備されており、世界でも圧倒的な取引シェアを誇っています。
また、代表的なFXグループは「GMO」「DMM」ですが、両者はすかさずこの仮想通貨マーケットへも参入しました。

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現在日本はFXで世界No. 1の国となりましたが、今後規制によって仮想通貨もNo.1になる事が出来るか、そしてこの日本の規制が吉と出るか凶と出るかが見所でしょう。

国から独立した経済圏「トークンエコノミー」

そして、堀江さんが仮想通貨の普及で注目しているのがトークンエコノミーです。

仮想通貨が創るトークンエコノミーとは?新たな経済圏の今後を考察仮想通貨によってトークンエコノミーの時代が始まる 昨今、ブロックチェーン技術を駆使した仮想通貨は「投機」のフェーズから「実用化」の...

トークンエコノミーでは法定通貨の代わりにトークンを発行し、それを使ってインターネットの中であらゆるサービスと交換されます。

例えばイーサリアムのブロックチェーンをベースとしたブロックチェーンゲーム「イーサエモン」では「EMONT」という独自のトークンを使ってモンスターの育成や売却などができます。

イーサエモンとは?革命的な分散型のブロックチェーンゲームブロックチェーンがゲームにも応用される 引用:https://medium.com/@myetheremon 分散型の概念を...

さらに、ブロックチェーンSNSの「Steem」も同様に独自トークン「STEEM」を利用することで記事の作成者に報酬を払われる仕組みを構築しています。

次世代SNS「Steem」はどんな仮想通貨?その特徴と将来性を考察仮想通貨Steem(スチーム)とは? 仮想通貨「Steem」とは、次世代の分散型ブロックチェーンSNSです。 既存のSNSでは、...

トークンエコノミーと、既存のビジネスモデルの違いは、経済圏がネットワーク内で完結していることだ。
※本書より引用

トークンエコノミーはこのように、国家ではなくどこかで作られたネットワークの中だけで繰り広げられており、それは法定通貨に依存しない経済圏となります。

そしてそこではそれぞれの経済圏が誕生するので、ユーザーは「経済を選ぶ」こともできるのです。
トークンエコノミーは上述した堀江さんが考える「自由」にも繋がり、経済圏を自ら選択して共存するコミュニティを決定出来るという未来の可能性を秘めています。

なお、このトークンエコノミーに関してはメタップスの佐藤航陽さん著の「お金2.0」にも詳しく書かれているので、本書と同時に読み進める事をお薦めします。

本書のまとめ:いつまで円建てで人生を考えるのか

「いつまで君は円建てで人生を考えているんだろう?」

これは、本書の冒頭に書かれているフレーズです。
この言葉には本書の内容が一言に収縮されていると言えるでしょう。

まさに私達は今、単一の国家に依存しない経済圏を作る・もしくはそれにジョイン出来るというチャンスがあります。

堀江さんも本書の終わりで紹介していましたが、北欧の「エストニア」には「e-residency」と呼ばれる電子国民になれる制度があり、この制度によって外国人はエストニアの電子移住権を取る事が出来ます。

これの何がすごいのかと言うと、物理的にその国に住んでいなくても、電子空間を使ってその国の国民になり、エストニアの銀行を利用して税金を納めたり、そして起業して会社を作ったりすることが出来るという点です。

同国はブロックチェーン技術を活用し、既に全行政サービスの内99%が電子決済のみでのオンライン完結を実現させています。

そもそもエストニアはスケールの小さな国であり、労働不足、そして領土の問題を抱えていました。
ですが、それらの問題を埋める為にデジタル国家となり、IT化する事で無駄を省き、そして国民をグローバルに増やす作戦を取ったのです。

このエストニアのような電子移住権が世界的に広がれば、テクノロジーを駆使してネット内でカジュアルに自分の活躍・貢献したいと思う国を自由に選ぶ事も可能となり得るでしょう。

エストニアはスマートコントラクトをベースにした国家になろうとしている。その流れは止めようもない。
※本書より引用

このように、今後活躍する舞台は自分が住んでいる国にのみならず、世界中、もしくはインターネットの世界内とどこでも繰り広げられるようになるかもしれません。

テクノロジーによって最適化される未来を考えると、今持っている仮想通貨の含み益や含み損がどうだといった話がちっぽけなものにも感じてしまいます。

ブロックチェーン・仮想通貨はまだまだ序章でしょう。今後の展開が楽しみです。

ABOUT ME
Kenta@フリーライター
Kenta@フリーライター
新卒で入社した大手金融機関を11ヶ月で退職し、仮想通貨・ブロックチェーンに特化したフリーライターとして活動中。現在は場所を選ばず住所不定の”Decentralized”な生活を満喫している。